空間
ねぇ、僕は孤独だ。
ねぇ、僕は自分だけの空間が欲しい。
自分だけの居場所が欲しい。
自分がいるべき場所が欲しい。
僕は孤独を探してる。
僕は自分だけの空間を探してる。
孤独というのは箱に似ている。
小さな小さな箱に似ている。
もともとその箱は大きかった。
もっともっと大きな箱だった。
他人が入ってこれるくらい。
それくらい大きな箱だった。
でも誰も入ってこなかった。
いつまで待っても来なかった。
その箱は僕一人には大きすぎた。
広くて居心地が悪かった。
僕はその箱の脇に寄った。
箱の真ん中からずれて座った。
余分な空間が目障りだった。
要らない場所が気に食わなかった。
だから僕はそこを切った。
いらない空間を切って捨てた。
少し居心地が良くなった。
幾分気分が良くなった。
後はその繰り返しさ。
端に寄る、空いた空間が気になる、
それを切る、捨てる。
そうして箱は小さくなった。
随分随分小さくなった。
今では僕が座るだけ。
膝を抱えて壁にもたれて、
それだけで精一杯の大きささ。
誰かが入ってこようとしても、
僕がいるだけで精一杯だから、
結局誰も入ってこれない。
でも勘違いしないでくれよ。
僕はこの箱が好きなんだ。
とっても小さくて、とっても窮屈。
だけどこの箱が好きなんだ。
僕はここだとくつろげる。
僕はここだと安らげる。
僕にはこの場所が合っていて、
この場所も僕に合っている。
だから僕はここにいる。
ここにいたいからここにいる。
きっと誰もがそんな場所を持ってて、
きっと誰もがそこを大切にしてる。
ねぇ僕は孤独だ。
ねぇ僕は自分だけの空間にいる。
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