第二話:宝物を取り返せ!
洞窟の中は静かだった。少し薄暗く、潮の香りがする。足に砂の感触が心地よい。そんな中を私達は進んでいた。
カズキはさっきからびくびくと私の後ろに隠れているし、そんなに危険な場所には見えないけど……
「…ねぇカズキ、ここって危険なところなの?」
「うん。ここは『海岸の洞窟』って言うんだけど、不思議のダンジョンと呼ばれる場所なんだ。」
「不思議のダンジョン?」
「入るたびに地形が変わるし、倒れると入り口に戻されて、道具やお金がなくなるんだ。でも、おかげで出られなくなる事はないんだけどね…」
「へぇ〜、でもそれってそんなに危険じゃないと思うけど?」
「言ったでしょ?最近悪いポケモンが増えてるって、原因はよく知らないけど、我を忘れて襲ってくるポケモンもいるんだ。だから、みんなダンジョンには極力近づかないようにしてるんだよ。」
なるほど、だから怯えてるのか。カズキはバトルとかは苦手そうね…私が頑張らなきゃね!
「ねぇカズキ、私ってどんな技が使えるの?」
「え?う〜ん…ヒナタは草タイプだから、はっぱカッターとかつるのムチじゃないかな?」
はっぱカッターにつるのムチか……試してみるか
「………はっぱカッター!」
シュバッ!
前にあった岩が真っ二つになった。
よし!出来た!
私は技が出せたという喜びを感じるとともに、本当にポケモンになってしまったんだと改めて感じた。
私が満足気な顔をしていると、カズキは驚いたような顔になった。
「スゴい……ヒナタってホントに人間なの?初めて技を使うにしては凄い威力だけど…」
「え?これが普通じゃないの?」
「うん。」
そうなんだ…ちょっとうれしいかも。じゃあ次はつるのムチね。
シュルルッ!
あっ出た。感覚は人間の時の手と同じね。
「さて!技も出せたことだし、早く行きましょうか!」
「う、うん。」
私達は洞窟の最下層をめざして、階段を下りていった。
なぜこんな洞窟に階段があるのか不思議に思ったが、それも不思議のダンジョンの特徴だと思うことにした。なんか聞いちゃいけないような気がしたから。
…それにしても、ここのポケモンって凄く弱い。私のはっぱカッター一発でやられちゃうんだもん。楽でいいけどさ…
そんな調子で敵を倒しながら、最下層までやってきた。
そこには行き止まりで立往生しているドガース達がいた。
カズキは勇気を振り絞って話し掛けた。
「お、おい!」
その声に、ドガース達は振り向いた。
「おやおや誰かと思えば、さっきの弱虫君じゃないか」
「うっ……ぬ、盗んだものを返してよ!あれは僕にとって大切な宝物なんだ!」
「ほぅ、やっぱりこれはお宝なんだな?」
「見た目より価値があるかもしれない、余計返せなくなったぜ。」
「そ、そんなぁ…」
「返して欲しけりゃ力付くできな!」
カズキは俯いてしまう。
何やら小さい声でぶつぶつ呟いている。
「……僕は探検家になるんだ、こんなところで挫けちゃダメだ……勇気を出さなきゃ!」
カズキは私を見る。私はしっかり頷いた。
私達は身構えた。
「やる気か?それなら食らえ、超音波!」
「煙幕!」
「うわぁ!」
「前が見えない!」
私達は煙幕に包まれた。
「ケケッ!どうだ!」
「これが俺たちの実力だ!」
「へぇ〜この程度なんだ。」
私は背後から、ズバットに思いっきり体当たりしてやった。ズバットは倒れた。
「なっ!?いつの間に!?」
「煙幕で視界が利かなくたって、あんたたちの位置が変わらないなら前に進めばいいだけの話、安心しすぎたみたいね!」
ドガースにもつるのムチをお見舞いしてやった。
「グヘッ!」
ドガースは変な声を上げて倒れた。
「ほら!勝ったんだからさっさと返しなさい!」
「ケッこんなもん返してやるよ!」
そう言ってあの石をこっちに投げた。
「覚えてろ〜〜」
ドガース達は逃げていった。
「ほら、取り返せたわよ?」
私は石を広いカズキに差しだした。
「うぅ、ありがとう……」
私達は洞窟を出た。
「さっきは本当にありがとう!」
「どう致しまして。」
カズキはあの石を見せてくれた。
「これは『遺跡の欠片』、一見ただの石ころに見えるけどほら、真ん中に不思議な模様があるでしょ?」
私は石をよく見てみた。
確かに不思議な模様ね、こんなの見たことない…って言っても記憶がないから知っててもわからないか。
「僕ね、昔から伝説とかが大好きで、そういう話を聞くたびにわくわくするんだよ!だってそう思わない?なぞの遺跡や隠された財宝、闇のまきょうや誰も行ったことがない新しい大陸、そんなところには黄金やお宝がザッザク!そこにはきっとロマンがある。僕、いつもそんなことを考えてはわくわくしてるんだよ!…あっゴメンついあつくなっちゃった。」
「ううん、私もそういうのは大好きだから、続けて」
「うん。それでふとしたことで拾ったのがこの遺跡の欠片なんだ。この欠片が伝説的な場所や秘宝への入り口になっている、そんな気がしてならないんだよ。」
カズキは欠片を手に取る。
「だから僕も探検隊になってこの欠片がはまる場所を発見したい!僕自身でこの欠片のなぞをいつか解きたい!そう思ってさっきも探検隊に弟子入りしようとしたんだけど……僕臆病でさ……。」
「(確かに勇敢とは言えないわね…)」
「ヒナタはこれからどうするの?どこか行くあてあるの?」
「あっそういえば…」
もともと人間なのだから帰る場所なんてない。
「……もしないならお願い!僕と一緒に探検隊やってほしいんだ!」
「いいわよ、何か行動を起こさないと何も変わらないしね!」
「ホント!?ありがとう!これからよろしくね!」
こうしてヒナタとカズキの探検隊が結成されました。
…同じ頃、結成されたチームがもう一つありました。
「準備はいい?」
「うん。頑張ろうね!」
これから始まる大いなる探険、探険の歌は、まだ始まったばかりだ。
…やっと書けた〜
ヒナタ
「今回はずいぶんかかったわね?」
あれ?何でヒナタがここにいるの?
ヒナタ
「何で遅れたのか気になったから。」
書いてる途中で寝ちゃってそれまで書いた奴が全部消えちゃったんだよ。
ヒナタ
「ふ〜ん。ま、頑張ってね。」
はい。頑張ります。
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