第一話:出会い
一匹のポケモンが、ある建物の前に立っていた。
「う〜ん…」
何やら悩んでいる様子だ。ぶつぶつ言いながらウロウロしている。
「いや、こんなことしてちゃダメだ!今日こそギルドに入るんだ、勇気を出さなきゃ!」
ギルドとは、超一流の探検家プクリンが親方をしている場所だ。探検家をめざすならここに弟子入りするのが一番の近道と言われている。
首にひもで掛けている石を握り締め、足を踏みだした。
何度も来ているから入り方はわかる。しかし、入ったことは一度もない。その理由は…
「ポケモン発見!ポケモン発見!」
「誰の足形?誰の足形?」
「足形はヒノアラシ!足形ヒノアラシ!」
「ひゃあ!!」
いつも入り口の前に来ると、足元から突然声が聞こえるのだ。これは、ギルドに怪しいポケモンが入らないように見張っているだけなのだが、臆病な性格ゆえにこうしていきなり声が聞こえると、反射的に身を退いてしまうのだ。なのでいつまで経っても中に入れないのである。
「……ダメだ、結局入る踏ん切りがつかないや。今日こそ!っと思ってきたんだけど…」
首に掛けてあったものを外し見つめる。
「この宝物を握り締めていけば少しは勇気も出ると思ったけど…ハァ…」
深いため息を吐き、それをまた首に掛けた。
「あぁ、ダメだ。僕ってホント臆病者だよなぁ…。情けないよ…」
そういってとぼとぼと階段を下りていた。
そんなヒノアラシの様子を影で見ていた二匹のポケモンがいた。
「おいズバット、今の見たかよ。」
「あぁ、もちろんだぜドガース。」
「さっきウロウロしてたヤツ、あいつ何か持ってたよな?」
「あぁ、ありゃきっとお宝かなんかだぜ。」
「狙うか?」
「おう。」
ドガースとズバットは、ヒノアラシのあとを追った。
その頃ヒノアラシは海岸にいた。ギルドからほんの数分の距離だ。時刻は夕方、この海岸は夕方になるととてもいいものが見れるのだ。
「わぁ〜!きれいだなぁ!」
ヒノアラシが見ているのは海、しかしそれはクラブたちのはく『あわ』と、夕日のオレンジ色の光によって、とても幻想的な光景だった。
「何度見てもきれいだなぁ。悲しいときや落ち込んだときでも、ここに来るといつも元気が出てくるよ。今日も来てよかった。」
しばらくその光景に見惚れていたが、奥の方に見慣れないものを見つけた。
「ん?…あれ?何だろう。」
近寄ってみるとそれはなんとポケモンだった!
「わっ!誰か倒れてるよ!」
慌てて近寄ってみるが、目を閉じたまま動かない。
「キミどうしたの!大丈夫!?」
身体を揺すってみるとかすかに動いた。
「しっかりして!」
……誰かが私の身体を揺さ振っている。誰だろう?
……風が吹いてる?ここはどこ?
「…ぇ……して…」
「うぅ…」
だんだん意識が覚醒してくる。……身体がだるい
「あっ気が付いた!よかった〜!」
目をあけると、暗いところから明るいところに出たようにとても眩しかった。
「大丈夫?キミ、ここで倒れてたんだよ?」
倒れてた?私が?
まだ目覚め切っていない頭をひとふりし、声のしたほうを向く。そして驚愕した。
「僕はカズキ。よろしくね!」
「………が……」
「え?なに?」
「ポケモンが……しゃべってるーーーー!?」
「………へ?」
なんで!?どうして!?どうなってるの!?……と、とにかく落ち着こう。何で私はここにいて、何でポケモンがしゃべってるか考えよう。
まだ目覚め切っていない頭をフル回転させるが、どうしたことか、どうしてここにいるかどころか、何も思い出せなかった。
憶えているのは自分の名前と、自分が人間だということだけ。
な、何で思い出せないの?
そんな私にさらに追い打ちをかけるようにカズキは衝撃的なことを言った。
「キミ大丈夫?ポケモン同士なんだからしゃべるのは当たり前でしょ?」
「……今、何て言ったの?」
「だからポケモン同士なんだから…」
「私は人間だよ!?」
「…何言ってるの?どこからどう見てもフシギダネだよ?」
私は自分の身体を見てみる。
緑色の体、背中にある大きなタネ、そして今頃気付いたが四足歩行…間違いないフシギダネの身体だ。
「わ、私フシギダネになってる!!?」
一際大きな声で叫ぶとカズキはビクっと体を震わせた。ちょっと怯えているみたいだ。
「……キミもしかして僕を油断させて騙そうとかしてる?」
「私があなたを騙して何のメリットがあるの?」
「そ、そうだよね、ゴメンね。じゃあ名前は?名前は何て言うの?」
名前?名前なら憶えてる。
「……ヒナタよ。恐がらせてしまったのならごめんなさい。」
「ヒナタっていうんだ。僕の方こそ疑ってごめんね。最近悪いポケモンが増えてきていきなり襲ってくるポケモンもいるし…なんか最近物騒なんだよね。」
その時誰かがカズキを突き飛ばした。
「イタッ!」
「おっとゴメンよ。」
「いきなり何すんのさ!」
「へへっわからないのかい?おまえに絡みたくてちょっかい出してるのさ。」
「ええっ!?」
そこには、先ほどギルド入り口で話していたドガースとズバットがいた。
「こいつはもらっておくぜ。」
「ああっ!それは!!」
さっきぶつかった衝撃で首に掛かっていた石がはずれてしまったらしい。
「なんだてっきりすぐに取り返しに来ると思ったが…なんだ?動けねぇのか?」
「うっ…」
カズキは後ずさる。
「さっ行こうぜ。」
「じゃあな、弱虫君。へへっ。」
二匹は近くの洞窟に入っていった。
「……あぁ……。ど、どうしよう?あれは僕の大切な宝物なんだ…。」
カズキは今にも泣きそうだ。
「あれがなくなったら、僕は、僕は……うぅ」
ついに泣きだしてしまった。
「取り返しに行かないの?」
「で、でも、僕の力じゃ……」
「そうやってあきらめるの?あれはあなたの大切なものなんでしょ?私も行くから勇気を出して!」
「……うん!頑張ってみるよ!」
「決まりね!じゃあ急ぎましょう。」
「うん!」
こうして二匹はドガース達を追って洞窟に入っていった。
これ書くの結構大変ですね、プロローグを書いた時にはもう書こうとしてたんですが……まぁそれはさておきいかがでしたか?なるべく台詞とかはオリジナルにしようと思うのですが……変じゃないですよね?
感想などあればよろしくお願いします。
次回はドガース達と戦うと思います。
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