魔王との決戦を控えた勇者一行は、魔王城の一歩手前の「最後の町」へとやってきた。
これより先には人はおらず、道具調達もここで完璧に整えないといけない。
特に回復薬は充分に準備しておく必要があった。
「すいませーん!」
「はいはい。どのような品をお求めでしょう?」
勇者の声に反応して店の奥から若い青年がやってきた。
「薬草ください」
「薬草ですね? 1つ、10000ゼニーですが、いくつお求めでしょう?」
「えーっと99……って、ええー!」
突然、勇者が驚く。
「ちょっと高すぎません? 最初の町から今までは5ゼニーだったのですが」
「ここでの相場は10000です」
キッパリという青年。
不敵な笑みを浮かべている。
「別に無理して買う必要はないですよ。けどまあ苦戦は必須でしょうね」
「困った……」
財布を覗く勇者。
財布には今まで稼いできた金が入っていたが、薬草は数個しか買えない状態。
だがここが最後の町である以上、薬草は必需品。
「どうします?」
青年の顔は更に歪む。
「……よし!」
勇者はある決断をした。
青年の顔は本日絶好調。
「魔法使いよ。転送魔法で“最初の町”へ俺たちをテレポートだ」
「オッケー」
魔法使いが杖を振りかざすと、青年の前から勇者一行は消えた。
「…………くそ!! やられた!!」
青年は店の机を思い切り叩きつけた。 |