勇者の買い物術縦書き表示RDF


勇者の買い物術
作:ポリンキー


 魔王との決戦を控えた勇者一行は、魔王城の一歩手前の「最後の町」へとやってきた。
 これより先には人はおらず、道具調達もここで完璧に整えないといけない。
 特に回復薬は充分に準備しておく必要があった。

「すいませーん!」
「はいはい。どのような品をお求めでしょう?」

 勇者の声に反応して店の奥から若い青年がやってきた。

「薬草ください」
「薬草ですね? 1つ、10000ゼニーですが、いくつお求めでしょう?」
「えーっと99……って、ええー!」

 突然、勇者が驚く。

「ちょっと高すぎません? 最初の町から今までは5ゼニーだったのですが」
「ここでの相場は10000です」

 キッパリという青年。
 不敵な笑みを浮かべている。

「別に無理して買う必要はないですよ。けどまあ苦戦は必須でしょうね」
「困った……」

 財布を覗く勇者。
 財布には今まで稼いできた金が入っていたが、薬草は数個しか買えない状態。
 だがここが最後の町である以上、薬草は必需品。

「どうします?」

 青年の顔は更に歪む。

「……よし!」

 勇者はある決断をした。
 青年の顔は本日絶好調。

「魔法使いよ。転送魔法で“最初の町”へ俺たちをテレポートだ」
「オッケー」

 魔法使いが杖を振りかざすと、青年の前から勇者一行は消えた。



「…………くそ!! やられた!!」



 青年は店の机を思い切り叩きつけた。














ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




◆BACK
小説家になろう