伊達政宗 〜陸奥の独眼竜と呼ばれし漢〜(7/10)縦書き表示RDF


義姫の回想の続きです。

文化発表会と運動会の準備で忙しくなるので更新の速

度が下がりますが悪しからず。
伊達政宗 〜陸奥の独眼竜と呼ばれし漢〜
作:竹中煕子



義姫 〜回想〜


梵天丸が五歳の頃は賢いと言う噂が立っていた。

その噂を広める原因となった出来事はある晴れた朝だった。
















「梵天丸や」

と私が言うと、

「如何なされましたか母上」

と利発そうな目を輝かせて言うわが子。

この子は本当に良い子に育ったと思っている。

おそらく次に楽しい事が待っていると分かっているようだ。

「今からお寺に行きますゆえ、着替えてきなされ。」

というと


「はい。」


と嬉しそうに着替えに行った。









着替えが終わり、馬の仕度が出来るとお寺に行った。

<ありえないけど、義姫が馬に乗れるという事を・・>

お寺に着くと、仏像を見せてもらった。

すると、梵天丸は興味津々なようで色々なのを見ていた。

しばらくすると、

梵天丸のいるほうから

「あっ。」

と言う声がしたので梵天丸のもとに駆け寄ると

梵天丸が一体の仏像の前で震えていた。

恐ろしい形相をしているから驚いたのだろうと思って

「この仏様は怖くありませんよ。」

といって背をなでてやると、

「何故、優しいはずの仏様がこのように怖いお顔をなさっているのですか。」

と聞いてきたので、

「この仏様は不動明王といって若を睨んでおられるのではなく

若の心の中にある悪しき心を睨んでおられるのです。」

とそこにいたお坊さんが言った。

すると、梵天丸は明るく言った。

「仏様は御優しゅうあられるだけではのうて御強うもあられるのですね。」



それを聞いた人から人へと噂は広がり奥州一体で

「伊達の跡取りは賢い」

と言われるようになった。

跡取りが賢いと攻めてくる者は少なくなるので伊達のものは皆喜んだと言う。

勿論私も嬉しくてたまらなかった。

これからどのようにすばらしい人になるかが楽しみであった。

しかしこの後すぐその希望が消え、竺丸に移るとは知らなかった。



義姫を通してこの逸話を語らせました。

これからも宜しくお願いします。











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