挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

88/988

88 やる気出せや!

今日はこれが精一杯。
 女のコが倒れている。

 これがイケメンなゴブリンや美丈夫なオーガと遭遇してなければ、見た瞬間に駆け出していることだろうが、樵衆しかこない場所で、しかも街道筋から離れている道で倒れていたら、余程のバカでない限り、一連の出来事と同じと見るだろう。

 それに、なんなんだろうな、アレは?

 罠に嵌めようとしているのはわかるが、機能性を完全に無視したデザインありきのメイド服なのはなぜに? まあ、それはイイ。いや、良くはないんだが、そんなことは全体から見れば些細なコトだ。

 まず、その下に敷いたマットはなにかな? この罠が行き倒れ的なシチュエーションなら、マットいらなくねぇ? そんなに汚れんのイヤか? あと、盗賊に襲われて逃げてきたしたとか、迷子になりました的なヒントは出しておけよ。そんな新品同様なメイド服からなんも想像できねーよ。靴なんて土の一欠片も付いてねーじゃんかよ。せめて歩いてこいよっ!

 見た目は子供。中身は大人な名探偵じゃなくても空飛んできたってわかるわっ!

 ほんと、ナメてんの? バカにしてんの? それともあんたがアホなの? クソが! もうちょっと気合い入れろや! やる気出せや! 相手する身も考えろや! つーか、なんでオレは憤慨してんだよ! 意味わかんねーよ!

 ───はっ!

 イカンイカン、落ち着けオレ。クールだ。クールになれ。オレはクールな兄貴。頼れるあんちゃん。うん、大丈夫。オレ、復活。おし!

 さて。どーすっかな。

 落ち着いてはみたものの、アレと関わるのヤだな~。見なかったことにして帰りてーなー。

 だが、今回逃げたところで次回も逃れられるとは限らない。それどころか余計にメンドクセーことになりそうな予感がビシバシ感じるぜ。

 ……ほんと、世の中ままならねーぜ……。

 しゃーねー。嫌なことはとっとと済ませるか。

 とは言え、どーすっかな~? 罠であることは間違いねー(オレの想像力で他の可能性なんて思い浮かばねーよ)が、罠である以上迂闊には近寄れんし、アレが見た目通りとは限らねぇし……あの手で行くか。

 土魔法でオレと同じサイズの土人形を作り、オレの姿を映した結界を纏わせ、オレは迷彩結界を纏う。

 変わり身の術、なんてことをやりたくて作ったネタがまさか役立つ日がくるとは。世の中わからんもんだ(そりゃお前の頭ん中だ、って突っ込みはノーサンキュー)。

 人形を操り、女のコへと近付ける。

 遠距離からの攻撃はなし。落とし穴的な罠もなし。魔術による罠もなし、か。マジで行き倒れ作戦オンリーなのか?

 人形が女のコの直ぐ横に到達する。が、やはりなんの反応もない。

 人形の腕を動かし、女のコの首筋に手を当てる。ちなみに体温機能付きっス。

「おい、どうした? 生きてるか!」

 声を掛けると、女のコの瞼が動き、ゆっくりと開かれた。

「……わ、わたし、いったい……」

 そーゆー演技できんならシチュエーションにも力入れろや!

「いったいどーしたんだ? なんか覚えてっか?」

 ここからは女のコの横顔しか見れんが、感じからして年はオレより一、二歳上。絵に描いたような美少女だ。そーゆーのが好きな野郎にはたまらんだろうが、ツルペタ趣味じゃねーオレとしてはおもしろくもなんともねー。罠に使うなら〇〇連れてこいや!

「……………」

 うん? どーしたんだ?

 女のコが人形を凝視したまま動かない。

 どうしてイイかわからず流れに任せてると、女のコの表情が戸惑い色に染まって行った。

 見た目は子供。中身は大人な名探偵が憑依したかのように、迷彩結界から魔力遮断結界に切り替えた。

 ───魔眼持ち!

 あるとは聞いていたが、まさかそんな希少能力者と遭遇するとは夢にも思わなかったぜ。

「───捕らえろ!」

 叫んでから失敗と気が付く。なに叫んでだよ、オレ!

 こちらの失敗を有効に活かした女のコは、人形の手から素早く逃れた。クソが!

 こちらに気が付いた女のコがオレを見る。

 金色の瞳が怪しく光る。が、魔力遮断結界はあらゆる魔を跳ね返す。対策を教えてくれはザンバリーのおっちゃんに大感謝だ。

「……な、なぜ、効かないの……?」

 さぁ、なんでだろうな? とは言わない。言ってやる義理はねーし、立ち直る時間をくれてやる気もねーよ。

 今度は無言で人形を操り、女のコを捕らえ───ようとしたが、ヒラリと交わされた。

「突き槍!」

 咄嗟に女のコの下から石の槍を突く───が、今度もヒラリと交わされる。

「ならば、封───な!?」

 結界で閉じ込めようとした瞬間、女のコの背中からコウモリのような羽が広がった。

「サキュバスだと!? 
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ