挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

58/990

58 毎度あり

 いつもの朝の仕事と日課を済ませ、朝食を取ったあと、オレはトータとの約束を守るためにニンジャ刀を作っていた。

 トータは百まで数えられるが、足し算引き算はままだ教えてはいない。なので点数計算も無理だ。

 だが、スーパー幼児は当てた場所は完璧に覚えてたりする。

 その記憶能力を元に計算したら、なんと三百点を超えていた。

 思わず『なんでやねん!』と突っ込んでしまったが、よくよく考えたら相手は進化したゴブリン。スーパー幼児とは言え、まだ非力な五才児では一殺はできない。四から五刺ししないと倒せなかったよーだ。

 まあ、想像とは違った結果にはなったが、約束は約束。可愛い弟のためにニンジャ刀を作っているのだ。

 ちなみにトータは目の前でできるのを待ってるよ。

 これもちなみにだが、我が家には鍛冶場がある。

 つっても一般的な鍛冶場じゃなく、魔術(サプルに頼んでる)で生み出した火(たぶん、千度は超えてると思う)を結界て封じ込め、任意のものしか通さない設定にしてある。

 まずは砂鉄を結合して四十センチくらいの鉄の棒を作る。それを結界の中に入れて熱し、赤々と燃えるニンジャ刀をハンマーで叩いて行く。

 五トンを持っても平気な体は高速連打が可能であり、一分も叩けばそれなりの形になる。

 それを水ーー魔力を含んだ水に突っ込んで急速に冷やす。

 これを三度繰り返し、回転ヤスリで研いで行くと、破魔の効果があるニンジャ刀ができあがる。

 なんでやねん! と、突っ込まれたら教えよう。旅の鍛冶師(ドワーフのおっちん)に教えてもらったのだよ。

 まあ、こんなことしなくても普通に土魔法で作れるんだが、鍛冶スキルを錆び付かせるのももったいないので、こうして腕と勘を鍛えているのだ。

 柄を毛長羊の毛で巻きあげて行き、土魔法と結界炉で薄く素焼きした陶器の鞘に灰色狼の革を巻き付けて完成。ほらと、トータに渡した。

 輝かんばかりの笑顔でニンジャ刀を受け取ると、鞘から抜いて銀色に輝く刀身を見詰めていた。

「……ベーくんは、武器まで作れるのね……」

 トータの後ろで見ていた騎士系ねーちゃんが感嘆と呟いた。

 オレの提案を受け入れ、一月はこの村で活動することに決めたようだ。

 つっても、三日は休むそうで、オレの鍛冶に興味を持った騎士系ねーちゃんとフードのねーちゃんが見学していたのだ。

 ちなみに魔術師のねーちゃんはサプルに魔術を教え、斥候系ねーちゃんは冒険者ギルド(支部)に報告と活動申請をしに行ってるよ。

「趣味みたいなもんだがな」

 さすがに本職には負けるし、できは二流品だ。

「破魔の効果がある剣を趣味で作る鍛冶師はいないわよ」

 と、フードのねーちゃんからの突っ込みを受けた。

「まあ、趣味っても生活の糧だからな、売れるもん作らなきゃ誰も買ってはくれんよ」

 二流のできとは言え、新米冒険者にしたら喉から手が出るくらいの品であり、銀貨六枚と銅貨三枚。約七万円と格安ときている。隊商相手の商売では人気筋の商品だぜい。

「一番儲けるのはねーちゃんたちのような冒険者相手の商売だからな、付加価値は大切だぜ」

「それって、わたしたちにも売ってくれるってことかしら?」

「売ってくれって言うのなら売るさ。街と違って村で売っても税金はかかんねーし、商業ギルドに文句も言われんしな」

 村の税は麦に干物。たまに薪。村内で流通する品は無税な上に商業ギルドを通さなくても問題ねぇ。そんな細かいことしてたら領主の仕事は膨大になる。商業ギルドも一々村に支部を作らなければならんし、人を置かなければならん。とてもじゃないが国全てをカバーできるほどの力(人材と資金)はねーよ。

「なんか欲しいのかい? まあ、武器屋じゃねーから品数はそんなにねーがよ」

 趣味であり内職であり、作れるものしか作ってねぇ。そんな期待の目で見られても困るぜ。

「ぜひ、売って欲しいわ!」

「そりゃ毎度あり。つっても、もうちょっと待ってくれ。もう一つ作らんといかんからな」

 妹と弟を平等に愛するのも、これでなかなか大変なんだよ。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ