挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

552/988

552 予言

 まず、いろいろ明言を避けなければならない羽根を使って博士(ドクター)のところに飛び、飛行システム的なものつけただけの飛空船の依頼をし、次は花月館へと飛んだ。

 久しぶり、でもねーが、やっぱ人が住むと家が生きてるって感じになるな……。

「あら、ベーじゃない。来てたの」

 村を出てそんなに日は経ってねーのに、すっかり街の娘になってしまったサリバリが現れた。

「おう。今着いた。買い物か?」

 オシャレな篭を持ち、買い物してきただろう野菜やパンが見えた。近所に商店街なんてあったんだ。

「ええ。トアラが外食を許してくれないのよ」

 まあ、サリバリと違ってトアラは質実剛健。シメるところはシメる女である。

「あたしは、お隣で食べたいのに」

「トアラの料理、旨いじゃねーか。つーか、隣、そんなに旨かったか?」

 不味くはねーが、サプルの味を知ってる者なら通いたいとは思わねーだろう。あの味ならトアラの方が勝ってるぞ。

「あたしは、オシャレなところで食べたいの!」

 まったく、オシャレ優先とか、相変わらずブレねーヤツだ。

「そうかい。まあ、そうしたいのならそうすればイイさ。別に強制されてここに来てんじゃねーんだからよ」

 もう働いている身だ、自分の金で好きなことをしろだ。

「そうしたいけど、一人じゃ入り辛いもん……」

 しょせん、寂しん坊で田舎娘。まだまだ王都はハードルが高いか。

「なら、今日の夕食はオレが奢ってやるよ。コーリンたちに頼みたいこともあるしな。コーリンたちは中か?」

「うん。新作を作ってるわ」

「んじゃ、一段落したら隣にこいって伝えてくれ。オレは先に行ってるからよ」

「わかった! 急いで連れて来るわ!」

 と、花月館に突入して行くサリバリ。ほんと、ブレねーヤツだよ。

 肩を竦め、グレン婆の心地よい一時へと入った。

「いらっしゃいませ~。って、ベーじゃない。よく来たわね。どうぞ」

 この人外さん、なにやってんだろうと頭を過ったが、人外それぞれ。他人の人生に口出すな、だ。

 夕方間近なのに、客足は上々のようで、空いているカウンター席に通された。

「繁盛してんだな」

 オシャレだとは思うが、ここはなにを売りにしてんだ?

「ふふ。ここは、郷愁を売りにしてるからね」

 郷愁? なんかよーわからんが、グレン婆の店に不思議なし。いや、不思議はがりか? まあ、突っ込みはノーサンキューってことだ。

「グレン婆は?」

「珍しく外出してるわ。まあ、どこに行ってるかわからないけどね」

「……そうかい。それは残念だ……」

 まあ、そんな日もあるか。あれは、風来坊なところがあったからな。

「なら、居候さんにやるよ」

 収納鞄から焼き芋を取り出し、居候さんに渡した。

「芋? あ、でも甘い香りがする」

「ちょっとした伝で手に入れた甘い芋さ。多分、好き――」

「――美味しいっ!」

 あ、うん。まあ、それはなにより。ところで、コーヒーいただけません? あ、今は無理ですか。ハイ、セルフですね。あーコーヒーうめーです。

 ちなみに、プリッつあんもセルフで紅茶を飲んでます。猫型ドレミはオレの膝の上で丸くなってます。

 オレ、なんの店に来たんだと、自問自答しながらコーヒーを飲んでいると、コーリンたちがやって来た。

「ベー様、お待たせしました」

 なにやら覇気はあるが、顔色はよくなかった。大丈夫なん?

「ワリーな、忙しいのに呼び出してよ」

「いいえ。休憩しようと思ってましたのでお気になさらず」

 まあ、サリバリが急かしたんだろうが、こーゆータイプは強制休憩させないとしないタイプだからな、サリバリよくやっただ。

「居候さん。なんか適当に頼むわ」

「はい。少々お待ちください」

 両手に焼き芋を持って厨房へと下がり、直ぐに料理を運んで来た。はえーな!?

「グレンが出かける前に作って行ったからね」

 ……画期的なのか、やる気がねーのかわからんな、この店……。

「なんでもイイよ。夕食にしようぜ」

 素朴なパンとオシャレに盛りつけられたなんかのステーキになんかのドレッシングがかかったサラダ。これがオシャレなんか?

 ま、美意識なんて人それぞれ。オシャレと思うヤツにはオシャレに見えんだろう。どーでもイイわ。

 軽いおしゃべりをしながらの夕食が終わり、場所を花月館の居間へと移した。

「ドレミ。お茶頼むわ」

「畏まりました」

 猫型からメイド型に変身し、厨房へと消えて行った。

 そんなドレミから居間全体へと目を向けた。

 なんつーか、なんとも華やかになってんな。まあ、これだけオシャレガールが揃ってんだから不思議じゃねーが、調える時間なんてよくあったな。仕事、忙しいんじゃねーの?

「さすがに人手が足りないので通いの針子を雇いました」

 そんな質問したらそんな答えが返ってきた。

「針子って、そう簡単に雇えるものなのか?」

 よく知らんが、どっかに属してるもんじゃねーのか?

「いいえ、仕立て屋ごとの兼ね合いがありますから直ぐにとはいきませんし、誰でもともいきません。今回は裏技で針子見習いの子を集めました」

「裏技とか、よく知ってたな」

 それがどんな裏技かは知らんが、伯爵令嬢が知ってるとか、それってどーなのよ。

「小さい頃から針子部屋に忍び込んでましたから」

 まさに筋金入りってか。スゲー執念だよ。

「それで、今日はどうかしましたか?」

「あ、ああ、そうだったな。オレもゆっくりしてられねぇんだったわ。単刀直入に言うと、社交界に出れる服を何着か作ってくれや。あと、サプルのも」

「はぁ? 社交界? なんなのよそれ?」

 真っ先にサリバリが食いついてきた。

「今度、帝国に行くんでな、その下準備さ。あ、サイズはトアラが知ってるからよ。トアラ、頼むな」

「……わかった」

 なぜか頭を押さえながら頷くトアラさん。どったの?

「夏頃に予定してるからそれまで頼むわ」

「わかりました。夏まで仕上げておきます。意匠のご注文はありますか?」

「特にはねーが、帝国のヤツらに見せびらかすんでよ」

 その言葉にコーリンの目に炎が宿った。

「わかりました。わたくしの全霊をかけて挑ましてもらいます!」

「ちょ、コーリンさま!?」

「コーリンさま、さすがに死んじゃいますよ!」

 慌てるサリバリとトアラ。あれ? 想像以上に修羅ってました?

「え、えーと。お邪魔しました!」

 逃げること風の如しでアデューでーす!

 そそくさと花月館から撤収。できた頃にまたお邪魔したいと思います。

「……ベーの命も夏までね……」

 そんな予言、ノーサンキュー! 
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ