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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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545/992

545 よりよい明日が来ることを願って

 メンドクセーことは丸投げなオレだが、丸投げ要員がいないときはやらざるを得ない。

「明日、ゼルフィング輸送船団の訓練飛行に出る」

 夕方、各船長を集め、今後の計画と指示を伝える。

「船団長、出発の準備はできてるかい?」

 オレより遥かに上の人だが、こちらがガキだと侮ることはなく、まるで殿様を相手するかのように家臣の態度を見せていた。

 まあ、感じからして軍人だったのだろう。固っ苦しいな~とは思うが、身についた習性を変えろと言うのも酷。好きにしろだ。

「はい。いつでも出発は可能です。ですが、補給なしで飛べるのは四日がやっとです」

 四日か。まあ、そんだけあれば充分とは思うが、そんなもんだっけ、飛行可能時間って? 公爵どののリオカッティー号は十日くらい平気なはずだったが……。

「元々我々の船は、長距離を移動するように造っておらず、食糧の保存や船員の寝泊まりは最低限しか確保してないのです」

 なるほど。そーゆーことね。

 飛空船は素人なオレなので、博士(ドクター)がどんな改造をしたのか聞いてねーし、確認もしてねーのだ。

「まあ、しばらくは近場の行き来だし、四日も飛べれば充分だ。長距離の場合は補給船を組織するなり対応しよう。オレの力を使えば食糧は一月分でも一年分でも積めるからな」

 そう言う改造ならお手のもの。問題はねー。それに、先生からもらった錬金の指輪があればサクッとできるしな。

「前に言ったが、これは魔族の船員を教育する飛空でもある。その辺のこと留意してくれ」

 あ、アダガさんやアダガさんが選んだ船長候補の方もいますね。

「畏まりました。お任せください」

「頼むわ。それと、四日の訓練飛行後、プロキオンと小人族の飛空船団はバリアルの街に向かう。場所はわかるな?」

「はい。竜機による偵察で半径百リノルの地は把握しております」

 リノルがどれくらいか知らんが、バリアルの街まで入るとなると、五、六十キロはわかっているってことだろう。

「残りの飛空船団は、魔族の訓練を続けててくれ。食糧や物資はあんちゃん――アバール商会から仕入れてくれ。金は……って、聞くの忘れたんだが、事務関連ができるヤツはいるのかい?」

 殿様には言わなかったが、金勘定できるヤツは必要だ。仮にも商会としてやってくんだからな。

「殿の命により商人出のもを幾人かは連れて来ましたが、我々とベー様のところでは勝手が違うので、なんとも言えません」

 確かに。そーゆーすり合わせは必要か。なんともメンドクセーな。

「その辺はまたあとでだ。オレの代わりに商会を任す者にやってもらう。今はどんぶり勘定……ざっぱにやるしかねーか。船団員の手当ては落ち着いてからでイイか?」

 船団員の名簿はもらっているが、単行本二冊くらいの人員なんて確認している暇は……ありましたが、メンドクセーので無視しました。

「はい。問題ありません。我々はベー様への恩返しをするために殿から遣わされた身、役目と食事を得られるだけで満足です」

 船団員の約八割は初老で、残り二割は老人だ。若いヤツはいない。まあ、ベテランをと注文したからなんだけどな。

 まあ、これは次世代の船団員を見越してのこと。人材は順次確保し、投入して行く予定だからな。

「今はその理由に甘えるとしよう。で、だ。小人族の船団なんだが、食糧輸送が主なんだが、あれって輸送船なのか?」

 小人族代表の三十代前後の、まさに叩き上げな雰囲気を持つ男に目を向けた。あ、小さいままでは会話し辛いのでデカくしてますよ。

「はい。護衛のために四隻は高速戦艦ですが、残りは輸送船です」

「商人は連れて来たか?」

 小人族の船団は、ゼルフィング商会へ出向と言う形で来てもらってるが、いずれは小人族で輸送してくださいと、商人を連れて行くのだ。

「はい。この者らです」

 と、背後にいた中年男性をオレの前に出させた。あ、部下じゃなかったのね。小人族の服は軍服っぽいのが多いからわからんかったよ。

「グロウニーと申します」

「アリバと申します」

「おう。よろしくな」

 白髪混じりの人とヒゲの人ね。うん。外見は覚えた。

 ちなみに、この場に突っ込み要員はいないので、スムーズに自己紹介は終わりました。

「まあ、飛行に関しては船団長に任せる。なんかあれば聞いてくれ」

 各船長が立ち上がり、一斉に敬礼した。

 ここで解散もイイのだが、それは人身掌握の観点から悪手だ。ここは、雇い主の力量を示さなければならん場面だ。

 収納鞄から葡萄酒が入った小樽を出し、伸縮能力で大樽にする。それを二十ほど出す。

「今日は記念すべきゼルフィング商会立ち上あげの日だ、明日に残さない程度に飲んでくれ」

 横にいる猫型ドレミに視線を送ると、了解とばかりに頷いた。

「お待たせ~! 料理を運んで来たよ~!」

 お前、なにもしてねーじゃん。とか突っ込みたいが、ムードメーカー要員のメルヘンさんは、場を明るくするのがお仕事。ガンバれや。

 あとは、優秀なドレミ隊に任せれば問題なしなので、オレは見てるだけ。

 しばらくして、船団員に葡萄酒が配られ、なぜかオレに視線を集中させ、グラスを掲げた。

 え、あとは適当に飲んで食って騒いでくださいよ。とか言える雰囲気ではなかった。なので、さも当然とばかりにコーヒーカップを掲げた。

「よりよい明日が来ることを願って、乾杯!」

 乾杯と、歓喜に満ちた声がクレインの町に響き渡った。
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