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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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530 先生来訪

「ベー様。お客様がお越しになっています」

 パンケーキを箱に詰める作業をしてたら、ダークエルフのメイドがそんなことを言った。

「客?」

「はい。ベー様を呼んでくれとおっしゃってます」

 館になったとは言え、うちは基本ウェルカム。勝手に入ってこいだ――が、さすがに無理か。メイドとか執事が許さねーだろうしな。

「誰だって?」

「プリグローグとおっしゃっておりました」

 プリグローグ? そんなの知り合いにいたっけか?

「名前で認識してないんだから思い出すだけ無駄じゃないの」

 いつの間にかいたプリッつあんが、鋭い突っ込みを入れてきた。

 なんかチョームカつくのでパンケーキに挟んで、勇者ちゃんの前に置いてやる。勇者ちゃんに食べられておしまい!

 席から立ち上がり、玄関へと向かう。

 玄関に来ると、なにやら大勢の人……って言うか、吸血鬼と獣人がいた。

「おー、やはりベーの家だったか。どこの魔王城かと思ったぞ!」

 大勢の中から蜂蜜色の髪を無造作に後ろで縛り、ヨレヨレの白衣を着た、ボンキュボンな美女が出て来た。

「なんだ、先生か。プリグローグって言うからわかんなかったよ」

「相変わらず人の名を覚えんやつだ。まあ、名乗ったのも最初だけだがな」

 この吸血鬼の美女は、オレの薬師の先生だ。

 もちろん、オババから薬師の仕事を教わり、薬師として認められだが、村の薬師として知識の限界はある。そう感じているときに出会ったのが先生だ。

 先生は、薬師ではあるが研究者としての色が濃く、実験にその生涯を費やしている。いる上に材料調達に苦労し、自ら採集に出なければならないときがある。ましてや先生は吸血鬼で魔族が住む大陸にいる。ゆえに人の大陸に来るのは危険が伴い、出会ったときも満身創痍の行き倒れだったのだ。

 オレの出会い、行き倒れが多いが、まあ、それも出会いの形。もう気にもならなくなったよ。

「まあ、なんにせよ。いらっしゃいだ」

 マッドな先生ではあるが、オババ以上にいろんなことを教えてくれた恩師だ。いつでも笑顔で歓迎するぜ。

「ふふ。それも相変わらずだね。だがまあ、ベーらしいね。なんだい、外にいる魔神は? あんたの家じゃなければ逃げてるところだよ」

「あれはオレの義兄弟だよ。害は……ねーとは言えねーが、無闇に暴れたりはしないから心配すんな」

 オレ以上にバカなことする野郎を無害とは言えねーしな。

「まあ、あんたが言うなら信じるよ。にしても、凄い変わりようだね。なんかあったのかい?」

「ああ。ちょと異種族国家を創ろうと思ってな、今、移住者を受け入れてんだよ。ちなみに、この館になったのはオカンが結婚したから建て替えしたんだよ。ザンバリーは知ってるだろう。それと結婚したんだよ」

 確か、親父殿とは会ってる。まあ、挨拶を交わした程度だから覚えているかは知らんがな。

「どうしたい、頭なんか抱えて?」

「……いや、お前の非常識を再確認しているところだ。ったく。妾のことをマッドと言うクセに、お前の方がイカれておるではないか……」

 先生よりマッドだったらオレは自殺してるよ。人体錬成とかやっちゃう人なんだからな。

 まあ、未だに成功はしてないが、フランケン的なものは創っちゃったりはしている。顔にキズがあるベタなやつを……。

「先生の方はどうしたんだい? なんか一家総出って感じだが」

 いつも来るときは、お付きのフランケンと狼の獣人を連れて来ている。こんなには初めてだ。

「ああ。アホな魔王とバカな魔王と戦争をしおってな、妾の大事な研究所が壊されてしまったのだ。なんで、お前を頼ってこちらに引っ越して来たのだ」

「そりゃまた難儀だな。んじゃ、住むところ用意するよ」

「……言っておいてなんだが、あっさりしておるな、お前……」

「先生こそ丸くなったんじゃねーの。前は傍若無人なほどマッドだったのに」

 遠慮とかしないタイプだったろうに。

「……あの魔神を前に傍若無人でいられるのはアホか脳なしだわ。あれを前にしたとき、思わず失禁するかと思ったわ!」

「へ~。吸血鬼って排尿とかすんだ。初めて知ったよ」

 血だけ吸う生き物だから、トイレとか行かないと思ってた。生命の神秘だな。

「……お、お前のその発想が妾には理解できんよ。なんだかマッドと呼ばれるのが心外になってきたわ……」

 なんだい、本当に丸くなったな。三百年生きてからのキャラチェンジか?

「まあ、よい。受け入れてくれるのなら頼む」

「あいよ。ちょうど町を創ろうと思ってたところだ、先生が住んでくれるなら助かるよ」

 マッドな先生は吸血鬼としては格がある。先生の話によれば準魔王級とか。そう言うのがいてくれるのなら悪さをするヤツもいないだろう。いたとしたら先生に処分してもらうだけだ。

「町かい。国を創るとかのあとに聞くと、驚きもしないね。充分過ぎるくらい凄いことなのに……」

「別に簡単とは思ってねーし、簡単にできるとも思ってねーよ。まあ、できるヤツに頼むんだがな。まあ、用意してくるから食堂で休んでてくれ。えーと、カリュナか。んじゃ、カリュナ。先生方を食堂に案内してくれ。先生、飛竜の血でイイかい?」

「ああ。それで頼むよ。逃げるのがやっとでもう一月は飲んでないんだよ」

「それで生きてんだから吸血鬼ってスゴいよな」

「血しか食せないと言うのもこれはこれで大変なんだぞ」

 先生、笑っちゃうことに偏食家で、肉食の生き物の血しか吸わないのだ。なんで雑食な人の血とか毛嫌いしてるのだ。

「なら、海竜の血も出すかい?」

 海竜も肉食なんだよ。

「お、海竜かい。それは嬉しいね。ブロギウスの血を頼む!」

「あいよ。えーと、カリュナだったな。カリュナ、サプルに言って飛竜と海竜、ブロギウスの血を出してくれと伝えてくれ。そう言えばわかるからよ」

 先生が来たときは何日か宿泊するんで、サプルもわかっているんだよ。

「畏まりました。お客様、こちらへ」

「では、お邪魔する」

 あとは、サプルに任せて先生が住む家を用意しますかね。
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