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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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513/992

513 うちはうち。よそはよそ。

 ハイ、楽しい嬉しい夕食が始まりました。

 久々の我が家。そして、久々の家族団欒……なのだが、スゲー落ち着かねーな、こん畜生が。

 オレら家族は、囲炉裏派とテーブル派にわかれている。

 ド田舎じゃテーブルなんて高級なもんは置いてねー。あるとしたら村長のところか宿屋。あとは頼まれて作った数件くらいだ。

 それに、元々この地域は、テーブルじゃなく床に御座を敷いて食うと言う文化でもある。

 前世の習性と今生の文化、家を新築してからの慣れで、オレら家族(親父殿、モコモコガールも入ります)は舘になっても囲炉裏を囲んで食っている。

 タケルらやサリネ、カイナに剣客さんはテーブル文化で育てきたらしく、だいたいはテーブルで食ってるよ。

 まあ、一家団欒と言うには広がってはいるが、これが我が家の食事……なんだが、目付きのワリー執事とダークエルフのメイド隊が家族団欒をぶち壊していた。

「……こんな味気ねー夕食、久しぶりだよ……」

 いや、オトンが死んだあとの夕食より味気ねーぞ。

「親父殿、なんとかしろよ。落ち着かねーわ」

「おれらも言ったんだが、全然聞かなくてな。仕える者矜持だと言ってよ」

 ったく。メンドクセーな。

 箸を囲炉裏の台に叩きつけ、目付きのワリー執事を見る。あ、名前聞いてねーや。

「胸を見ろ」

 胸? と、自分の胸を見るボケをかますほどゆとりはないんで、目付きのワリー執事の胸を見た。

 うん? あん? 名札?

 のようなものが目付きのワリー執事の胸についていた。

「……レッセル……?」

 と、読めて口にすると、壁の花となっていた目付きのワリー執事が一歩前へと出た。

「この度ゼルフィング家にお仕えすることになりました、レッセル・ロガナと申します。ゼルフィング家に絶対の忠誠を」

 それに続いてダークエルフのメイド隊も『忠誠を』とスカートの裾をつかんで一礼をした。

 見ればダークエルフのメイド隊も胸に名札がついている。

 え、なに、今のメイドは名札つける習慣があんの?

「お前対策だよ」

 はぁ? オレ対策? なにそれ?

「お前のことだから絶対名前で呼ばないだろうし、それでは示しがつかないとレッセルが言うんで、皆で相談したらサプルが名札をつけたらいいと言ってな、まあ、そうした訳だ。さすがのお前でも名札があれば名を呼ぶだろうからな」

 なんかスゲーバカにされているようだが、反論の余地も隙もねーな、畜生がっ。

 これまでにない屈辱感に――いや、そんなことはどーでもイイんだよ。今は、このおもしろくねー喜劇だわ!

「不愉快でしかねーな」

 もう家長を親父殿に譲ったとは言え、ここはオレの家だ。オレの居場所だ(そこにいねーじゃんとの突っ込みはノーサンキューね)。安らぎのねー家など家じゃねーよ!

「レッセル。この家の家長は誰だ?」

 あえて詰問口調で言った。

「サンバリットラング様です」

 え、誰それ? と親父殿を見たらなんかこめかみをピクピクさせながら親指で自分を差していた。

 あ、ああ、そうでしたね。メンゴ☆

「なら、その忠誠は誰に向けられている?」

「ゼルフィング家の皆様です」

「なら、お前のその矜持とやらは、親父殿やオレらより上なのか?」

 沈黙する目付きのワリー執事。あ、リ、じゃなくレッセルね。

「親父殿。家長の威厳と権限をここに見せろ」

「いや、見せろと言われても……」

 戸惑う親父殿。まあ、四十半ばまで冒険者やってた男に無茶ぶりもイイところだが、もうこの家は親父殿を中心に回っている。

「本当ならオレが口出すことじゃねーし、オレが原因だが、これが親父殿が望んだ家庭か? これが求めたものなのか? もし、違うと言うなら毅然と示せ。思いを示せ。これから先、この家庭を導いて行くのは親父殿なんだからよ」

 これは、オレの我が儘であり、オレの勝手な理屈だが、貴族のような暮らしに安らぎも暖かさはねー。そんなクソな家庭にいたくもねーわ。このままだったらオレは家を出て一人暮らしするわ!

「……おれは、家族が笑っていられる家庭にしたい」

 夢見る乙女のような願いだが、家庭を持った者なら当然の願い。オレもその思いで生きてきた。なんら恥じる願いではねー。

「なら、オレからの提案だ。レッセルたちも食卓につけ。これがゼルフィング家のやり方。オレらに、と言うなら我が家の決め事に従え。それを守れ。誇りに思え。なんら恥じることのない我が家の団欒だ」

 前世の母親からよく言われたものだ。

 うちはうち。よそはよそ。

 まさに真理。他の家のことなんぞ知るか。これが我が家だ。嬉しい楽しい我が家の団欒なんだよ。

「畏まりました。お舘様のお心に従います」

 目付きのワリー執事の一礼にダークエルフのメイド隊もそれに続いた。
二巻、か。まだちょっとしかやってないけど、ページ数が足りるのならハルヤール将軍との出会いを書いてみたい。
……あくまでも希望ですが。
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