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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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512 号泣する五秒前

「ただいま~」

「お帰りなさいませ」

「「「「お帰りなさいませ」」」」

 なんか知らない人たちに迎えられた。

「は?」

 え、なに? なんなの? なんだって言うの!?

 あまりのことに右往左往。誰かヘルプミー!

 研究所からいつもの通路を通って保存庫へ。やっぱ帰って来るなら玄関からだよな、と、玄関から家に入ったら、なんか執事っぽい服を着た眼光鋭い男とメイド服っぽいのを着たダークエルフのねーちゃんらがそこにいた。

 あれ? え? オレ、家間違えた?

 玄関から出て表札を見る。

「ゼルフィング? 誰んちだよ!」

「お前んちだよ!」

 と、親父殿に頭を叩かれた。うおっ、いたんかい!

「帰って来たと思ったらなにバカやってんだ。いくら名前を覚えるの苦手だからって、家名まで忘れんじゃねーよ」

「あ、そう言や、家名ついたっけ。誰んちかと思ったよ」

 ゼルフィング、ゼルフィング、ゼルフィングな。うん。イイ響きだわ。

「……覚える気、まったくねー顔だな……」

 ハイ、まったくその通りでスンマセン。

「って、そんなことはどうでもイイんだよ!」

「名前をどうでもいいと思ってんのはお前だけだよ」

 鋭い突っ込みに言葉に詰まる。お、親父殿、なかなかやるじゃねーか。今のは効いたぜ……。

 崩れ落ちそうになるのを必死で堪え、ファイティングポーズをとる。オレはまだやれるぜっ。

「……たまにお前の親であることに自信をなくすよ……」

 えーと。なんか知らんが、ファイトだぜ、親父殿。

 親になったことがねーんで、取り合えず無責任に応援しておく。なんか、口に出すのは憚れたから。

「あ、いや、そうなんだけどね、じゃなくて、なにあれ? うち、そんな執事とかメイドを雇うようなうちじゃねーだろう!」

 我が家にはスーパー幼女サプルちゃんがいる。

 料理に掃除に洗濯と、残像拳を出せるサプルにかかればこんな舘など屁でもない。むしろいない方がやりやすいくらいだ。

「お前が原因だろうが」

「って、うちにもきたのかよ!」

 親父殿が家長とは言え、他と同じく薪で税を払っている立派な村人。そこに執事とかメイドとかいらねーだろうが。つーか、ただでさえ働き手過剰で仕事がねーのに、五人も……って、五人だけだよね?

「ちなみに十人雇い入れたよ」

「オレらに死ねと言ってるのか?」

 オレはせかせか生きたくねーが、別に仕事が嫌いとか、うちでゴロゴロしてたいとかじゃねー。

 好きなときに好きなことをして、適度な仕事をして旨いメシを食う。そんな人生を送りたいのに、仕事するなとか死刑宣告にも等しいわ!

「まあ、そう言いたくなる気持ちはわからんでもないが、あいつらはサプルが引き受けてくれるそうだ。お前が連れてきた子供らもな」

 うちの妹、マジ有能。そして、ダメな兄でサーセン!

「にしても、魔族が村でとか、村の連中に知れたらどーすんだよ?」

 いくらオレんところにいろんな客が来るとは言え、さすがに魔族はまずいだろう。田舎の保守性をナメんじゃねーぞ。

「いや、ベーだからと受け入れられたぞ」

「マジで!?」

 つーか、ベーだからってなんだよ。なぜにオレが出てくっと魔族すら受け入れられんだよ。おかしいだろう! いや、おかしいと思えよ、田舎者どもがっ!

「……な、なんか、納得したくねーが、それならそれでイイよ。これから人が多くなるし、家事とかできる者も欲しかったからな」

 婦人のために、身の回りを任せられる者を用意しなくちゃなとは思ってた。希望を聞いて、イイってヤツがいたら連れて行こう。

「その辺はお前に任せるよ。おれは、いや、おれらはいつもの通りにやってくからよ」

「親父なら何人か面倒みろよ。元A級冒険者の愛と勇気をここに示しやがれ」

「冒険者に愛と勇気なんぞないわ。つーか、愛はシャニラだけに向いてるから無理。がんばれ、息子よ」

「クソ。使えねーオヤジが!」

「まったくその通りなんで、くれぐれもおれに持ってくるなよ。おれは、由緒正しい村人として生きるんだからよ」

「オレだって由緒正しい村人だわ!」

「まったくもってうざけんな! だな」

 なんかスゲー笑顔で否定された!

「あ、あんちゃんお帰りー」

 オレの心のオアシス、マイシスターがオレの帰りを迎えてくれた。

 ……うちの妹、マジ天使……。

「おう、ただいま。夕食できてるか?」

「うん。あんちゃんが帰って来るって言うから、あんちゃんの好きなもの、沢山作ったよ」

 号泣する五秒前。

 四、三、二、一、

 うぼぉおぉぉぉぉっ!
明日は帰宅日。お盆休み。やっと本屋に行ける、のか?
+注意+
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