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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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503/992

503 未来へ

 次の日、朝食を早く済ませて孤児院へと向かった。

 向かったのはオレ(ぷらす付属体)にフェリエだけで、タケルらは、メ迎えに来たメルヘン隊と村に帰って行ったよ。

 コーリンたちは、昨日、孤児院に……と言うか、敷地内に泊まったのでここにはいねー。オレらが行って受け入れが終われば帰るってよ。

 孤児院に到着すると、カラエルたちがもう来ていた。

「早いな」

「冒険者には遅いじかんさ」

 確かに。バンたちも七時前には冒険者ギルド(支部)にいたな。

「ふふ。健康的な生活でなによりだ」

 まあ、その労働は過酷だがな。

「四人の受け入れをすっから冒険者ギルドに行ってても構わんぞ」

 待ち合わせはここにしたが、用は冒険者ギルドだからな。

「いや、待ってるよ。あんま繋がりはないが、家族に見送られる方が嬉しいもんだしよ」

「そうか」

 とだけ返し、孤児院の広場に集まる者たちのところへと向かった。

「待たせたようだな」

「いえ。けじめですから」

 まあ、そう言うのならオレに否はねー。冒険者とは違い、旅立ちは見送る方と見送られる方のもの。別れの儀式は必要だろうーて。

 コーリンたちもプリトラスから出ており、場はできているようだ。

 今日の日に揃えただろう一張羅を着て、緊張な面持ちで並ぶ四人に目を向けた。

「なら、最後の確認だ。行くかなら前に出ろ。残るなら動くな」

 その言葉に真っ先に出たのは……幼女だった。はい?

「あたしも連れてって!」

 叫ぶ幼女。誰か説明ぷりーずデス。

「ノアン! どうやって抜け出して来たの!?」

 捕まえようとする尼さんの手を逃れ、オレの後ろに隠れる幼女。こやつ、なかなかやるな。

「お願い! あたしも連れてって! なにもできないけど、なんでもする! 食事も一回でいい。寝るところだって納屋でも構わない! タケルにいちゃんといさせて!」

 あ、この幼女、タケルにまとわりついてた幼女か。

 にしても行動的と言うのか情熱的と言うのか、幼女とは思えない覚悟を見せやがる。なかなかいねーぞ、こんなの。

「ベ、ベー様、申し訳ありません。直ぐに下がらせます――」

 尼さんの言葉を遮り、幼女を見る。

 年齢は六才か七才くらい。その覚悟を示すかのように強い意思を瞳に宿し、なかなか賢そうな面構えをしていた。

「タケルと一緒にいるのは並大抵の覚悟じゃいられねー。努力し、それを身に付けることを要求される。ガキだから、女だからと甘えることは許されねー。それでも来たいか?」

 小難しい理由など求めちゃいないし、小難しいことも言えんだろう。だから、思いを示せ。それで判断してやると、幼女の目を真っ直ぐ見た。

「行く!」

 真っ直ぐオレを睨み返し、その思いをぶつけてきた。

「なら、来い。タケルの側にいられるところを紹介してやる」

 前々から潜水艦に必要なんじゃねーかなって思ってたポジションがあった。

 それは、医師だ。まあ、なんかアニメ的治療装置がありそうな気もしないではねーが、いるといないとでは大いに違う。ましてやこんなファンタジーな世界だ。どんな病原菌があるかわかったもんじゃねー。しかも多種族が暮らす世界。人間への治療が多種族にも通じるとは限らんだろう。

 その対処の一つとして医師がいたらイイな~とは思ってたんだよ。

 潜水艦の睡眠学習装置で基礎を叩き込み、あんちゃんの嫁さんと薬学を学ばせ、多種族を診る。

 直ぐには、とはいかんが、それはこの幼女次第。タケルといたいなら努力しろ、だ。

「と言うことで、こいつも連れて行くが、構わんかい?」

「よろしいのですか? ノアンは……」

 その後は言わせない。

「オレは構わんさ。努力するのも苦労するのもこいつだ。そして、使えないのならタケルから放すだけだ。これは四人にも言っておく。自分の居場所は自分でつかみ取れ。他人にもらった居場所に価値はねーぞ」

 場所は与えてもそこが自分の居場所になれるから別の話。そこを自分のものにするか、そこを足掛かりに別の居場所をつかみ取るか。それはこいつら次第。ガンバレ、だ。

「さて。ちょっと順番が狂ったが、進むなら前に出ろ。行きたくねーのなら動くな。自分の意思で決めろ」

 これから何度も自分で決断しなけりゃならないときがくる。そこに立った時点で甘えは許されねーのだ。

「い、行きます!」

 と、まず最初にオドオドしたぽっちゃり少年が未来に踏み出した。

「あたいも行くよ!」

 続いてマッスル少女が続いた。

「行く」

 小さく、だが、意思の籠った声で傷がある幼女も踏み出した。

「ぼ、ぼくも行きます!」

 そして、キツネ耳の少年も踏み出す。

「自分で決めて、求めた未来だ。遠慮なくつかみ取れ!」

 オレも手伝ってやるからよ。
帰りがけ、地元で大きいTSUTAYAに寄って本を見ようとしたら……ない。た、多分、売れたんだろうと自分を言い聞かせて帰宅。
と言うか、双葉社さんから見本が届くんだった。一応、本棚に並べて鑑賞。のち、最初から読書。あ、才が歳に変わってる。ねーをないに変えてないところがあった。ベー、無駄にイケメンだな、おい。バンベルはFF系か? 表紙の裏の絵、鉢に植えられた植物、なにかにつかえないかな? 350ページ、やっぱ厚いわ! と、まあ、そんな日でした。
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