挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

46/990

46 味噌(ゴジル)入荷

 冒険者ギルド(支部)を出て雑貨屋にやってきた。

「おばちゃん、いる~?」

 基本、客の少ないド田舎の雑貨屋。いつも店番しているとは限らねーし、雑貨屋だけでは食っては行けないので、奥の作業場で内職(織物してるんだよ)しているのだ。

「はいよー」

 返事がして三分弱。おばちゃんが奥から出てきた。

 遅い! って叫ぶヤツにはド田舎でのスローライフは無理だな。危機的状況でない限りド田舎時間は緩やかに流れているのだよ。

「おや、ベー。いらっしゃい」

「おう。小麦粉買いにきた。入ってるかい?」

 村にくる行商人は二人いて、雑貨屋にくる行商人は主に食糧品や衣服を持ってくる。

 ちなみにもう一人の行商人は、なんでも屋的行商人で、注文を聞いてから持ってくる。なので村で毎回利用するはオレくらい。もはやオレ専属の商人と言っても過言ではないだろう。なんたって毎回金貨五、六枚は使ってんだからな、行商人じゃありえない稼ぎなってるぜ。

「ああ、入ってるよ。あと、のゴジルが入ったよ」

「おお! ゴジルが入ったのかよ。頼んでおいてなんだが、よく手に入ったな?」

 ゴジルとは味噌のことで、あるとだけ耳にしたのであったら仕入れててくれと頼んでいたのだ。まあ、入ればラッキーぐらいの感覚でよ。

「なんでも最近、王都で出回っているんだってさ。ジルさんもゴジルのことはあんたから聞いてたからね、大量に仕入れて持ってきたんだよ」

 ジルさんとは行商人のおっちゃんで、ゴジル(味噌)の旨さを力説し、入ればあるだけ買うと言ってたのだ。

「あるだけ買うかい?」

「もちろんさ!」

 本物の味噌(ゴジル)である。例え金貨百枚でも買っちゃうぜっ!

 っても、バルアでは国民食。しかも大量に王都に入っているらしく、一樽(五リットルくらい)銀貨一枚ときた。

 まあ、ド田舎にしたら超高級品だが、流通経路を考えたら良心的な値段である。

「随分と負けてくれたな。ほとんど儲けはないんじゃないのか?」

「あんたね、ジルさんに馬車を銀貨六枚なんて言うバカげた値段で売っておいてなに言ってんだい。商人だって恩義に報いる生き物なんだよ」

 ああ、そー言やぁ、売ったな、試作品を。壊すのもなんだからと、丁度行商にきてたジルのおっちゃんに払い下げしたんだっけ。

「別に恩義を感じるような馬車じゃないんだがな」

 確かにこの時代の馬車からしたら丈夫で性能が良いが、試作は試作。今使っている馬車に比べたら駄作も良いとこ。銀貨一枚でも申し訳ないほどのできである。

「ほんと、あんたは欲がないね。そんだけなんでもできるのにさ」

「なんでもはできないさ。できることをやってるだけだよ」

 こんなこと、前世の記憶があり、工作技術があれば誰にもできることだ。オレが特別って訳じゃねぇよ。

「まあ、その謙虚さがあんたの良いところなんだけどね」

 知っているから、できるからと、そんだけで傲慢になれるって、どんだけバカだよ。世間知らずにもほどがあるだろう。

「オレは得になればなんでもするし、バカ野郎相手に下出になれるほど人間できちゃいねーよ」

「はいはい、そうだね。あんたはへそ曲がりだったね」

 なにか慈しむ目で見られるが、ツンデレ作戦で生きてるオレは鼻を鳴らして不機嫌な顔を見せた。

「とにかく、全部もらってくからな」

 六樽受け取り、銀貨六枚を払って雑貨屋を出た。

 にしても、味噌(ゴジル)文化がない国で味噌(ゴジル)が出回るとか、いったいどーなってんだ?

 なにかとっても引っ掛かるぜ。


+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ