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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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457 ゼルフィングの館

 我が家――いや、えーと、うーと、フじゃなくて、カでもなくて、あれ? なんだっけ、うちの姓?

 部屋から出て外へ。扉に掲げた表札を見る。

「そうそう、ゼルフィングゼルフィング。思い出したわ」

「……いや、数日前に姓がついたからって、さすがに忘れるのはどうかと思うよ、ベー……」

 どこからか幻聴が聞こえるが、きっと幽霊が囁いているだけ。オレはオカルト系には強いので気にしませんわ~。

 うほん。えーと、ななし我が家改め、ゼルフィング家は二日前に新しい家になった。

 もちろん、製作者はサリネで、ドールハウスサイズに作ってもらい、プリッつあんの能力でデカくしたので、村のもんは口を大きくさせてびっくりしていたものだ。

 ちなみに初代、我が家は、六畳間ほどの平屋で家畜小屋と合体したものだった。

 山の部落では小さな、あばら小屋みたいなものだが、オトンは外から来た者なので自力で建てるしかなく、村外れになってしまったのだ。

 昔の人は上手いこと言ったもので、まさしく住めば都。貧しくても楽しい我が家だった。

 サプルが生まれて手狭になったが、それでも我が家は幸福で、問題なく(オレは問題ばかり起こしてました。ごめんなさい)暮らしていた。

 が、オトンの死で一変。暮らしは大変になり極貧生活が始まった。

 とは言え、それも六日くらいで終了。お手製バットを担いで山へと入り、角猪やら山鳥を狩りまくり、それを物々交換で野菜やら小麦をゲット。十日後には村一番の裕福な家になっていた。

 生まれたばかりのトータをあやしながらオカンが畑を見、三才になったサプルが料理……はさすがに無理だろうと思ったら、簡単な煮物なら超余裕であり、山鳥なら楽々捌いてしまった。

 サプルちゃんマジスゲーとか唖然としたが、五才のオレが狩りしてんだか気にしちゃ負けだと、生きることに集中した。

 狩りで豊かになったので、文字や生きる糧としてオババに弟子入りして異世界の知識を身に付け、更に豊かになった。

 土魔法は二才の頃から練習し、結界術も試行錯誤してある程度は使えるようになっていたので、余裕が出た七才のとき、家を新しくしたのだ


 が、一年もしないでサプルの火炎魔術で全焼。なかなかの燃えっぷりだったぜ。

 まあ、なっちまったもんはしょうがねーと、二代目の反省を活かして要塞級の家を建てた。

 前世の間取りで言えば三LDK。オカン、オレ、サプルにトータの四人暮らしには十二分過ぎるくらい大きな家だった。

 しかし、今は大家族もびっくり。いったい何人住んでっかわからねーくらい暮らしている。

 さすがに前の家では狭いとサリネに新しい家を頼んだ……んだが、これ、もう屋敷じゃん。つーか館か? ド田舎の家じゃねーよ!

 ま、まあ、二、三十人住めるくらいの家頼むわと言ったオレが全て悪いので、心の中で突っ込んだがな。

「……まるで領主の館だな……」

 いやまあ、領主の館なんて見たことねーがよ。

 あ、領主で思い出した。領主排除、どーなったべ? まあ、今度行ったときに聞いてみるか。覚えてたら、だがよ。

 家……もう館でイイか。で、だ。館のサイズにより離れとキャンピングカー、そして風呂がなくなり、全て館へと吸収。元離れがあったところはサリネの工房になった。

「サリネ、おはようさん」

 工房で椅子を作っていたサリネに声をかけた。

「ん? あ、ベーかい。おはよう……ん? わたし、また徹夜したかい?」

 サリネがどんな生活をしているかわかるセリフである。

「いや、オレが寝坊しただけさ。あとちょっとで昼だよ」

「珍しいね、ベーが寝坊するなんて?」

 サリネは生粋の、どころか木工マニア。結婚式には出てくれたが、終われば木工品を作っていたっけ。

「まーな。それより、なんで椅子ばっかりなんだ?」

 椅子屋に転職か?

「いや、食堂の椅子が足りないとサプルに言われてね、今大急ぎで作ってるところさ」

 本当なら茶の間風にしようと思ったが、この世界――って言うか、田舎や貧乏人でなければ椅子文化。土足禁止にしているところなんて皆無だ。

 うちのルールだと言うのも簡単だが、それを強制するのも趣味じゃねー。なんで半分はテーブル席にしたのだ。

「なあ、サリネ。暇になってからでイイからよ、赤ん坊が寝れる柵付きのベッドを作ってくれや」

 ベビーベッドの文化はあるので、そう変には映らねーはずだ。まあ、村にはねー文化だがよ。

 オレら三兄弟は、雑な環境でも病気一つせず育ってきた超健康優良児であり、多分、神(?)によ強化されて生まれてきたと思う。だから生きてこれただろうが、新しく生まれる子は普通の子だろう。

 清潔にしてはいるが、なにがあるかわからんのがこの世だ。なるべく大事に育てなくてはならない。で、その初めにベビーベッドを作ってもらい、結界で安全を確保するのだ。

 まあ、だからって軟弱に育てる気はねーぜ。種違いとは言え、オレの兄弟。元気に丈夫に育てますとも。

「ふふ。ザンバリーさんもバカ親っぷりを見せてだが、ベーもバカ親になりそうだね」

「そうか? サプルやトータは放任してたぞ」

 勝手に育つマイシスターとマイブラザー。バカ兄ではなかったぜ。

「そこは、年の差があるんだろうね。十以上離れているしさ」

 そんなもんかね。よーわからん。

「わかった。椅子が終わったら直ぐに作るよ」

「ワリーな、無理言って」

 サリネにはいろいろ頼んである。徹夜するのもそのせいだろう。

「構わないさ。好きなだけ作れる。こんな幸せなことはないよ」

 まあ、それならそれで幸いだ。

「もう少しで昼だ。ちゃんと食堂に来いよ」

「ああ。朝を抜いてしまったからね、午後をがんばるために食べに行くさ」

 まったく、困ったもんだ。

 食堂でなと言い残し、先に食堂へと向かった。
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