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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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441 カイナーズホームでお買い物

「あん?」

 博士(ドクター)やご隠居さん、ダルマっちゃんらを連れてカイナーズホームへとやって来た。

 やって来たんだが、店構えがなんかちなう。前はホームセンターの造りだったのに、なぜか激安な殿堂を思い出させる構えになっていた。

「ここは?」

「なんとも賑やかなところさね」

 なにやら初めて来たような反応とセリフだな。来たことねーの?

「来たときからこの階が封鎖されていたので、来るのは今日が初めてです」

 え、そうなの? って、そー言やオレもしばらく来てなかったな。

「しかし、珍しいものですね。なにに使うものでしょうか?」

 前世じゃ当たり前のものでもファンタジーな今生では謎の物体。わかる訳がねーよ。

 ……つーか、カー用品とか誰に向けて出してんだ……?

「あ、いらっしゃいませ~。カイナーズホームへようこそ~」

 店前展示を眺めていたら、中から本物のサキュバスが出て来た。

 イン子で見慣れているとは言え、なんか店のマークだろう帽子を被った男の子が描かれた黄色のエプロンをするサキュバスなんて初めて見たわ。ほんと、どこのなに空間なんだ、ここはよ?

「魔族ですか」

「はい。夢魔族インシュリーナのカレサラと申します。カイナーズホームで店長を任されておりまーす」

 うん。オレ、もうありのままを受け入れるんだ!

「そうかい。オレはベー。よろしくな」

 自分でもわかるくらいイイ笑顔を店長さんに見せた。

「……もう考えるのも突っ込むのも止めたって顔さね……」

「アバールが言っていたするーりょくなるものでしょう」

 ハイ、いつものように雑音は聞こえまセーン。

「そんで、もう開店してんのかい?」

 時刻はまだ九時過ぎだが。

「ハイ! カイナーズホームは二十四時間開いておりますので、いつでもお越しくださいませ~」

 アハハ。もうなんでもイイんじゃね。

「んじゃ、入らしてもらうよ」

「は~い! ごゆっくりお買い物をお楽しみくださ~い!」

 店長さんの手振りで中へと入る。うん。中はホームセンターだね。

「つーか、広っ! 端が見えねーよ」

 左右を見るが、店の端が霞んで見えねー。いったいどんだけ広いんだよ、ここは!

「なかなか壮観ですね」

「いったい何屋さね?」

 ホームセンターと言えばホームセンターだが、カイナがやってるだけあって前世の商品だけではなく、この世界のものも見て取れた。

 まあ実際、この店はカイナの趣味と魔族の働き口としての要素が強いんだろう。でなきゃ、ファンタジーの住人に前世のものなんて使いこなせねーよ。

 とは言え、ホームセンター。田舎暮らしには助かるものもある。ビニールシートとかゴムが使用されたものとか欲しかったんだよな。あとペンキも欲しかった。ついでだし、買って行くか。

「ベ、ベー! ベー! ベー! ベー! ベー!」

 なにやら大興奮する博士(ドクター)。どげんしたと?

「なんですかこれ! なんですかこれ! なんなんですか、このゆかいな品物は! 凄い! 凄過ぎる! こんなものがこの世にあるなんて、わたしは気でも狂ったのか!」

 その一歩手前だよ。と突っ込んだところで博士(ドクター)の耳には届かないだろう。なんで、無駄なことは言わない。

「好き勝手見て来な。欲しいのがあったら持って来い。買ってやるからさ」

「ハイ!」

 バビュンと博士(ドクター)が駆けて行った。迷子になんなよ。

「ご隠居さんも見て来な。多分、居候さんが大好きな甘いものもあるはずだからよ。あ、味見は金払ってからな。なんかわからんときは、あの店長さんかかけていたエプロンをしたヤツに尋ねな。どんな商品か教えてくれると思うからよ」

 収納鞄から小さくしたジュラルミンケースを出して大きくさせ、中から札束を出してご隠居さんに渡した。

「……よくわからんが、流れからして金か?」

「ああ。世界貿易ギルド内での通貨……じゃねーか。紙だし。まあ、その束でだいたい金貨五十枚くらいにはなる、と思う。まあ、大抵のものは買えるし、足りなくなったら言ってくれ。また出すからよ」

 近くの洗剤の値段を見る限り、前世の値段になっている。余程大量買いしなけりゃ充分間に合うだろうさ。

「……ま、まあ、ここはありがたくもらっておくさね。居候どのを出されて買っていかんかったらわしの命にかかわるからな……」

 ご隠居さん、あそこでは地位が低いんだな……。

「食料品はあっちな。あと、グレン婆には……いや、それはオレが用意するよ。世話になった礼もしたいしな」

「まあ、それは任せるさね。わしではグレン婆の趣味はわからんからな」

 肩を竦めながら食料品コーナーに歩いて行くおじいちゃんを見送り、ダルマっちゃんらに目を向けた。

「ワリーな。横道に反れてよ。詫びと言ってはなんだが、あんたらも店を見て来な。欲しいものがあったら遠慮なく持って来るとイイ。報酬の前払いだ」

 金を出したところで使う場所はあんちゃんのところかここしかねー。なら、物で支払ったところで同じだわ。

「……よろしいのでしょうか?」

 と、ダルマっちゃんの脚の裏からリテンちゃんが出て来た。つーか、いたんだ! まったく気が付かんかったわ!

「お、おう。気にせず、好きなものを持って来な。ここは、生活に必要なものを売る店だ。まあ、見知らぬものが多いだろうが、そこは己の創意と工夫でなんとかしてくれ。わからんときは、あのエプロンをかけた店員に聞いてくれ」

 ちょっと自分で考え、なにかを決断。ダルマっちゃんの後ろにいた鶴嘴を持つダルマっちゃんに頷いて見せた。

 いったいなんのコミュニケーションかは知らねーが、ノーム族の間では伝わったらしく、ノーム族がバラけ、店内に散って行った。

「では、遠慮なく見て来ます」

「あいよ」

 リテンちゃんとダルマっちゃんを見送り、オレも買い物に向かった。
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