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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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390 種族崩壊

 殿様の飛空船が、リオカッティー号と接舷された。

 つーか、サイズ的に桟橋を掛けるとか無理なので、オレの結界術で両船を連結させたんだがな。

「これが小人族の飛空船か。噂通りの技術力だな」

 誰よりも飛空船に詳しい公爵どのが感嘆と呟いた。

「公爵どのは、見るの初めてなのかい?」

 この道は、公爵どのも良く通る。何度か見てても不思議じゃねーんだがな。

「いや、竜機隊は何度も見てるが、戦艦とかは見たことはないな。嘘か真か小人族の戦艦を見た者は生きて帰れないと言われているくらい、幻の存在だ」

「そうなのか」

 オレは、何百隻と見たことあるが、こうして無事だがな。

「でもこれ、戦艦じゃねーよな? 武装とかねーし」

「いや、これは戦艦だな。それも竜機隊を収納したものだな。あそこを見ろ。開閉扉があるだろう。多分だが、あそこから出て、船尾の方から入るんだろうよ」

「空母かよ!」

 まさかそんなものまであるとは夢にも思わなかったわ。小人族、ほんとパネーな!

「くうぼ? なんなのだ、それは?」

「まあ、簡単に言えば空飛ぶ基地だな。竜機隊は、航続距離が短い……そうか。ねー方が不思議か……」

 首都防衛用かと思い込んでいたが、飛竜とか火竜はここには生息してねー。なのに、戦ったとか撃退したとか殿様が言っていた。なんでそこに気付かないんだからオレもまだまだだな。なぜ、そんなところに行く理由も、な……。

「それを知ってるお前が一番の不思議だよ」

「世の中、不思議で満ち溢れてんな。お、出てきた」

 船のサイズはリオカッティー号と同じでも、小人族からしたら全長五十メートルは、ちょっとした街だ。出てくるにも時間は掛かるんだよ。

 結界術で連結していることを示すために、開いた扉までの結界に色を付ける。

 出てきたのは全身鎧の重戦士団。確か、ドウ・ラン近衛隊、だったかな? 

「随分と重そうな格好だな」

「いや、浮遊石が仕込まれた鎧らしく、結構軽いらしいぜ。聞いた話によると、神鋼を使ってるとかで、大抵の魔術攻撃は弾くらしい。言わば殿様の盾だな」

 まあ、小人族のトップシークレットらしいので、よー知らん。

「殿様、とか言ってたが、高位の者なのか?」

「小人族の中ではそこそこの位置にいるが、殿様――ドウ・ゲンの藩領は、飛空船の技術に長けたところで、竜機の生産を一手に引き受けてるんだが、改革派の第一人者で、保守派からは結構恨まれてるな。殿様と初めて会ったときも登録されてない戦艦六隻に襲われていたからな」

 もちろん、殲滅ノックで打ち落として捕獲。乗員は殿様に引き渡して戦艦は頂きました。戦艦は修理して秘密基地に飾ってます。インテリアとしてな。

「……どこも事情は同じか……」

 まあ、帝国も一枚岩じゃねーし、無駄に歴史が長いだけに特権階級とか腐っている。他人の国ながらヘドが出るよ。

 ドウ・ラン近衛隊が結界道の両端に並び、抜剣して構えた。

「随分と仰々しいな」

 殿様も自由人。畏まったことは嫌いで、豪快な性格なんだがな?

 扉から殿様が出てきた。

 いつもならラフな感じの服を着て、腰に剣を差しているだけの格好なんだが、今日は国王にでも謁見するかのように金ぴかであった。

「久しいな、ベー!」

「殿様も相変わらず元気なようでなによりだ」

 さすがにサイズが違うので、膝をつけて目線を低くして、殿様に空飛ぶ結界を創り出して同じ目線にする。

「殿様。この船の持ち主を紹介するよ」

 言って公爵どのに向けた。

 オレはお邪魔させてもらってる身。客だ。客の分際で招き入れるのは公爵どのにも殿様にも失礼ってもの。まずは義を通さねーとな。

「わたしは、このリオカッティー号の船長で、カイルド・カニファ・バイブラスト公爵と申す」

 いつもの豪快なおっちゃんの姿はなく、帝国の公爵らしい振る舞いで名を告げた。

「これは失礼した。我はドウ・ゲン藩主、ドウ・ゲン・マボガ十六世コノガと申す。コノガとお呼びくだされ」

「では、コノガ殿。貴殿の乗船を許可しよう。ようこそ、我がリオカッティー号へ」

「その名誉に感謝を」

 流儀や作法なんてまったく違うのに、まったく違和感がねーときてる。同じ空の男同士、通じるもんがあんだろうよ。

「コノガ殿一人、と言う訳にもいかんだろうから、護衛数名と腹心の乗船許可も出しましょう。よろしいか?」

「気になさらず。我一人で充分。ベーがいますからな」

「アハハ。確かに、ベーがおれば天下無双。飛竜でも鉄の玉で打ち落とす非常識ですからな」

「まったく。我が国最強と詠われる戦艦を打ち落とすとか、我が正気を疑いましたぞ」

 なにやら盛り上がるお二人さん。種族を超えた友情が芽生えたの?

「おっと。客人を立たせておくとは失礼した。ベーがいるとは言え、ご家来衆も主を一人にするのは不名誉でしょう。何人でも、とは言えませぬが、護衛と腹心の何名かの乗船許可を出しましょう」

「かたじけない。では、護衛三名と腹心二名をお願いする。ベー。運んでくれるか?」

「あいよ」

 と、空飛ぶ結界を動かそうとして、止めた。別に運ばなくてイイじゃん。自分で歩かせろ、だ。

「うぉっ! な、なんなのだ!?」

 突然、自分の身になにが起こったかわからぬ殿様が、びっくらこいてる。

「落ち着け。オレの力で殿様をデカくした。慣れるまでは無茶すんなよ」

 まあ、だからと言って、どうすれば慣れるかなんて知らんけどな。

「いや、お前が無茶すんなだよ! なに種族崩壊させてんだ!」

 公爵どのからのマジ突っ込み。

 小人族。大きくしたらただの人。うん、確かに種族崩壊だね☆ 
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