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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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389 殿様

 なんかいろいろありましたが、飛空船からの眺めは素晴らしいよね! 心が洗われるよーだぜい。

「……完全に現実逃避の責任放棄よね……」

「お、プリッつあんは、難しい言葉知ってんな。偉いぞ~!」

 ジト目なプリッつあんをわしっとつかみ、全力で頭を撫で撫でして黙──じゃなくて可愛がってやった。

 静かになったプリッつあんを頭の上に戻し、窓から見える景色をおやつにコーヒーを一杯。

「あーコーヒーうめー」

「……いい加減、現実に戻ってこいや……」

 人が心地好く現実逃避してんのに、うるせーな。

「ハイハイ、わかったよ、こん畜生が」

 甚だ遺憾ではあるが、いつまでも現実逃避をしている場合ではねー。ちゃんと現実を見ねーとな。

「公爵どのが。オレにはなにもできねーが、強く生きてくれ……」

 不甲斐ねーダチを許してくれ。

「ほんと、お前と関わるとろくなことねーな」

「だが、それがおもしろいのもまた事実。素晴らしきかな人生だ」

 地球産の葡萄酒を掲げ、なんとも楽しそうに笑う大老どの。

「……そう、だな。素晴らしきかな人生だな……」

 酸いも甘いも知った二人であり、今を生きている者同士。万を語るよりも伝わる言葉がある。オレもこんなふうに年老いたいものだ。

「──だが、それとこれは別だわ!」

 ですよね~。

「──船長! 艦橋にきてください!」

 と、伝声菅から緊迫した声が伝わってきた。

「おっ、さっそくきたか。やはりベーがいるとおもしろい方向に進んでくれるな」

「今行く! ったく、飽きない人生だぜ!」

 まるでオレのせいにして部屋を出て行く自由人ども。オレのせいじゃないよね?

「違うよ。ベーのせいじゃないよ」

「だよねー。オレのせいじゃないよねー」

「そうそう。ベーは巻き込まれてるだけさ」

 うんうん。やっぱオレせいじゃないんだよ。オレ、可哀想。

「……自分で言って恥ずかしくないの……?」

 わしっとつかみ、撫で撫でして黙ら──可愛がってあげ、また頭の上に戻した。

「さーて。なにがあったのかな~?」

 オレも同じく自由人。先輩どののあとを追った。

 勝手知ったる他人の飛空船。第一種戦闘態勢のように賑わう船内を見物しながら艦橋へとやってきた。

「ん? なんだなんだ?」

 艦橋にいる全員が左側を見ているので、オレも左側へと移動して船員さんの隙間から覗いて見る。

「お、初めて見る船だな」

 全長はこのリオカッティー号と同じで、小人族のよくある戦艦サイズだが、武装らしい武装は見て取れず、なにか気品のある型をしていた。

「ベー! あれは小人族の船なのか?」

「そうじゃねーの。あの窓や扉の大きさから言って」

 そもそもあんな飛空船(元々、飛空船の発祥は小人族なんだよ)を造れるなんて小人族しかいない。だいたいにして、最新鋭飛空船がリオカッティー号なんだからな。

「旗は見えるか?」

 オレも田舎暮らしで視力はイイが、飛空船で監視してるヤツは更に視力がイイ。直ぐそことは言え、小人サイズの旗なんて識別できねーよ。

「ジナ。見えるか?」

「はい、船尾に旗が掲げてあります」

 あー。確かになんか揚がってんな。ん? 白旗?

「白旗の下にベー様の旗が掲げてあります」

 オレの旗?

「殿様か?」

 オレが旗を小人族にあげたのはただ一人。十二万石(まあ、面積を表す単位で、小人族の権力を表す数値みたいなもんだな。十二万石は、中の上くらい。爵で言うなら中級伯爵だな)の藩主で、小人族では改革派に属している、はっちゃけ殿様だ。

「知り合いか?」

「ああ。公爵どのや大老どのの同類だな」

 まず自分が動かないと気がすまないところなんかそっくりだわ。

「船、止めてくれるか? あと、オレの旗を掲げてくれ」

「リオカッティー号、停止! ベーの旗を揚げろ!」

 公爵どのの命令で速やかに実行され、数十秒でリオカッティー号が停止した。

「危険か?」

 リオカッティー号を指揮する者として、公爵どのが厳しい顔を見せた。

「大丈夫。と、言いたいところだが、小人族の法に触れる行為だ。他の小人族からちょっかいがくるかもしれねー。警戒はしてくれ」

「総員、最重要警戒態勢!」

 船のことは公爵どのに任せ、甲板へと出た。

「ふふ。おもしろくなりそうだ」

 自由人でトラブル大好き美老人がワクワクしている。

 まあ、いざとなったら自由人の先輩にマルっとサクっとお渡しすればイイだけ。メンドクセーことになるまでは楽しみますか。
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