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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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388 名の契り

出だしから変な方向に行ってしまった。こんなんじゃなかったのに……。
 人型になった飛行機から……キツネが出てきた。

「はぁへ?」

 予想もしないことに、間抜けな声を出してしまった。

 え、なに? なにがどうなってんの?

 どう反応してイイかわからず、茫然としてると、甲板に下りたキツネがボンと爆発した。

 ──と思ったら、なんか銀髪金眼の美青年が現れた。

 ……え? キツネの獣人……?

「初めまして、ベー様。主より生まれし名もなき僕。挨拶の前に名を頂きたい」

 まったくもって反応できないままでいると、銀髪金眼の美青年が右膝をつけ、頭を下げた。

 ……はい?

 なにを言われたかまったくわからず、公爵どのや大老どのに助けを求めるが、双方ともポカーン状態。助けにはならないよーだ。

「……あ、え、えーと、ワリー。どーゆーこと?」

 まずは説明ぷりーずダヨ。

「わたしは、ベー様へと献上されたベー様の僕でございます。名の契りを頂きたい」

 益々もってどーゆーこと?

「名の契りを」

 よくわかんねーが、ダメだ。こいつに説明を求めてもダメだと言うことだけは、考えるな、感じろピューターが導き出した。

 そして、名の契りをしてはダメだとも導き出した。多分、これは罠だ。エリナによる善意の悪夢だ。オレ以外の誰かがしか得にならねーことだ。

 考えろ。いや、この場合も考えるな、感じろだ。打開策は必ずある。感じろ、感じるんだ、ベー!

「皆様。いかがなされました?」

 と、公爵どのの娘にして光神アラムの巫女にして帝国の七大聖女の一人、シーでもなくサーでもなく、あれ? なんっつたっけ、このねーちゃん?

「またお忘れですか。わたしは、カーレントですよ」

 なんか、スゲーエエ笑顔を浮かべる公爵どのの娘さん。

 微笑みの聖女として有名(帝国ではな)だが、今のねーちゃんは、はっちゃけてるくらいの、もう笑いが止まりませんがな、ってな感じだった。

 その理由がわかるだけに、なんかイラつくな。だが、考えるな、感じろピューターが、これだと叫んでいる。

 今のオレにはまさしく聖女。いや、救いの神、降臨である。

「カーレントさん、例の箱は受け取ったかい?」

「はい。新しき世界を見ました」

 まるで新天地を……って、ある意味、新天地か。オレには地獄にしか思えんがよ。

 まあ、そんなことはどーでもイイ。カーレント嬢の腕をつかみ、ヨウコさんの前に移動させる。

「こいつに名を付けてやってくれ。エリナ──あの箱を渡したヤツが生み出した僕で、友好の印なんだってよ。まだ名前がないから付けてやってくれよ」

 ハイ、騙してますがなにか?

「まあ、シラトリさまからですか!」

 は? シラトリさま? なんのことだ?

 疑問に思ったが、エリナ絡みには全力でスルーするのが超吉。サラっと空の彼方にさようなら~だ。

「そうですね。なら、クラーマ。あなたの名は、クラーマよ」

 ヘイ、ユー。オレは超力全開でスルーだゼイ!

「……クラーマ……」

 と、ヨウコさん──改め、クラーマさんが謎の発光現象。光は徐々に膨れ上がり、なにやらカーレント嬢だけを巻き込んだ。

 包み込んだのも一瞬。光が消えると、美青年から銀毛のキツネ(デカ!)に変わっていた。

「マイマスター。あなたに永遠の忠誠を」

 頭をカーレント嬢の体に擦り付けて忠誠を示した?

「まあ、可愛いこと。よろしくね、クラーマ」

 ミッションコンプリート。つつがなくカーレント嬢に押し付けできました。ふぅ~。

 ったく、あの汚物が。変なもの押し付けようとしやがって。オレにはもうプリッつあんが憑いて……ハイ、ごめんなさい。そんな鬼のように睨まないでください。共存共栄、超バンザイです!

「……おい、ベー。どう言う状況か説明しろや……」

 それはオレが聞きてーよと言いたいが、ちょっと罪悪感があるのでフォローはしておくか。

「まあ、カーレント嬢に守護獣ができた、ってことさ。よかったな」

「いや、完全に押し付けたよな、お前」

「ソンナコトナイヨー」

「目を反らして言ってんじゃねーよ! ほんと、人の娘になにしてくれてんだよ、お前は!」

「もう手遅れなんだ、諦めろ」

 オレもとっくに諦めてるぞ。

「なに一つ諦め切れねーよ! いったいなんなんだよ!」

「だから知らない方がイイって。娘の表面だけ見てろや」

 これってないくらい優しい笑みを見せて落ち着かせてやる。

「ほれ、さっさと行こうぜ。娘のためによ」

 まあ、公爵どののためにはならんけど、オレには関係ねーので問題ナッシングです。
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