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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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366 凄腕エージェント

「ここは?」

 ご隠居さんからもらった家を見上げながら、会話さんが尋ねてきた。

「王都でのオレの家?」

「なんで首を傾げんだよ!」

「まだもらっばっかりで、自分の家って感じがしねーんだよ」

 家つーか、ど〇でもドアにしか思えねー使い方しってからな、愛着も湧かねーよ。

「家をもらうとか、お前人生、目まぐるしくてぶっ倒れるわ……」

 だったら、考えるな、感じろな人生を推奨するよ。結構、心安らかになれるもんだぜ。

「おっと、その前に、だったっけ。ワリー。ちょっと待っててくれや」

 と、皆に言い残してグレン婆さんの心地好い一時にお邪魔します。

 今は通常営業らしく、一般人の客が一時を楽しんでいた。

「あら、いらっしゃい」

 今日も今日とてウェイトレスをする居候さん。この人外さんもよーわからんな。

「おう。繁盛してんな」

「まーね。グレンのお茶は美味しいからね」

「……そっか。そりゃなによりだな」

 溢れ出てくる感情を押さえ付け、無理矢理笑顔を見せた。

「ふふ。居候としては、もうちょっと暇だと助かるんだけどね」

 クスクスと、オレの表情の変化に触れずにスルーしてくれた。

「それで、今日はどうしたの? 団体さんを引き連れているようだけど?」

 なんで知ってんだ? と聞くのは野暮。それが人外ってもんさ。

「居候さんにお土産を持ってきた」

 収納鞄からチョコレートクリーム(チューブ式のやつ)を取り出し、空いてるテーブルの上に置いた。

「なにやら甘い予感」

 キッ、と目がマジになる居候さんに、オレの股間は、キュッとした。

「イイものが手に入ったんでな、居候さんにお裾分けだ」

 チョコレートクリームをテーブルいっぱいに巨大化させた。ちなみに結界で隠蔽してるから他の客には見えませぬ。

 収納鞄からパンケーキを取り出し、チョコレートクリームをつけて居候さんに渡した。

「っうぐっ!」

 と、変な声を出したと思ったら、そのまま昇天しそうなほどのとろける笑みを浮かべて、なにかに祈っていた。

 なんかいろいろ思うところはあるが、ここは根性でスルーするところ。無心になれ、オレ! だ。

「──ありがとう、ベーくん! こんな味を求めていたのよ、わたしはっ!」

 あーうん。それはようござんした。献上した甲斐がありますよ。

「うふふ。長く生きるものね。求めているものが手に入るんだから!」

 抱き枕サイズのチョコレートクリームを抱き締める居候さん。ここは、ノーコメントで行かせてくださいませ。

「んじゃ、また手に入ったら持ってくるよ」

「そんなベーくんが大好きよっ!」

 くちびるを突き出してくる居候さんをヒラリと回避。その熱い思いだけもらっておきまーす、と店から逃げ出した。

 ふ~。どうもああ言うスキンシップは苦手だぜ……。

「いろんな人外さんがいるんだね」

 そのいろんなのの一人が、呆れていた。

「人それぞれ、人外十色。いろんなのがいるさ」

 十色どころか四、五十くらいありそうだがな、この国ではよ。

「……いったいそなたはなんなのだ……」

 美中年さんが驚愕に顔をひきつらせながら尋ねてきた。

「なんだって、村人だが?」

「ふざけるな! こんな村人がどこにいる!」

「いや、あんたの目の前にいんじゃん。オレは正真正銘、村人だ」

 メンドクセーので、ハイ、会長さんにバトンタッチ。好きなように言ってくださいな。

「誰、この人?」

 騒ぐ美中年さんを、珍しい生き物がごとく見るカイナ。そんなに珍しいか?

「この国の宰相、だと思う。詳しくは知らん」

 オレ的にはそれで充分。追求するほど興味もねーわ。

「……いつも、ってほど長くはいないけど、ベーって、考えてやってるの? それとも行き当たりばったりなの? 首脳会談って訳じゃないけど、国際会談の場を設けるとか、どんな凄腕エージェントさ?」

 なんだい、凄腕エージェントって? そんな職業あんのかよ? 

「別に、そんな深いことは考えちゃいねーし、するもしないも美中年さんやじいさんズの判断と決断。オレはただ、連れて行くだけさ」

 なるようになった。それだけのこと。どうしても、なんてオレの流儀じゃねーよ。

 美中年さんと会長さんのやり取りを右から左へと流しながら転移の間へと到着。叫ぶ二人を無視してサクっと転移。

「ようこそ、ボブラ村へ」

 なにはともあれ、客は客。招いたからには歓迎はするよ。
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