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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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359/992

359 リサイクル

 朝食後、なにごともなくサクッと王都に転移した。

 今日の王都は曇空。だからなんだと言う訳じゃねーが、気分的には青空が欲しかったな。

「まあ、なるようになれだ」

 人生なんて先の見えねーもの。生きたいように生きて、壁ができたらぶっ壊すまでだ。

「さて。まずはうちの荷物を取りに行かねーとな」

 良くねー想像しか浮かばねーが、カイナもプリッつあんも家族だ。放っておくこともできねーしな。

「ん? 他に誰かいなかったっけか?」

 誰だっ──あ、チャンターさんと剣客さんか!

 飲んべえを放置してから色の濃いキャラが連続で出てきたから、すっかり忘れてたわ。

 ……あの二人も充分色の濃いキャラなんだが、やっぱ人外の濃さには負けるんだな……。

 そう考えると、カーチェの言葉も納得だよな。あんな色の濃いキャラを見てたらフェリエなんて存在感0で、別れるその日まで認識できなかったんだからな。

 ……フェリエ。見た目は派手なのに、存在が地味子とか、なんか可哀想になってきたぜ……。

「見た目や出生の秘密がある時点で充分ヒロインやれんのに、なんの物語も始まんねーな。どうなってんだ?」

 もしや、フェリエも転生者で、神(?)の介入を受けているのか?

「──な訳ねーか。フェリエ、頭も身体も中の上だし、魔術もそんな才能に満ちてる訳じゃねーしな」

 なに考えてんだか。周りに人外や天才がいるからって、なんでもかんでも転生者にするのは穿ち過ぎってもんだな。偶然だ、偶然。

 気を取り直し、じーさんの酒場へと向かった。

 今更だが、じーさんの酒場は、路地裏にあり、半地下となっている。

 もちろん、看板など掲げてる訳でもなけりゃ、それらしい雰囲気も出してねー。知らなきゃ気にもせず通り過ぎてしまうくらい周りと同化している。

 ……しているんだが、なんだ、この空瓶の山から生えてる足は? なんかの猟奇殺人なのか?

 港近くの路地裏。そんなこと起きても不思議じゃねー雰囲気は出してるが、人外さんの領域で起こるなんて考えられんので、足をつかんで引っこ抜いた。

「チャンターさん?」

 に、良く似た生き物だった。

「変わった植物もあったもんだ」

 なんてボケたところで突っ込み不在中なこの状況。ちょっと、寂しいぜ……。

 酔って寝ているのは一目瞭然なので、二日酔いに良く効く薬を無理矢理飲ませ、取り合えず道の端に放置しておく。結界を纏わせてな。

 古びた扉を開けたら、空瓶が雪崩れ落ちてきた。

「──な、なんだ、いったい!?」

 咄嗟に結界を纏ったので被害はないが、まさかのことに心臓ばくばくだよ!

 腰まで埋まった空瓶を掻き分けて中に入ると、これまた猟奇殺人の如く、あちらこちらから手足が生えていた。

「……どんだけ飲んでだよ、この人外どもは……」

 カイナに掛かれば酒なんて無限大だろうが、人外とは言え、胃には限界がある……のか? いやまあ、人外の胃も無限大だとして、限度ってもんがあんだろうが。酒は飲んでも飲まれるなって、知らねーのか? いや、知らねーか。

「まったく、困ったヤツらだ」

 まあ、人外に健康うんぬんを語るつもりはねーので、苦笑だけで止めておいた。

「にしても良く飲んだもんだ。つーか、人外は日本酒がお好みなのか?」

 いろんな酒瓶が積もっているが、一番目に付くのは日本酒だった。

 まあ、ゲコなオレにはどうでもイイこと。好きに飲め、だ。

「にしても、どーすんだ、これ?」

 王都のゴミ事情は知らねーが、廃品回収の業者がいるとは思えねーし、瓶が一般的にもなってねーからリサイクルなんて意識も技術もねーだろうよ。

「しゃーねーな。オレがリサイクルしてやるか」

 瓶ならサプルが作れるし、土魔法で材料も集められるが、資源はいくらあっても困らない。いつか必要になるときのために、オレがいただいておくよ。

 収納鞄から空の収納鞄を取り出し、空瓶を入れて行く。

「ん? ワインか、これ?」

 日本酒の空瓶の下からワインの空瓶が出てきた。更に掘り下げて(?)行くと、樽が出てきた。つーか、樽ってなんだよ!? オレ、どの位置に立ってんだよ!

 オレの記憶が正しいのなら、そんな天井の高い店ではなかったはずだ。日本酒だけでも一メートルはあったぞ!!

 いろいろ突っ込みてーが、人外による人外のための酒宴。摩訶不思議な現象の一つや二つ、軽く流せ、だ。

「つーか、樽はさすがに収納鞄には……あ、小さくすればイイのか。プリッつあんの能力、結構便利じゃん」

 なんか能力の無駄遣いって言葉が浮かんだが、能力は使ってこそ。気にするなだ。

「ん? これ、まだ中身入ってんじゃん」

 飲み掛けではなく、未開封のワイン……じゃ、ねーな、これ。あ、シャンパンか。

「しかもロゼときたか。バブル時代も真っ青な量だぜ」

 人外の舌に合わなかったのか、何百本とあった。

「捨てんのももったいねーし、オカンとザンバリーのおっちゃんの結婚式にでも出すか」

 まあ、口に合わなきゃ合わないで、保存しときゃイイさ。そのうち、口に合うヤツと出会うだろうよ。

 これもリサイクル。資源を大切に、だ。 
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