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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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358 冒険者は冒険者を見送らない

「じゃあ、また機会があったら寄らせてもらうわ」

「またね~!」

「今度来るときは、珍しい本をお土産に持ってくるわね!」

「むー! むー!」

 朝、そう別れの言葉を残して闇夜の光が旅立った。

 最初の三つは、感動的な別れの言葉だが、どーゆー訳か、猿ぐつわされたアリテラが全てを台無しにしていた。

 なにがあったの?
 
 とは聞けなかった。朝起きて、ねーちゃんたちの見送りに出たら、もうとっくに猿ぐつわされ、ロープでグルグル巻きにされたアリテラが転がっていたのだ。

 なんだかよーわからんが、ねーちゃんたちの察しろと言う無言の圧力に、オレは全力でスルーさせていただきました。

「……変わった人たちね……」

 いつものように卵をもらいにきたフェリエが、去って行くねーちゃんたちを見て呟いた。

 まあ、それに否はねーので、無言を貫いた。

「あ、そうだ。レリーナが食糧の話、どこまで進んでるか気にしてたわよ」

 レリーナ? って、誰だっけ?

「……ほんと、ベーって人の名前を覚えないわよね……」

「覚えない訳じゃねー。忘れるだけだ」

 あ、このセリフ、以前どっかで言ったな。

「どっちも同じよ! ったく、王弟さんの娘よ。名前は忘れても存在までは忘れてないでしょう」

「王弟の娘な。あーうんうん、そんな名前だったわ」

 って、言っておく。マジ、忘れていてメンゴ☆

「……まあ、いいわ。ベーだしね。それで、どこまで進んでいるの?」

「ああ、予定通りに進んでるよ。朝食後に王都に行って、食糧とか運んでくるよ」

 今も頑張ってるだろう会長さんに、感謝の敬礼!

「……王都とか、どれだけの急展開があったらそうなるのよ……」

「んーまあ、ありすぎてオレにもよくわからん」

 呆れるフェリエに、オレは肩を竦めて見せた。

「ベーを見てると、自分の悩みがちっぽけに思えてならないわ……」

 寂しげな笑みを浮かべるフェリエの背中を叩いて、俯いた顔を元に戻してやる。

「悩んでうじうじしてる暇があったら精一杯、今を生きろ。生きてりゃ悩みの一つや二つ、誰でも持ってるわ。今を無駄にすんじゃねー!」

 今を無駄にしたら未来も無駄になる。経験者が言うんだ、間違いねーよ。

「……まったく、年下のクセに……」

 もう一発、背中に食らわしてやる。

「年上を自称すんなら年上らしい態度をとれ。情けねー顔を年下に見せんな。年上でありたいのなら図々しいまでに年上を貫いてみろ」

 なに言ってるかオレにもよくわからんが、世の中、図々しいもんが勝ちだ。なら、図々しく生きろ。どこまでもな。

 ……あ、やるんなら自己責任でお願いしますね……。

「冒険者フェリエ。そのうち、お前に指名依頼を出すから準備しとけよ」

 更に背中を叩いて家ん中に戻った。 

「おはようございます、ベー。お嬢さんがたは出発しましたか?」

 オレの部屋に泊まったカーチェが起きてきた。

「ああ、出発したよ」

 まあ、微妙な出発となったがな。

「せっかくいたんだから見送りしてやればイイじゃねーか」

 知り合いなんだろう、うちを紹介したくらいやんだからよ。

「冒険者は冒険者を見送らない。まあ、縁起みたいなものですよ」

 ふ~ん。そんなのがあんだ。初めて聞いたよ。

 まあ、オレは村人。冒険者じゃねーからどうてもイイわ。

 いつもの席に座り、朝のマ〇ダムタイム。なんだそれ? って突っ込みはノーサンキュー。たんなる勢いで言ったまでだ。

 ゆっくりゆったりコーヒーを堪能していると、タケルやモコモコガールが起きてきて、サプルが朝食を並べて行く。

 オカンも一仕事終えてきて、席につく。

「んじゃ、いただきます」

 オレの音頭で、朝食が始まった。
アリテラになにがあったのだろう?

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