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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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353/992

353 小さくして大きくしろ

 なにやら我が家で大食い決勝戦が行われていた。

 懐かしいようなそうでないような、タケルとモコモコガールの食事風景。相変わらず食う二人だ。

「あ、ベー。我が家ではないけど、お帰り」

 迎えてくれたのは酒を飲みながらパソコンを観ていたカーチェだけ。自由気ままなメルヘンたちは、違うパソコンでなにかを観ている。あと、猫耳ねーちゃんは腹をパンパンにして倒れている。準決勝で敗退したか?

 まあ、潜水艦の人事はタケルの領分であり、そのうち自己紹介されんだろうと意識から外した。

「おう、ただいま。今帰ってきたのか?」

「いえ、昼過ぎ……っと、えーと、午後の一時……時過ぎくらいに帰ってきました」

 腕にした通信機の時刻を見ながら答えた。まあ、まだ完璧って感じじゃねーようだが。

「時間、覚えたんだな」

 時間を無視したような長命なエルフが時計とかいらなそうだけど、潜水艦では時間は重要だ。朝と夜の区別を知ったり戦闘や航海でも時間は使う。時間を覚えるのは必須だろうさ。

「はい。と言ってもいまいちぴんときませんがね」

 生粋のエルフだしな、徐々に覚えて行けばイイさ。

「お帰り、ベー。広場はイイのかい? はい、お待たせ」

 更なる料理を運んできたオカンが二人の間に置くと、飢えた野獣のごとく食らい付く食いしん坊ども。つーか、いつも以上に食ってんな?

「広場はフェリエやあんちゃんに任せてっから大丈夫さ。まあ、明日は行くがな」

 隊商に売る分はバー……じゃなくてマームルじいさんの配下に委託してあるからオレがいなくても勝手にやってくれるから問題なし。あれ? オレ、いらない子?

「しかし、今日の二人は良く食うな。断食でもしてたのか?」

 まあ、この二人に出来るとは思わんがよ。

「なんでも島に持って行った食料が足りなかったようで、量を制限されていたようです。まあ、その反動でしょう。あ、そうそう。毛を刈ったそうで預かってきました」

 と、収納鞄を渡された。

「お、ワリーな。あとでオレからも礼を言っとくよ」

 つーか、忘れてたわ。広場の商売が終わったら女衆に頼まねーとな。

「んで、タケルはなんなんだ?」

「実は、訓練中に岩礁に突っ込んで船体が損傷してしまいまして、その回復に相当の力を吸われているようです」

 あー、そんなこと言ってたっけな。にしても、こいつの能力も便利なのか残念なのかわからんな……。

「あ、そう言や、外にあるジェット機、どうしたんだ?」

「港にくる喪服の女性が『良きものを見せてもらったお礼です』とか言って押し付けられたのです。いったいなにを見せたんでしょうね? これと言って特別なものは見せてはいないのですが……?」

 オレの勘が言っている。考えるな、感じもするなと。ならば、華麗にスルーさせて頂きます!

「誰がここまで持ってきたんだ? カーチェか?」

 以前、タケルはジェット機は苦手だと言っていたからタケルではねーだろう。

「喪服の女性の部下で狐の獣人でしょうか、見事な銀毛を持つ、なかなか理知的な戦士が操縦してきました」

 狐の獣人? 銀毛? まあ、エリナのことだから元ネタがあんだろうよ。オレは知らんが。

「まあ、なんでもイイが、アレ、潜水艦には入らんだろう? 庭に置かれても困るぞ」

 庭は作業場も兼ねている。あんな邪魔なの置かれたらなにも出来んだろうが。

「……わたしもそう言ったんですが、タリフェンたちが気に入ったようで話を聞かないんですよ」

 心底困った顔でため息をつくカーチェ。なにやら苦労しているようですね。

「タリフェンって?」

「外の飛行機にへばり付いていたのがいたでしょう。あの飛行機に魅了された一派です」

「一派?」

 なんか不吉な予感しか感じねー言葉だな……。

「わたしも羽根妖精のことは詳しくはないのですが、どうもああ言うカラクリ、機械と言うものに興味を持つ種族らしく、潜水艦派と飛行機派にわかれてしまったのです」

「もしかして、座礁したのって……」

 カーチェからパソコンを観るメルヘンズに目を向けた。

「はい。船長がいない間に勝手に動かしてしまい、気付いたときには座礁してました……」

 突っ込みどころ満載でどこから突っ込んでイイかわからんが、とにかく、頭が痛いってことはわかったよ。

「あの体で潜水艦を動かすとか無茶どころか無謀だろう。つーか、あの体で良く動かせたな?」

 いや、潜水艦の操縦なんて知らんが、誰でも操縦できる造りになってねーだろう。車だって教習とかあんだからよ。ましてや二十センチもねーメルヘンにはハンドル(で操縦してた)すら握れねーだろう。

「ん? メルヘンって体を自由に伸縮できんじゃねーの?」

「は? 伸縮? なんのことです?」

 なにを言ってるかさっぱりわからんって顔をするカーチェ。あれ? 

「いや、プリッつあん、その能力持ってたぞ。メルヘンって皆そんなこと出来んじゃねーの?」

「プリッつあんとかメルヘンがなんなのか……だいたいの予想は出来ますが、羽根妖精にそんな特殊な能力はありませんよ。妖精は精霊の一種ですから精霊魔法が使えるだけです。まあ、機械好きなのは知りませんでしたがね……」

 そうなんだ。プリッつあんが例外なんだ。あーまあ、プリッつあんだからと納得しとくか。謎の生命体だしな。

「未知な冒険に出れるのは良いのですが、こんな問題は勘弁して欲しいですよ。ベー。なにか良い案はありませんか?」

「ないことも、ない」

「あるのですか!?」

 余程苦労してたのか、いつものカーチェらしからぬ興奮を見せた。

「要は、小さくして大きくしろってことだろう」

 まったく、なんだろうな。オレ以外に都合のイイことばかり起こりやがんな、畜生が……。

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