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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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344 思考回路

 さて。いろいろありましたが気を取り直して倉庫に行きますか。

 で、ザニーノに案内された倉庫に到着。人足さんたちが荷馬車から小麦を下ろして倉庫に入れていた。

「なにをしてるんだ?」

「小麦を運んでんだろう」

 チャンターさんの問いに答えたら、なにやら渋い顔。なんですのん?

「……この国の税たる小麦は国のものだ。国が認めた商人しか扱うことはできない。なのに、バドバジル商会が関与している。それだけでも異常なのに街側の商人が港の倉庫を使っている。更に言うなら国に入った小麦を出している。余程のバカでもない限りなにかあると思うわ」

 お~。やっぱ商人はスゲーな。見てるところが違うわ。

「それは一般の、誰もが知る商人の仕事。知る人が知る商人のチャンターさんが気にすることはねーよ。まあ、どうしても知りたいのなら見物にくればイイさ。今なら違う国の商人も見れるしな」

 ためになるかどうかはチャンターさん次第だが、世界を見れるなら見ていた方がイイだろう。まだ若いんだからよ。

「あ、そー言や、チャンターさんて幾つなんだ?」

 見た感じは若そうだがよ。

「年か? あ、二十一だが?」

 二十一かよ! 思った以上若いんだな。二十五は行ってると思ってたよ。

「そうか。野望に溢れてんだな」

 今生のオレには羨ましいことじゃねーが、前世だったら嫉妬してたかもな。生き様が眩し過ぎるぜ。

「まったく、爺さまに言われてるみたいだぜ」

「前にも聞いたが、その爺さまはまだ生きてんのかい?」

 チャンターさんの口振りからして酸いも甘いも知っている爺さまのようだ。ちょっと茶を酌み交わしてみてーな。さぞやおもしろい話が聞けそうだ。

「あ、ああ。しぶとく生きてるよ」

「そうか。東の大陸に行く理由が一つ増えたな」

 まあ、いつになるかわからんが、楽しみにしておこう。

「……気軽に行くとか、ベーじゃなければ頭がイカれた子供だと避けてるところだぞ……」

「それはチャンターさんの判断。間違ってたらここでさようならすればイイさ」

 縁がなかった。ただそれだけだ。

「いや、やっと巡ってきた商機だ。くるなと言われても着いて行くさ」

「貪欲で野望に溢れて商機を見る目もある。それでいて愛嬌があり、人に好かれる才能がある。さて。運がイイのはチャンターさんかな? それともオレかな?」

「もちろん、チャンターさんの方だね。ベーを引き寄せる運はなかなかだと思うよ」

「そう言うあんた……」

「カイナだよ。ベーの義兄弟で親友さ。よろしくね」

「カイナさんか。見た目はアレだが、ベーよりは常識を知っててくれて助かるよ」

 なに気にチャンターさんも失礼だな、おい。

 まあ、細かいことは気にしない、だ。親交を深める二人を無視して、この現場の責任者だろうおっちゃんと話すザニーノの元へ向かった。

「ザニーノ。小麦はどんくらい集まってる?」

「その前に紹介しておくわね。ここを仕切っている親方、ガルバノさんよ。主に商品管理を任されてる人よ」

 細面の神経質な感じに見えるが、会長さんの下にいるだけあって成り上がってきた感が見て取れた。目力、スゲーな。

「おう。オレはベー。よろしくな」

「お噂はバーボンド様に聞き及んでおります。こちらこそよろしくお願いいたします」

「こんなクソガキに畏まる必要はねーよ。そこら辺にいるガキの扱いで充分さ」

「とんでもございません。バーボンド様のご友人に対して失礼があっては部下として失格であります。お耳苦しいかと思いますが、どうかご容赦を」

 なんとも固い人だこと。でもまあ、こーゆータイプもいた方が戒めになってイイだろう。何事も多様性があった方が会社は上手く回るものだしな。

「好きにしたらイイさ。主義主張なんて人それぞれ。おっちゃんのやり方を貫けばイイさ。会長さんも認めてんだろうからよ」

 いやまあ、会長さんに聞いた訳じゃねーし、たんなるオレの思い込みだが、こうしてやってんだから上手く回ってんだろうさ。なら、オレがどうこう言う必要なんてねーさ。

「そんで、どのくらいなんだい?」

 あんま寄り道もしてらんねーしな。短縮できるところは短縮せんとな。せめて気持ちだけでも、よ……。

「はい。小麦は袋にして六百。イモは樽にして二百。外、日保ちする野菜が樽二百。干し魚は箱にして五百。塩漬け樽が三百となります。あと、酒も手に入りましたので五十ばかり集まっております」

「たった四日、いや、三日か。良くそんな短時間で集められたもんだ。頼んでおいてなんだが、どんな裏技使ったんだ?」

 そんな余剰在庫なんて持てる時代じゃねー。あったとしても小麦とかイモくらいなもんだろうよ。

「大したことはしておりません。小麦商は飢饉や災害に備えて次の収穫があるまである程度は保管しておりますし、海産物商も干し魚、塩漬けは保管しております。その商会に古いものを安く買っているだけでございます。まずは消費される分なので長持ちしなくても良いとの指示でございましたから」

 なるほど。会長さん、グッジョブです!

「そうかい。ご苦労さんな。んじゃ、ある分だけもらって行くが、構わんだろう?」

 数は会長さんらの方で把握してるだろうし、報酬は石炭だ。細かいことは王弟さん(の代理人)と決めてくれ。オレは仲介に徹し。その報酬は毛長牛で頂きますのでね。

「え、ええ。バーボンド様からもあなた様に従えと承っておりますので構いませんが、運ぶとなると人足や荷車を集めませんと……」

「あ、その辺は大丈夫だよ。助っ人連れてきたからよ。カイナさん、出番ですよ~!」

 チャンターさんとおしゃべりするカイナを呼んだ。

「多分、なんかのネタだろうけど、昭和ネタには突っ込めないよ、おれ。平成生まれだしさ」

 ケッ。これだから平成生まれは困るぜ。ネタの基本は昭和なんだぞ。

「まったく、最近の若者は困ったもんじゃ!」

「ハイハイ。困ったね。んじゃ、運びますか」

 軽く流されて倉庫の中へと消えて行くカイナさん。さ、寂しくないもん!

 なんて倉庫の壁と戯れていたら、一分もしないでカイナが出てきた。

「終わったよ~」

 時刻はまだ九時前。それは天が寄り道しろと言っていると理解する。

「んじゃ、武器屋に行くか」

「……いや、思いのままに生きろとは言ったけど、せめてわかるような道を歩いてよ。唐突過ぎて意味わかんないんだけど……?」

 なにをおっしゃるカイナさん。オレほど単純な思考回路を持った村人はいないぜ。

 早く終わった。時間がある。なら寄り道する。実に単純な流れじゃないですか。

「いや、寄り道と武器屋の間には最低でも二つは入るから。いや、それでも武器屋に繋がる理由をプリーズだよ」

 ほんと、会話って難しいよね。

「いや、ベーの思考回路がおかしいだけだから」

 そんな心への突っ込みなんてノーサンキュー! 
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