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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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343 剣客タジト

 ほどなくしてチャンターさんが船から出てきた。

 先程の腰にシーツのようなものを巻いた姿ではなく、前に会ったときのように東の大陸の衣装に身を包んでいた。

 ……チャンターさんって、結構オシャレさんだよな……。

 なんてことはどうでもイイ。複雑な顔をするチャンターさんに謝らんとな。

「ワリーな、お楽しみに中に押し掛けてよ」

 ほんと、タイミングワリーときにきちまったぜ。

「……もう良いよ。なかったことにしてくれ……」

「アハハ。んな気にする年でもねーだろう。若いうちは激情を楽しめ。あっと言う間に萎え──ふげっ!」

 突然、頭部に痛みが走った。

「ベー。下品だよ」

 なぜかにこやかなカイナに、叫び掛けた言葉を飲み込んだ。

「悪いね。ベーには後で良く言い聞かしておくから」

 なんでオレがと理不尽を感じたが、ザニーノとプリッつあんからの軽蔑の眼差しにゴメンナサイ。わたしがワルーございました。

「んじゃ、倉庫に行くか」

 謝ったことだし、本来の目的地に行きますか。

「って、おれのところにきた理由はなしかよ!」

 あ、そー言やそうだったわ。

「チャンターさんよ、今日うちに泊まりにこいや。会わせたい人もいるしよ」

「……ほんと、唐突だよな、お前は……」

「用があんならまたでイイよ。思い出した頃にまたくっからよ」

 まあ、いつになるかはわからんけどな。

「それ、思い出したからきたって言ってるようなもんだよ、ベー」

「ああ。その通りだが?」

 なんか違う風に聞こえたのか?

「あ、うん。ベーは思うままに生きてるもんね」

「まーな」

 まったりゆったりで生きてきたが、やはり人生をムダにしてきたツケがこう言うところに出る。

 だがまあ、過去は過去。それも前世の過ちだ。今のオレには関係ねー。

「言われなくてもオレはオレのままに生きるよ」

 そうでなければ生まれ変わった意味がない。前世の記憶、それは神(?)の祝福ではなくオレに下された罪であり罰だ。

 ならば素直に認め、素直に受け入れよう。今生を悔いなく生きると誓おう。最後にイイ人生だったと、笑いながら言ってやるさ!

「……ところで、そちらさんは誰なんだ? 威圧感がハンパないんだが?」

「若。某の友ござる」

 オレが言う前に剣客さんが口を開いた。しかもドヤ顔で。つーか、ござるとか、このせかいにもそんな風習を持つ民族いたことにびっくりだよ!?

「はぁ? なに言ってんの、タジト? って言うか、なに通してんだよ! そのためにお前を見張りに立たせたのによ!」

 お楽しみのために見張りをさせるのもどうかと思うぞ、チャンターさんよ。

「いや、座ってたし」

 プリッつあんの空気を読まない突っ込みが入るが、空気の読める大人たちはあえて無視をした。ちょっと黙ってなさい。

「某、真理を閉ざす心は持ち合わせておらぬ」

「ほんと、話が通じないよな、お前は! この剣バカが!」

「そう、褒めないでくだされ」

 あれで照れるとか、この剣客さん、相当キテるよね……。

「あーもー! なんでお前を雇っちゃったかね、おれは!」

 ウガー! と吠えるチャンターさん。この人も大概な性格してるよな。まあ、キライじゃないがよ。

「まあ、落ち着けや。こーゆーおもしろキャラを持ってた方が人生楽しいぞ」

「じゃあ、お前にやるよ。充分楽しめよ!」

「そうか。なら、ありがたくもらうよ。えーと、剣客(けんかく)さん。うちにくるか?」

「いや、剣客とか言っても通じないよ、ベー」

「わかり申した。剣客タジト、お世話になります」

「あれ!? 通じちゃったよ!」

 魔王の体を持つ男が驚き、村人なオレは大爆笑した。

「アハハ! ノリイイな、あんた。そー言うの好きだぜ」

 なんだい、このおもしろ過ぎるキャラは。イイ拾いもんしたじゃねーかよ。

「……なんか、おれもそんな目で見られている一人かと思うと、スッゴくやるせない気持ちでいっぱいになるよ……」

 同感と頷く人(?)らなど見えません。オレの目に映るのはおもしろキャラだけです。
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