挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

338/990

338 ジャム

 ま、まあ、確かにカイナの言う通り。能力を使うオレ次第だ。

「ってことで朝食にすっか。あー腹減った」

 今日の朝食なんだろな~。ふんふふん♪

「え!? なにそれ! 切り替え早っ! 」

 なんかびっくらこいてるカイナさん。どげんしたと?

「いや、不思議そうな顔してるけど、それはこっちだから! チート級の能力を身に付けてそれ? もうちょっと驚くなり騒ぐなりしようよ!」

 おいおい、カイナさん。なに言ってんだい。魔王な体を持つ男の言葉じゃねーな。

「こんなファンタジーな世界に生きて早十一年。もう魔法や魔術どころかファンタジー進化論で散々驚き騒いだわ」

 しかも五トンの持っても平気な体と自由自在に操れる結界使用能力を持ってんだ、今更能力が一つ増えたくらいで驚き騒いでられっかよ。そんなことより朝食の方が重要だわ!

「ほれ、行くぞ。プリッつあんも」

 なんとかキャッスルの天辺で高笑いするメルヘンを促した。

「──あん、待ってよ!」

 五センチのプリッつあんが二十センチになって我が家に戻ってきた。ん? 二十センチ? あれ? そんなサイズだったっけ? ──ま、なんでもイイや。朝食だ朝食!

 家に入ると、すっかり朝食の準備が整っており、皆が席に着いていた。なんか寂しくなっちゃいまったもんだな。

「ワリー、遅くなった。カイナはそこに座れや」

 いつもタケルが座ってた場所を勧めた。

「え、えーと、家族団らんの席にお邪魔しちゃって良いの?」

「うちは食卓についたらもう家族だ。気にすんな」

「そうですよ。気になさらず」

「そうだよ。はい、座って」

 サプルに腕をつかまれ、無理矢理座らされた。

「んじゃ、頂きます」

 皆が座っているのを確認し、音頭を取って朝食を取り始めた。

 今日の朝食はパンを中心とした軽めのもので、今年一番のブララジャムが出た。

「ブララジャム、もう出来たんだ。早えーな」

 瓶には作った年と生産ナンバーが刻まれているのだ。

 去年は広場での商売が終わってから作り始めていたので、夏になる前に出てきていたのだ。

「うん。今年は人手がいたからね、いっぱい出来たよ」

 確かに。さすがのサプルも煮込んでかき混ぜたりするのには限界がある。まあ、それでも小瓶三百個は作るけどな、このスーパー幼女は。

「そーか。なら幾つか……はイイや。うちのとラーシュのとこにやるもの以外は売っちまえ。また来年にしようや」

 会長さんとこにお土産で持って行こうと思ったが、隊商の連中が先だし、さっきのママレードがある。あれでも持ってってやるか。どっかの国のジャムだと言っておけば疑問に思わねーだろうさ。

「せっかくだし、ママレードでもいただくか」

 外に置きっぱのドラム缶……いや、ドラム瓶を持ってきた。

「なにこれ?」

 二大食いしん坊キャラが不在なんで料理キャラが真っ先に動き、ドラム瓶を覗き込んだ。

「オレ──ミンザの一種で作ったジャムだよ。カイナにもらったんでな、ちょっと試食しようと思ってな」

 ドラム瓶からスプーンで皿に盛り、パンに付けて食って見る。

「……不味くはねーが、オレにはちょっと合わねーかな?」

 う~ん。ただ食い慣れてねーからかもしんねーが、まだママレードウメーとはなんねーな。

「なら、違うものを食べて見る?」

 と、カイナが幾つもの小瓶を出した。

 色からして赤はイチゴで紫はブルーベリー、薄ピンクのは桃か? 白いのはなんだ? 茶色はもしかしてチョコレートかな?

「ジャムっていろいろあんだな」

 他にも謎のジャムがあったが、よーわからん。ジャム、奥深けーぜ。

「そうだね。オレも初めて知ったよ」

「全部は食えんし、馴染みのもんから食うとするか」

 イチゴジャムだろう小瓶に手を伸ばし、パンに付けて食って見る。

「なんか高級感のある味だな」

 前世で食った一つ百円のジャムとは明らかに違う味だった。

「うん。高級なのを出して見た」

「なるほど。これが高級な味か。なかなか旨いな」

 サプルが作るブララジャムにも負けてねーかもな。どれ、次は黄色みみのある白いジャムはなんだ?

「……ラ・フランス、か?」

 もう何十年と食ってねーが、この独特な味は忘れねー。まさかラ・フランスのジャムまであるとは、オッシャレ~なジャムだぜ。

「だがまあ、これもオレの舌にはしっくりこねーな?」

「ベーはジャム嫌い?」

「いや、嫌いって訳じゃねーよ。ただ、食い慣れてねーだけさ。あ、そーだ。ホイップクリームとアンコって出せるか?」

「ほい」

 と、その二つが即座に出た。

「ベーは甘党なの?」

 ホイップクリームとアンコ。確かにこの組み合わせは甘党のそれだよな。

「……ちょっとな……」

 昔、と言うか、前世の母親が子供の頃に良く作ってくれたものを思い出して作ったまでさ。

 ……母親の味、と言う訳じゃねーが、思い出の味がするものだな……。

 いろいろ食ってたら腹いっぱいになっちまったわ。

「うん。ごっつぉーさん。旨かったよ。カイナもありがとな。めずらしいものだしてくれてよ」

「はい、良く食べました」

「どういたしまして。残りはどうぞ」

 と言うのでありがたく頂くことにした。会長の娘やマリーさんにもお裾分けしてやらんとな。

「サプル。今日は広場に行かないで真っ直ぐ王都行くからフェリエに伝えてくれや」

 まあ、一応言っておかないとな。

「わかった。 伝えておくよ」

「カイナ。食って直ぐでわるいが、行けるか?」

「うん。大丈夫だよ」

「おし。なら行くとしますか」
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ