挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

334/990

334 義兄弟

 まあ、なんだかんだあったようななかったようなことがありまして、そこに出したるはキャンピングカーが一台。なんともド田舎には不釣り合いなものでした。

「……なんつーか、場を弁えてねーって言うのかな? 違和感バリバリだな……」

「う、うん。そうだね」

 これが前世の田舎だったら純白のキャンピングカーがあってもそれほど違和感はねーんだろうが、なぜかファンタジーなド田舎には似合わねーんだよ。

 まあ、キャンピングカーを前に村を背景にするなら気にはならねーのに、我が家や隣近所を背景にすると、なぜか違和感が出てくるんだよ。これはあれか? ファンタジーに含まれる理解不能な成分がそうさせるのか?

「不都合があるなら変えるけど?」

「別に良いんじゃない? ベーのところだし、ある意味自然なんじゃないかな?」

 プリッつあんがもっともらしいことを言ったが、それはオレを貶めていると同じだからなね。つーか、あるがままを受け入れてるよね、君って……。

「だな。で、こいつは発電機付きなんか?」

 カイナが出したキャンピングカーは、車で引っ張るタイプのもので、幅二メートル。長さ四メートル。高さ一・八メートルの箱型。屋根がせりだし、脇にはひさしが丸まっていた。

 前世が貧乏独身男だったもので、こんなセレブなものとは縁がなかったし、それほど興味がなかったからキャンピングカーに詳しくはねーんだよな。

「あんまり使わないけど、一応は付けてあるよ」

「なんで使わねーんだ?」

 電気がねーと不便なんじゃねぇの? こーゆーキャンピングカーってよ。

「灯りは魔法でなんとでもなるし、食べ物飲み物は直ぐ出せるしね。こうやって」

 と、右の手のひらにプレート食器に入った料理を出した。なんな味気ねー料理だな。

「でも、風呂とかトイレはどーすんだ?」

「それも魔法でちょちょいとね」

「ふ~ん。魔法超便利、ってことか」

 前世の記憶と若い発想力。そして、オレの結界を消すくらいの超魔力。不可能はねーって感じだな。

「そうだね。便利と言えば便利だけど、日々の張り合いってものがなくなるからね、ベーの不便もまた一興って言えるその精神、ちょっと、じゃないな。スゴく羨ましいよ……」

 想像、でしかないが、物欲に満ちた日々はきっと人をダメにする。人を腐らせ、大切な欲と感情を消滅させることだろう。

 人が人でなくなったら、もはや生きてるとは言わない。ただ、そこにあるだけの世界の染み。あとは黒ずんで消えて行くだけのことだ。

 カイナの腰をバンて叩いた。

「なに、人の人生なんて千差万別。趣味もいろいろ。生きる意味なんてどこにでもある。カイナが旅に出たのもその一つ。違うならまた別の意味や楽しみを見つけたらイイさ。これまでだって年を忘れるくらいの生きる意味や楽しさがあったんだからな」

 カイナはまだ三十過ぎたばかり。世界の一部どころか世界の端っこに触れただけに過ぎない。楽しみなんてまだまだそこら中に転がってるわ。

「そんなに暇ならオレの人生に付き合え。オレはまだまだやりたいことがいっぱいあるし、いろんな人と遊びてー。いろんなものを創りてー。仕事して商売して、疲れたらゆっくりして、誰かと一緒に茶したり、おしゃべりしたり、そんなイイ人生にしてー。だからカイナ。オレと一緒に人生を楽しめ。まだまだ楽しいことはいっぱいあんだからよ!」

 今生で力を得た。家族を得た。生きる理由を得た。これだけでもオレは幸せだ。だが、オレは貪欲だ。もっと力(技)が欲しい。もっと生きる理由が欲しい。もっとやりたいことをやりてー。もっと楽しみてー。

「カイナ。今日このときからオレらは兄弟。家族だ。文句あっか?」

 ビシッと人差し指をカイナに突き付けた。

「……ぜ、全然、まったくないよ……」

 魔王のようなツラして今にも泣きそうなカイナのケツを叩いてやる。

「よろしくな、兄弟!」

「おう、兄弟!」

 拳と拳をぶつけ合い、義兄弟の契りを結んだ。
ちなみにですが、プリッつあんはなんだこのアホどもは? って目で見てました。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ