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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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317 カブはカブ

 なんと言うか、隊商って儲かんの? と今更だが、根本的なことに疑問を覚えた。

 それぞれ違う都市からきているんだろうが、カムラ王国までだって一日二日は掛かるし、カムラ王国の王都までだって五日か六日は掛かると聞いている。

 この時代じゃ無理もねーとは言え、その労力はブラック企業も真っ青だ。それでなくても魔物だ野盗だと不安要素満載なのに、違う国にきて儲かるかどわからねーものを運んでくる。もう、チャレンジャーと言うよりギャンブラーって感じだわ。

「銀貨、六枚だな」

 とある隊商の荷車一台に積まれた野菜の価格です。

「銀貨六枚だと!? ふざけんじゃねーぞ!」

 だろうな。まあ、どこからきたか知らねーが、何日も掛けてやってきて、銀貨六枚では赤字もイイとこ怒らねー方がどうかしてるわ。

 とは言え、荷車一台ともなれは街の平均的八百屋の量と同じ。銀貨六枚も売り上げたら大繁盛。決してぼったくっている訳じゃねーぜ。

「別にふざけてはいねーよ。これでもあんたの苦労と努力に敬意を示しての値段だ。これと同じのが街の店で売ってたら銀貨三枚でなら買ってやるってとこだ」

 まあ、まっとうな買い手なら銀貨一枚が精々だろうがな。

「だいたい、あんた、こんなド田舎に野菜を売りにくるって、まともな商人のやることじゃねーだろう」

 パン屋にパンを売りに行くようなもの。そこに疑問を感じなかったのかよ?

「いや、あ、や、野菜が売れると……」

「ああ。野菜は買うよ。ここで作ってねーものだからな」

 パン屋と商売したきゃ小麦粉を売れって話だ。

「オレが欲しいのは苦ウリや辛みのあるカブとかだ。長旅で萎れたハニエとかナナオバなんて求めちゃいねーんだよ。まあ、家畜のエサと考えれば買ってもイイかなと思うがよ」

 萎れた野菜でも乾燥させて粉末にして結界で長期保存。集める手間を考えたら銀貨六枚は適性だと思うがな。

「不服だ、ってんなら他を当たってくれ。こちらはしょうがねーと諦めっからよ」

 縁がなかった。ただそれだけのことさ。

「──ま、待ってくれ! それで良い。銀貨六枚で買い取ってくれ!」

「はいよ。毎度あり。んじゃ、頼むわ」

 と、後ろにいる人足たちに運ぶように頼んだ。

 人足? そんなのいたのかよ! って突っ込みは当然です。なんも説明してねーからな。誰にだよ! って突っ込みはノーサンキュー。

 だいたいマームルじいさんだけで荷車十台。とても一人でどうこうできる量じゃねーよ。

 まあ、結界を使えばあっと言う間に片付けられるんだが、それはそれで妬みを買うもとになるし、金は回ってこその経済。ここで臨時のアルバイトをしてもらい、オレの店や他の店で金を落としてもらう。そうやって広場を盛り上げて行くことで次も商売できるって訳さ。

 ちなみに人足さんたちは、マームルじいさんのところや顔見知りの隊商の御者だったり見習い小僧だったり、または近隣の村からきたものを雇ってます。

 それぞれが用意した箱に野菜を詰め込み、一杯になったら地下の倉庫へと運んで行った。

「……好き放題やってるよな、お前さんは……」

「地下通路って、なんなのだ、ここは?」

「まるで要塞の搬入路だな」

 地下への続く通路を見てマームルじいさんらが呆れ果てていた。

 創っておいてなんだが、オレも同じ感想を抱いたので『ですよね~』と心の中で応えておいた。

 さて。暇人どもに構っている暇はねーと次のお客さんへとチェンジです。

「お初です。わたし、カーベン商会のもんで、アザラムと申します。ベーさんのことは良く聞き及んでおります。今回はカブを中心に持ってきました。どうか良い値段をお付けくださいまし」

 カムラの商人にしてはやたら軽いヤツがきたなと、アザラムと言う中年の男を見る。

 至って普通のおっちゃん。特徴がないのが特徴と言った、名前より先に顔を忘れてしまいそうな感じであった。

 しばしおっちゃんを見詰め、荷車一杯に積まれたカブに目を向けた。

 カブは早取りし、なにかの魔術で保存してきたのだろう。マームルじいさんと同じく金板一枚出しても惜しくはねー新鮮さだった。

 が、オレの中のなにかがこのおっちゃんを警戒している。前世でオレを騙した詐欺師に似てると、考えるな、感じろセンサーが危険警報を鳴らしているのだ。

「一つ、手に取ってイイかい?」

「はい。なんなら味見もどうぞ。まあ、辛いのでお勧めできませんがね」

 笑顔を絶やさず軽いジョークを入れてくる。まるで帝国南部(陽気で軽い性格が多いとら言われてる)商人のようだな。

 まあ、許可は頂いたのでカブを一つ取り上げ、かじって見る。うん、辛い。

「わかった。金板一枚でどうだい?」

「はい、喜んで!」

 現金買い取りがうちの基本なので、荷車五台ぶん、金板五枚を払うと、今後もよろしくと、ペコペコ去って行った。この機会にオレと仲良くしようともせずに、だ。

「黒だな」

 しかも裏の世界のヤツだろう。目的と手段を良く弁え過ぎて逆に馬脚を現してるよ。

まあ、相手がなんであれ、目的がどうあれ、商売は商売。カブはカブ。オレに取ってはそれで充分。あとは結界で魔術的、毒的なものをさっと排除。なんの労力にもならねーわ。

 いつものように結界超便利ってことさ。
明日で帰宅日。書けたら投稿します。
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