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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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316/992

316 しょせん、金は金

 マームルじいさんが引き連れてきた馬車は全部で二十台。うち半分がオレが頼んだ野菜で、残りは王都へ向けての品だ。

 カムラ王国は、植物油や羊毛が主産業で、この国や帝国へと運んでいる。

 マームルじいさんの商会も帝国に向けて隊商を組んでいるとか。そんな大商人がわざわざド田舎までくんだから腰が軽いよな。まあ、会長さんと同じ叩き上げ。椅子にふんぞり返っているなんてできねーんだろうよ。

「今回は苦ウリが多いんだな」

 見た目はヘチマ。味はゴーヤ。植えたら勝手になると言う野菜で、カムラ王国の飢饉食とされている。なんで、普段は食わず、家畜のエサや塩漬けにして保存食(飢饉にならなきゃ捨てるらしい)になってるとか。

 そんな野菜だが、人魚の舌には高級珍味(?)と感じるらしく、あるなら全て買ってくれと言われてる。ちなみに、ナルバールのおっちゃんな。

「ああ。お前さんの要望に応えて沢山持ってきたよ」

「おう、助かるわ。苦ウリなんてカムラでしか作ってねーからな」

 いやまあ、どこでも作ろうと思えば作れるんだろうが、誰も食わねー飢饉食に割ける畑なんてどこにもねー。ましてや苦い野菜だ、誰も食いてーとは思わねーだろうよ。

「なに、なんの労力も掛けない野菜を荷車一台で金板1枚で買ってくれる。ぼろ儲けも良いところだ」

 それを虹色真珠七つ(金貨三十枚くらいかな?)で売っている。ぼろ儲けどころかぼったくりである。

 まあ、安くしてもお互いどころか、オレの苦労損になる。それなりの利益は頂かんとやってられんよ。

「お互いが納得してのこと。ぼろ儲けならイイじゃねーの」

 誰も損はしていない。誰もが幸せ。ウインウインで行こうぜ。

 とは言え、この野菜がどこに行くかはマームルじいさんには言ってねー。あの港は、ハルヤール将軍の安住の地。優先させるはハルヤール将軍の利だ。ハルヤール将軍が望むように協力するのがオレの、友達の役目だ。

 マームルじいさんは、なにか言いたそうな顔をしているが、オレとの商売を優先させて決して口にしない。まさに商人の中の商人。そこは尊敬に値するな。

「律儀だな、マームルじいさんは」

 マームルじいさんには野菜を時間凍結の結界(水晶玉に付与したもの)を渡してある。

 三年にもなるのに結界(水晶玉)を調べた様子はねー。まあ、バカが弄っているようだが、マームルじいさんはちゃんとオレとの約束を守っている。言っておいてなんだが、呆れたじいさんだよ……。

「別に律儀と言う訳じゃないさ。ただ、長く生きていろんな者と商売しておると、相手がなにを大事にしてるのが見えてくる。お前さんは、人を大切にしている。ならば商売相手として人であることを守らなければならない。それが信頼ってものさ」

 ……さすが、と言うべきか、人を相手に商売してきた叩き上げはスゲーわ。金では買えないものを大切にしてやがるぜ。

「ふふ。金貨百枚にも勝る言だな」

「金貨万枚には劣る言さ」

 金でなんでも買えると思うのは三流以下。金以上のものがあると言うのはただのバカ。この世には両手に乗らないほどの価値あるものがある。人それぞれ価値感は違う。しょせん、金は金。なにかをするための道具だったり指針だったりするもの。一番にはなれねー存在だ。

 見詰め合い、お互い同時に笑い出す。

「──さて。野菜は全てお買い上げだが、マームルじいさんの他にも売りにきてる隊商がいんのかい?」

 脇道に反れるのはいつものこととは言え、気付いたら戻るのが脇道回り道の達人。ハイ、テキトーに言ってます。

「ああ。お前さんを独占してる訳ではないからな」

「確かに。マームルじいさんしかいなかったからマームルじいさんに言ってただけだしな」

 まあ、この広場にくる隊商の中でマームルじいさんがマトモだったってのもあるがな。

「どうする?」

「買うさ」

 短く問いに短く答えた。

 食料はいくらあっても困らねーし、置場所 (エリナんとこな)は幾らでもある。売ってくれんなら買うさ。まあ、値段と質が折り合えば、だがな。
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