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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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311 反省中

「ようこそ、ボブラ広場へ!」

 とかやって見るが、今一反応が良くなかった。

「いや、知ってるよ。つーか、なにやってんだ、お前は?」

 なんて素で返された。

「ったく、ノリワリーな。せっかくきたんだから気のきいた返しをしろよな」

「お前の意味不明なノリに乗れるのはあの雌獅子ぐらいなものだ」

 あー確かにシャイな北の商人の中でねーちゃんはノリがイイな。まぁ、油断はできねーがよ。

「まあ、無事到着してなによりだ。歓迎するよ」

「おう。今年もよろしくな。それと、今日の夜、ちょっと良いか?」

「夜かい? まあ、用事次第では時間をつくるが、なんだい?」

 夜は家族団らんの時間と決めている。重要なことじゃなけりゃあ時間なんてつくんねーぞ。

「あ、いや、夜に話したいんだが……」

 イイ淀むおっちゃんの目を追うと、先の馬車に十二、三の女の子がいた。

 北の生まれらしく色白の可愛い子で、いかにも箱入り娘って感じだが、不慣れな旅で少々やつれ気味。なのに、無理矢理笑わなくてはいけねーから余計に痛々しい。他人事ながらご苦労さんだよ……。

「おっちゃん。どうせ上に言われたんだろうが、そーゆーことはちゃんと相手を見てからやれと伝えておけ。オレには不快にしか感じねーし、そんなところと商売する気も起きねーわ。あと、あの子に罪はねーんだ、バカなことすんじゃねーぞ。まあ、それを決めんのはそっちだ。オレが口出すことじゃねーがな」

 そう。それはそっちの勝手。そして、そんなクズと関わり合いたくねーと思うのもこちらの勝手。好きにしろ、だ。

「す、すまない。忘れてくれ」

「ああ。忘れてやるよ。大事な商売相手だしな」

 それで話は終わりだとばかりにおっちゃんから目を反らした。

 まったく。どこの世界でも女をあてがえばイイだろうとか、どんな貧弱な発想してんだろうな。オレには理解不可能だよ。

 まあ、イイ。相手の思惑に乗ってやる義理も義務もねーし、そんな露骨な罠に嵌まってやるほど酔狂でもねー。きたらバッサリ斬ってやるまでだ。

「ようこそ、ボブラ広場へ!」

 とか、くる隊商に呼び掛けるが、やはり受けがワリー。やはり北のヤツらにはシンプルに垂れ幕がベストだったかな……?

 北のヤツらを乗らせるにはどうしたらイイかとうんうん悩んでいると、なにやら柄のワリー、いかにもなヤツらがやってきた。

 ……その汚ねー格好からして流れ者。もしくは野盗クズレ。またこの広場を仕切ろうとする北の商会連合の雇われ者か、だな……。

「おい、ガキ。テメーがここを仕切ってるっつーヤツか?」

 ハイ、北の商会連合の雇われ者でした~。

 ったく、あいつらも懲りねーな。金で動かないとなれば次は暴力かい。まだハニートラップを仕掛けてくる方が尊敬できるよ。

 つーか、なんでこんな裏の事情を話しちゃうバカを雇うかね? それとも北の商会連合に見せ掛けるための罠か? それとも違う企みがあんのか? 余りのアホさに逆に疑心暗鬼になるわ!

「そうだが、あんたらは?」

 アホとは言え、それなりに暴力で生きてきたんだろう、相手がガキでも油断はしねー。オレの手が届く範囲には入ってこなかった。

「ここの管理、おれらに譲ってくんねーかな?」

 下卑た笑いを浮かべるクズども。

 まあ、これもなにかの巡り合わせ。チャンスだと思うことにしよう。

「寝言は寝てから言いな。あと、体はキレイにしろ。クセーにもほどがあるわ」

 害虫を見る目を向けるように挑発するが、誰一人として怒った者はいなかった。

「……あんたら、何者だ……?」

 その沸点の高さから言ってタダのアホではねー。つーか、まるで絵に描いたようなクズさに違和感を感じ取った。

「……北の商会連合、裏のもんを雇いやがったな……」

 それでも目の前のヤツらの表情や気配はアホ野郎のまま。なんとも一流どころを雇ったじゃねーか。

「まあイイ。ケンカしたいって言うなら買ってやるよ。捕縛」

 一網打尽に結界で拘束する。

 派手なアクションは? なんて突っ込みはノーサンキュー。何度も言うが村人に求めんな。そー言うのが好きなら違う物語でも読んでろ。オレの物語はスローなライフを送る物語だわ!

 アホ野郎どもを強制正座させ、広場の前に並べる。

 収納鞄から木版を出し、火の魔術で『反省中』と書き、できたらアホ野郎どもに持たせる。

「まあ、あんたらに恨みはねーが、他のアホが出ねーように見せしめになってもらうわ。なに、隊商がいなくなったら開放してやるからそれまで辛抱。ガンバレだ」

 近くにいるアホ野郎の頭をポンポン叩き、店へと戻った。
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