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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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296 なんと切り出して良いのやら

 冒険者ギルド(支部)にくると、シバダたち次世代はおらず、見知らぬ冒険者パーティーが何十人といた。

「なんか、風物詩になってきたな、この光景」

 各隊商の先行部隊で、道の様子や魔物の情報を知るために、何人かの隊を組んで馬で先行するのだ。

 一般的には斥候系の者がやるんだが、去年当たりから広場の場所取りのために先行してくるのでパーティー単位で先行してくるのだ。

 当然のこと先行部隊は馬や騎獣(鳥だったり陸竜だったりと、まあ、ファンタジーないきもんだよ)に跨がってやってくるのだが、今回は馬車が何台かいるな?

 幌や箱ではなく平荷車には、杭やらロープ、幕などの野営道具的なものが詰まれていた。

 ……場所とりが加熱になってきたな……。

 広場に名前はねーが、隊商からはボブラ広場と認識され、隣国のカムラ王国には知られた広場となっている。

 今更だが、うちの村はカムラ王国寄り、つーか、国境から七十キロくらいの距離にあるところで、隊商が野営をするにはほどよい場所にある。

 オレが生まれる前から広場は隊商に利用はされていたが、川に近く草が生い茂った場所ってなくらいの魅力しかなく、村からも離れていたために知ってはいるが、それほど記憶には残らない場所であった。

 オレも四才の頃にはこの広場が利用されていることを知ったが、『隊商相手に商売できんじゃね?』 と思ったのは六才のときだった。

 試しに簡単な料理や武器、村で作った野菜や採った魚(干物)を売ったらバカ売れ状態。次の年からは村のもんを手伝いとして引っ張り出して店を拡張し、品数を増やしたら王都に行こうとした隊商がそのまま国に帰ってしまった、なんて伝説を作ってしまった。

 去年は四倍に拡張し、品数は六倍。来年もよろしくと、何人もの商人から言われたので村のもんに声を掛けて店を出させたら、もう交易広場になってんじゃね? ってなくらいにまでなっていた。

 だから今年もスゴいことになんだろうと思っていたが、それ以上にスゴいことになっている気配だった。

 小屋のような冒険者ギルド(支部)の前に数十人もの冒険者でごった返し、中に入れなかった。が、そこは勝手知ったる他人の冒険者ギルド(支部)。裏から入れることを知っているのでそこからお邪魔しますです。

「おう、繁盛してんな」

 移動報告にきた冒険者を捌くおっちゃんに声を掛けた。

「見ての通りだ、邪魔しにきたなら帰りやがれ!」

「アハハ。相変わらず元気だな、おっちゃんは。忙しさに逃げ出すなよ」

 軽くあしらい、テキパキと捌く姉御へとの列へと並んだ。

 できる姉御に掛かれば十分もしないで順番が回ってくる。とは言っても三十人もいないし、報告とギルドカード確認だけの簡単なもの。待つくらいでもねーさ。

「相変わらず常識が裸足で逃げ出すくらいの速さで帰ってきたわね」

 結構、人外に片足突っ込んでるにも関わらず非常識に毒されたりはしない。ある意味、村の……なにやら目の前から言い難いなにかが……いえ、なんでもないでやんす!

 ニコニコ笑顔な姉御に即行で土下座した。

「さぁーせんでしたっ!」

「──ちょ、ちょっと、またそれやる! そんなんだから村の人から恐れられるんだからね!」

 無理やり立たせられるが、心の中では土下座中。ほんと、マジですいやせんです!

 なんて一幕はいつものことなんで、本題に入りますか。

「……君のその切り換えの早さにわたしはついて行けないわ……」

 そこはそれ。あれはこれ。特に意味はないが、切り換えの早さなら姉御が最強。ため息をつきながらも受付嬢の顔になった。

「それで今日はどのようなご用でしょうか?」

 半分以上、姉御の冗談であろうが、冗談に見えないのが姉御のおそ……じゃなくてお優しいところ。心の底からスンマセンです。

「シバダたちの依頼、完了の報告でやんす」

 完了の札を姉御に渡した。

「わかりました。シバダさまにお伝え致します。ご利用、ありがとうございました」

「あ、これ王都の土産でやんす。どうかお受けください」

 収納鞄から毛糸を幾つか出して姉御に献上した。姉御、編み物が趣味なんでな。

「ありがとう。遠慮なく頂くわ」

 姉御の笑顔にほっと胸を撫で下ろした。

「引き続き、シバダたちに花壇作りの依頼をお願いいたしやす。あ、王都で村の護衛の依頼を出してきやした。村長にも言いやしたが、きたらシバダなりに言ってオレに伝えるようにしてください」

 依頼として銅貨三枚を渡した。

「畏まりました。指名依頼として受理します」

 用は済んだので丁重に冒険者ギルド(支部)から撤退。気持ちを完全に切り換え、急ぎ足で我が家へと戻った。

 いろいろやるべきことは残っているが、まずは重要なことから片付けんとな。

 さて。オカンになんと切り出して良いのやら……。

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