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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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290 お腹いっぱい

 朝、いつもの時間に目覚めたオレは、静かに倉庫を出て王都を出た。

 タケルらは昨日の夜に出発してアブリクト島に向かい、村へと帰る準備をしているよ。

 のんびりゆったり歩きながら王都の門までくると、広場には帝国や隣国や各都市に行く隊商が出発の順番待ちをしていた。

 これからの一月の間は雨が少なく、降っても霧雨くらい。なもんだからこの時期は隊商が活発になり、各地の商人はいろんな国や都市に向かい、経済が活発になる。

 まあ、魔物が当たり前にいる世界なので命懸けの移動となるし、不幸にも被害を出す隊商も少なくはない。もちろん、冒険者や傭兵などを雇って自衛はするが、街から一歩出ればそこは野生の王国。いろんな危険に満ちているのだ。

 隊商も多いものでは荷馬車五十台とか列なって行くので王都を出るにも時間が掛かる。

 今日の隊商はそれほど大きいものではなく、そこそこの規模で、荷馬車も二十台あるかどうかだ。

 きたときと同様、出るときに検査ともなく隊商を横目に王都の外に向かった。

 こちらは歩きなのでどんどんと追い抜かれて行く。

 こちらの方向と冒険者の数から言って帝国か。順調なら二十日の道程だな。

 まあ、たんなる勘であり、道中の暇潰し。答えなんて求めちゃいねー。別に反対の道を行っても帝国に行く道はある。どこかの都市に向かってから帝国に行くってのもないことはないしな。

 王都から出て五キロちょっと。街道から外れて海辺へと向かう。

 五百メートルくらい歩き、ちょっとした林を抜けると、青い海が現れた。

 親父さんの報告では、ここはまだ王都の一部で、買い取ることはできないと言う話だったが、コネと金と脅し(持つべきは人外友)でめでたく親父さんのものとなりました。


 まあ、まだ正式な手続きはしてねーし、やることが多いのでまだ手付かずの状態。あるがままの海辺だ。

「まだ、時間はあるし、ちょっといじるか」

 昨日、タケルには朝の九時に迎えにきてくれと言ってあるので潜水艦が停泊できる場所を創って行く。

 本当ならきたときの船でアブリクト島(ひょうたん島)に行こうとしてたが、船は赤髪のねーちゃんにやってしまったし、デンコもいねー。オレ一人……ではねーな。なんかオレの頭の上の住人になったプリッつあんがいたな。

 ……そー言やあ、頭の上に乗るロボットアニメがあったな……。

「プリッつあん。楽しいか?」

 頭の上にいるので表情は見えないが、世話しなく動いているのはわかった。

「うん、楽しいよ」

 いまいちどころか謎の生命体過ぎて意志疎通ができてんのかわかんねーが、まあ、これと言って害はねーし、気にもしねーから勝手にしろで放っておいているよ。

 もう土魔法はディ〇ニー級なので歩きながら創るなど造作もねー。三十分もしねーで潜水艦の停泊場所が完成した。

 まだ九時まで三十分近くあるが、別に急ぎの開拓でもねー。のんびり待つ──かと思ったらタケルの潜水艦が浮上してきた。

 ……近付いてくんの、まったくわからんかったわ……。

 無駄に高性能な潜水艦に苦笑していると、上空をジェット機が翔て行き、やや遅れて爆音が駆け抜けて行った。

 まったく、王都の近くだって言うのに、しょうがねースーパー幼女だせ……。

 王都でどんな噂になっているかは知らねーし、興味もねー。どうせ竜の咆哮くらいに思われてんだろう。良くも悪くもファンタジーな世界なんだからよ。

 そんな無駄に高性能な潜水艦が当然のように停泊場所に入り、動力が停止した。

 バックで入ってきたから後ろのハッチが開くのかと思えば横のハッチが開き、メルヘンどもが大量に出てきた。

「なんか、随分とSF的な格好してんな」

 まあ、どんな姿かは勝手に想像してもらうとしてだ。森の賢人が海の賢人になってるって言うのもなんなんだろうな。つーか、なにその海軍将校見たいな格好は? まだこの世はファンタジーだよ。

「お迎えにあがりました」

 なんて言いながら見事な敬礼をするカーチェとメルヘンズ。なんの茶番劇だ?

「あー、まあ、気に入ってんなら構わんが、それに対する反応は求めないでくれな」

 そのノリとテンションにはついてけねーよ。まだオレには高度過ぎるわ。

「残念。せっかく練習したんですけどね」

 なにやってたんだよと突っ込みてーが、多分、これは突っ込んだらけ負けの状況だ。負ける戦いはしねーよ、ったく。

「まあ、お楽しみはこれから。さあ、帰りましょうか」

 もうキャラ崩壊したカーチェはほっといて、潜水艦の中に入り、艦橋へと向かった。

 そこにも突っ込んだら負けな光景が広がっていたが、全力でスルー。指示された簡易座席に座った。

 なんか宇宙戦艦の出発シーンを思い出すやりとりが繰り広げられてるが、それも全力でスルーです。

「パーニー。ボブラ村に向けて発進!」

「了解。嵐山、発進します!」

 潜水艦が動き出し、徐々にスピードが上がって行く。

 あーやっと帰れると言う情緒的なシーンなのに、なぜか乾いた笑いしか出てこねー。

 ……なんなんだろうな、これは……。

 指揮するは転生者の少年。その横に立つはエルフ。潜水艦を操るメルヘンズ。あと、操縦席にいる猫耳のねーちゃんは誰?

 もう朝からお腹いっぱいだよ! 
 
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