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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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249 なるようになる

 会長さんがいなくなったので庭先でマ〇ダムタイムにすることにした。

 娘に案内させようか? とは言われたが、天気もイイし数日の疲れもあったので夕食までのんびりすることにしたのだ。

 さすがに大商人の家だけあって敷地は広く、庭園があるのだが、前世のように造園やガーデニングがある訳じゃないんで、ちょっとした花壇にかろうじて手入れされた木が植えてある程度。わびもさびもあったもんじゃねーが、まあ、オレのマン〇ムタイムに場所は関係ねー。したいときその場所がマ〇ダムタイム。ようは気持ち次第ってことさ。

 グレンのばーちゃんからもらったコーヒーを味わいながらラーシュの手紙を読む。

「……ラーシュのオカン、多分、脳梗塞だな……」

 まあ、医師じゃねーからはっきりとはわからんが、手紙の内容からしてそんな感じだった。

「幸い軽いようで半身不随にはなってないか。あっちの医学は発達してんな~」

 どう言う訳か知らんが、南の大陸には薬草が少なく、薬師と言う言葉すらねー。だが、外科的なことはこちらより発展してて、手紙の内容から盲腸は当たり前に手術はできるそーな。

「世の中ままならねーな」

 あっちの医学とこっちの薬学を混ぜたら前世の、とまでは行かないまでもそれなりに寿命は延びていることだろう。そこに魔術的魔法的な治癒術が加わったら無敵じゃね? 前世の医学を軽く超えるぞ。

「ラーシュとこから誰かきてくんねーかな~」

 医学交流とかできたらオレの老後は安心なのによ。

 まあ、考えておくだけならタダだと、物思いにふけた。

 しばらくして、ふっとなにかを感じて、反射的に腕にした通信機に目が行った。

 時刻は四時前。陽はまだ高く、気温もほどほどにイイ。〇ンダムタイムにはイイ時間帯である。

 なんとなく通信機の時刻表示を見詰めていたら、これにストップウォッチの機能があることを思い出し、なんとなくスタートさせて見た。

 なぜかは自分でもんからん。ただなんとなく、なんとなく、どんなもんかなと思ってやって見たのだ。

 十秒二十秒と過ぎて行き、カップの中のコーヒーを飲み干し、お代わりを注いで二口。目の前にご隠居さんが現れた。

 ご隠居さんから目を離し、ストップウォッチを停止させた。

 ……一分二十七秒か……。

 それが早いのか遅いのかは知らないが、まあ、意味があったのはわかった。

「えげつないことしてくれるさね」

 非難の目を向けてくるご隠居さんに苦笑で返した。

「それはご隠居さんがワリー。人んちにくるときは玄関からくるもんだ。それが礼儀ってもんだろう。ましてやダチんちに土足で……あ、土足文化だったっけ。じゃなくて、不法侵入されたら排除すんのがダチとしての仁義ってもんだろう?」

「わしがくるのをわかっておって良く言うさね」

「親しき仲にも礼儀あり。いくらご隠居さんが強者でも礼儀を忘れたらただのゲス野郎だ。そんな野郎にオレは尊敬も敬愛も湧かねー。死んでも頭は下げねー」

 真っ直ぐ、ご隠居さんの目を見て宣言した。

 ご隠居さんは、怒る訳でもなく威嚇する訳でもなく、ただ感情を見せずにオレを、いや、オレの全てを見ていた。

 と、ご隠居さんが苦笑した。なんとも人間味ある感情をさらけ出した。

「まったく、揺らぎがないさね、お前さんはよ」

 オレはそれに応えず、真っ直ぐご隠居さんを見詰める。

「すまんさね。もう二度とはせん。これこの通りだ」

 頭を下げるご隠居さん。やはり人外はおっかねーぜ……。

 収納鞄からカップを出し、コーヒーを注いでご隠居さんの前に差し出した。

「なら手打ちといこうか」

 カップを掲げると、その意味を理解してくれたご隠居さんがカップを掲げてくれた。

「オレんちではねーが、まあ、いらっしゃいだ」

「お邪魔するさね」

 チーンとカップを鳴らして手打ちとした。

「……お前さんの魂は大きくてつかみ取れんさね……」

「それはこっちさ。こんなガキに頭を下げるとか、器がデカくて萎縮しっちまうよ」

「良く言うさね。萎縮どころか山脈のように不動のクセして。しかもなんさね、いったいなにをしたさね? 逃げることも交わすことも、それどころか捕まえられるとか意味わからんさね!」

 やっぱ、結界術は魔法でも魔術でもねー超不思議パワーなんだな。神(?)さまパネーぜ。

「ククっ。そりゃあなによりだ。いろいろためになったよ。ありがとさん」

 結果術(想像力)に限界を感じてたが、まだまだ奥は深いよーだ。転移術、そーやんだ。さすが人外さんだぜ。

「……わし相手に実験とは、末恐ろしいにも程があるさね……」

「さすが年の功。わかるか。なら、これもわかんのかい?」

 人差し指で自分の頭を突っついて見せた。

「わかる訳ないさね。お前さんの記憶と魂はなにかに包まれて居候にも見えんさね。多分、グレン婆にも、な」

 魂うんぬんはわからんが、記憶の方には以前から結界で防御してある。

 今世には魔眼だったり精神波とか当たり前にあったりする。肉体は丈夫でも精神は脆い。それを補うために結界を張ってあるんだよ。

 とは言え、よくもまあ防げたもんだわ。魔法的魔術的は感じでわかるのだが、それ以外ののなんてわかんねーから振動とか光とか声音とか、とにかく思い付くこと脳に届かないようにし、次元断層とか精神波長とか深層世界とか、前世で見たようなよくわからん世界からくるものを想像して結界で弾くイメージをしたのだ。

 まあ、結果オーライ。なせばなった。超不思議パワーに万歳だ!

「そんで、オレになんの用だい?」

 茶を飲みに、だったら大歓迎なんだがな。

「わしも出席させてもらうさね」

 なにに? とは突っ込みません。顔にも出しません。

「好きにしたらイイさ。オレのための席じゃねーしな」

「いや、お前さんのための席だわさ。まったく、読めんとはこれほど苦労するとは思わんかったさ」

 探るような目にも突っ込みは入れません。顔にも出しません。

 考えてもしょうがねーことは考えるな。なるようになる、だからな。
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