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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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242 飛び抜け一家

「なんか城に行ってたようだが、忙しいのかい?」

「いや、ちょっとした相談を受けただけさ。商人と貴族を兼ねてるからな、外の意見としてよく呼び出されるのさ」

「へ~。そりゃまた寛容なこって。なかなかできるヤツが城にはいんだな」

 会長さんの言い方からして王さまって感じではねーな。大臣クラスのお偉いさんだろうよ。

「ふふ。ベーにはお見通しか」

「さーな。オレはなんも知らねーよ」

 敵に回らなきゃなんでもイイさ。好きにやってくれだ。

「ガンダル。わしにも茶を頼む。ベーは、白茶を飲んでいたのか?」

「ああ。家令さんに淹れてもらってたよ」

「あまり口には合わなかったようだな」

 どっちがお見通しなんだか。よくわかったもんだ。

「なに。港で最高の茶をもらったんでな、今は他のどんなお茶も旨いとは思わねーだけさ。あ、だが、不味くはねーよ。多分、サプルの好きな味だから帰りに土産にくれや」

「おう。好きなだけくれてやるさ。サプルに持っててやれ」

「ありがとな、遠慮なく持ってくよ」

 息子の会頭さんは、父親の諸行に驚いているようだが、口には出さずに父親を見た。抗議かな?

「白茶の一樽や二樽、ベーからもらった恩に比べたら安いものだ。欲しいだけくれてやれ」

「おいおい、土産程度でイイよ。白茶、貴族の間で流行ってんだろう。なら、そっちに回してやんな。サプルが気に入ったのなら、そんときは買いにくるからよ」

 商人からただでもらおうとはしねーよ。欲しけりゃ金出して買うさ。

「金で買ったのなら金で応えるが、恩で買ったのなら恩で応える。商人にも譲れねぇ意地があんだよ」

「まったく、商人失格だぞ、それ」

「お前にそう言われるなら本望さ。まさに商人とか言われたらその日から人間失格になりそうだからな」

「ふふ。まあ、売れるなら親でも子でも売れなんて言うアホとは付き合いたくねーしな」

「バーガル。良いか、これが人を見ると言うことだ。試さなければ相手を見抜けないようでは二流だぞ。直感にも等しい洞察力を持て」

「おいおい、無茶言うなよ。会長さんみたいなことをやれって方がワリーぞ。人はそんなに便利にできてねーんだからよ」

 オレも会長さんも世間の荒波を越えてやってきた叩き上げだ、それを経験もねーヤツにやれって言う方が無茶だぜ。

「……良いか、バーガル。人を見た目で判断するなの良い例がこれだ。わかれとは言わん。だが、いるとだけは胸に刻んでおけ。それはお前を活かす武器となる。支えとなる。しっかりと見ておけ」

「……はい……」

 なにやら親から子への教えになってるが、オレを見本としてもためにはならんと思うぞ。もっとためになるヤツを見本としろよ。

「おっと、すまんな。バーガルはわしの後継者なんでな、一つでも教えておきたいんだよ」

「構わんよ。孝行したいときに親はなし、って訳じゃねーが、親もいつまでも一緒にいてやれんしな、教えてやれんならいっぱい教えてやんな」

「……すまん。考えが足りんかったな……」

 オトンのことを思い出したかと誤解したようで、申し訳なさそうに謝った。

「気にしなくてイイよ。もう昔のことさ。それに今度、新しい親父ができるんでな、その親父にいろいろ教えてもらうさ」

「ほう、そりゃ目出度いな。まあ、シャニラさんは美人だしな、貰い手には事欠かんことだろうさ」

 オカンが美人とか、会長さんもおだてが上手いね。オレもそんなおだてを軽く言える男になりたいもんだぜ。

「それで、相手は誰だ? 同じ村の者か?」

「いや、冒険者だよ。ザンバリーって男さ」

「……は? ザ、ザンバリーって、赤き迅雷のザンバリーか?」

「ああ。そのザンバリーだよ。息子の知らねー間によろしくやってた男さ」

 いやまあ、知ってたら知ってたでイヤだが、もしかしてと思うくらいにはよろしくやって欲しかったぜ。

「……お前んち、家族揃って飛び抜けてんな……」

 んー、そー言われると反論できねーのが辛いな……。

「まったく、お前の人生は急転直下だな。聞いたぞ。港のマフィアと争ってると。それで生きてんだから意味わからんわ!」

「別に争ってはいねーよ。ただ、相手がケンカ売ってきたんで懇切丁寧に相手してやっただけさ」

「その懇切丁寧は悪逆非道に匹敵するからタチが悪いわ。お前が生きてる以上にマフィアが死んでないのが意味わかんねーよ」

 なんだいそりゃ。まるでオレが殲滅する口振りじゃねーか。オレは無駄な殺しはしねー主義だぜ。

「まあ、おっかねーヤツらが出てきたんでな、手打ちにしたよ」

 と、二人の気配どころか表情まで固くなった。

「どーしたん?」

「……お、お前、ベー、もしかして、隠居や居候に会った、のか……?」

「へー。あのご隠居さんと悠久の魔女さん、意外と外に出てんだな。オッサンらは知らねー様子だったのによ」

 まあ、お偉いさんと付き合いがあれば知ってて当たり前か。どんなに隠れていようと強大な力は周りに影響を与えるもの。バレない方が不思議か。

「……はぁ~。ベーはどこまで行ってもベーだな……」

 なにか結論されたよーだが、意味わかんねーよ。

「隠居も居候もこの国では禁忌だ。例え王でも逆らえない。それを親戚の祖父に会ったかのような気軽さ。ベーを知ってなければこうなっているところだ……」

 会長さんの呆れた目が息子へと注がれていた。

 つられて見れば会頭さんが真っ青。まるで幽霊でも見たような表情であった。

「確かに、魔王だと言われても素直に納得できる二人だったな。あれにはオレでも逆らえねーわ」

 嫌なことは嫌と言えるオレでも死を覚悟しねーと言えねーよ。話のわかるご隠居さんと悠久の魔女で助かったぜ。

「是非ともそうしてくれ。王都で化け物大合戦なんて勘弁だからな」

「なんだよ、それ。オレはただの村人だぜ。あんな人外と一緒にすんなや!」

「お前も十分人外だわ!」

 友達からの暴言。悲しいわ~。
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