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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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203/992

203 主義主張

 前世で『騙される方が悪い』とご立派なことを言った民族がいた。

 その逆で『騙す方が悪い』と言ったご立派な民族もいた。

 別にどっちが悪いと言いたい訳じゃねー。

 どちらもそうなる事情があり、歴史があったんだろうからな。

 オレだって『騙した』こともあれば『騙された』こともある。どうこう言う資格はねーさ。

 だが、騙さず騙されねーヤツはスゲーと思うし、尊敬もする。それが理想だとも思う。

 まあ、そんな立派なヤツになれる訳じゃねーし、オレは相手の主義主張を否定はしねー男だ。

 気に入れば受け入れるし、気に入らねーなら拒否はする。それだけのこった。

「……え、えーと、なんですか、この人たちは……?」

 食事を終え、店から出るとガラのワリー三人の男がリヤカーの前で四つん這いになってるのを見たタケルが、なぜかオレに問うてきた。

「世の中にはいろんな趣味趣向のヤツがいるからな、温かい気持ちで放置してやれや」

 オレは生温かい気持ちでタケルを諭してやった。

「いや、明らかにベーさんの仕業ですよね!?」

「おいおい、なんでもかんでもオレがした見たいに言うなよな。オレは無害な村人だせ」

 失敬だよ、タケルくん。

「……………」

 もうなんだい、その『うわー』って目は。こんなじゃ──純真なオレに向けるなんて。ぷんぷん!

「───なんて冗談はこのくらいにして、冒険者ギルドに行くか。デンコ、しっかり着いてこいよ」

「はいですだ」

 邪魔な障害物を足でずらし、よっこらせとリヤカーを持って出発する。

 あー、そー言やぁ冒険者ギルドの場所知らねーわ。まあ、街ん中に入ってから聞きゃあイイか。

「ベ、ベーさん、いいんですか、あのままにして?」

「イイんじゃねーの。オレは気にしねーよ」

 人のものを盗むアホが返り討ちされただけ。それだけだ。

「で、でも……」

「まあ、慣れろとは言わねぇし、認めろとも言わねーが、今は強いものが偉くて弱いヤツは食われる時代で、それが当たり前と思われてる。もちろん、イイヤツはいるし、好ましいヤツもいる。だが、それを善しとするヤツは圧倒的に少ねーのが現実だ。腐ってると言うのは簡単さ。でも、それを正すには膨大な時と大多数の意識改革が必要だ。オレはそんなことに自分の時間は使いたくはねー。やるんなら勝手にやれだ」

 邪魔はしねー。ガンバレと応援するよ。

「オレは相手の主義主張を大事にする男だ。騙される方が悪い。盗まれる方が悪い。ああ、イイんじゃねーの。そんな間抜けに優しい時代じゃねーしな。なら、認めてやるよ。その土俵に乗ってやるよ。正々堂々とその理屈で戦ってやるよ。引っ掛かる方が悪い。返り討ちにされる方が悪い。満足だろう? テメーの選んだ主義主張で負けんだからよ」

 なら、遠慮する必要がどこにある。気遣ってやる必要がどこにある。ねーよ。どこにもねーよ。

「と言っても通行の邪魔になるしな、七日もすれば動けるようにしといたさ」

 たかだか体重を三倍にしてやっただけだし、日頃の行いがよけりゃあ誰かが助けてくれんだろう。水だけは飲めるようにしてやったしな。

「まったく、自分の甘さにヘドが出るぜ」

 なんだかんだと言って手心を加えっちまうんだからよ。

「……いや、思いっきり悪い顔してますけど……」

 おっと。そりゃ失礼。悲しい顔悲しい顔っと。

「こんな感じ?」

 タケルに確認してもらったら、なぜか怯えられた。え、なぜに?

「……おれ、清く正しく生きて行きます……」

 あ、うん。イイんじゃねーの。ガンバレ。 











 
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