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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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180 一国一城の主より一部屋の主に

「まずは、土盛りだ」

 ドン! と足で地面を叩くと、幅二十メートル。横十五メートル。高さ三メートルの土が盛り上がった。

「このやり方の一番のイイところは、地下室も創れるところだ」

 地下の土を地上に上げているので、この土盛りの下には空間ができているのだ。

「まあ、このやり方を土盛り工法と呼んでおこう。覚えておけ、デンコ」

「はっ、はいですだ!」

 うむ。素直でよろしい。

「さて。今度は中に取り掛かる訳だが、おっちゃん、なんかリク───じゃなくて、こうしたいって要望はあるか? 例えば店の間取りとか棚はここにあった方がイイとか、なんでもイイぞ。それほど手間は掛からんしな」

 固定させても土を動かすのは簡単であり、足すのも引くのも自由自在だ。

「……そうだなぁ……」

 腕を組んで考えるおっちゃん。まあ、おっちゃんの城だ、よく考えろ。

「……あ、あの、いいだか」

 と、嫁さんが口を開いた。

「うん、なんだい?」

「お、あら、あんたんちみたいな台所が欲しいだよ。同じの、つくってくんねぇだかな?」

「そりゃ構わんが、嫁さんって料理好きだったのか?」

 いやまあ、ドワーフだろうがものを食って生きてるからには料理はするだろうが、料理が好きとか得意と聞かねーな。ドワーフ料理とかもねーしな。

「ああ、好きだよ。まあ、サプルちゃんには敵わんがなぁ」

「あれは別格だ。比べる方が間違ってる。気にするな」

 スーパー幼女に勝つヤツがいたらそれは正真正銘のバケモノだ。人の世界には生きられねーよ。

「まあ、嫁さんの要望はわかった。まったく同じとはいかねーが、貴族の台所にも負けねーもんを創ってやるよ」

 うちは水の流れやサプルの能力に適した造りになっているので、同じく創ったら使い難くなることだろうよ。

 ではと、配置はうちの台所と同じくして釜戸は薪を使用したものや流し台は貯蔵タンクを利用したものにして、調理道具置き場に食器棚、そして結界を利用した大型冷蔵庫を創った。

 まあ、土魔法だけでの創りなので柔らかさはないが、水回りは清潔にしとくのがイイからな、こんなもんだろう。

「すっごくいいだよ!」

 どうやら嫁さん的には満足のよーだな。

「まあ、あとは使ってみて不便なところがあったら言ってくれ。余程の大修正じゃなけりゃ簡単だからよ」

 まるで少女のように瞳をキラキラさせ、外に出たと思ったら直ぐに荷物を持って戻ってきた。

「これはここで、これはこっちだな。あ、サプルちゃんに食材もらってこねぇと」

 うんまあ、嫁さんの要望は完了ってことだな。

「で、おっちゃんは考えが纏まったかい?」

 嫁さんの要望の前に存在が消えていたおっちゃんに尋ねる。

「え、えーと、だ。おら、工房はありきたりで構わねぇだが、自分だけの部屋が欲しいだよ。恥ずかしい話だか、小さい頃から自分だけの部屋に憧れてただよ」

「恥ずかしがることねーさ。一国一城の主になるより一つの部屋を得ることの方が難しいもんさ。妻子がいたら尚更だな」

 暴論に近いが、家なんて女の城だ。男に居場所なんてねー。よくてソファーの上くらいだ。

「わかった。なら、地下がイイな」

 と、玄関にしようとする場所辺りから地下に階段を創って行き、山側の方におっちゃんの部屋を創った。

 広さはだいたい二十畳くらい。端に暖炉。真ん中に囲炉裏。物置棚やちょっとした作業をする場所。あとはおっちゃん色に染めてくれだ。

「す、すげぇだよ!」

 おっちゃんも満足行ったようでなによりだ。

「ここに敷物引いて、この棚には道具とか置きてぇだな。暖炉の前には椅子置いて煙草吸ったらうめーだろうなー」

 なにやら自分の部屋に想像の翼を羽ばたかせているようだが、工房は本当にどうでもイイのか?

 まあ、今は適当に創っておくか。人が増えればいろいろ改造しなくちゃならんのだからな。

「あ、あんちゃん。おらも部屋が欲しいだよ。つくってくれだや」

 と、ドワーフ三兄弟の真ん中、トータと同じ年のガブがねだってきた。

「五才にして自分の部屋が欲しいとかいっぱしの男だな。よし創ってやるよ」

 スーパー幼児なトータだが、まだまだ甘えん坊。まだ一人で寝られないのだ。

 広さ的に十分に広いので、二階に六畳くらいの部屋を四つと物置を創ってやった。

 さすがに一日ではそれが精一杯。また明日だ。

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