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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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18 午後もしっかり働きますか

 昼食が終わり、まったりな時間が流れる。

 昼休憩一時間なんて規則がある訳じゃねーが、うちはだいたい一時間は休むことにしている。

 うちは不穏もなければ不満もない、村一番の仲の好い家族と自負するが、いつでもどこでも笑いやおしゃべりに満ちている訳じゃねー。

 狭い世界(村)で生きてたら話題にあがるのは天気や仕事と言ったみじかなことだ。んなもんを一時間もしゃべれる訳がねーし、聞かされても嫌だ。

 まあ、まったく話題がないねぇ──ってところか、話題には事欠ないくらい頭に詰まっているが、それを話すとサプルもトータも食い付いてきて仕事にならなくなっちまう。

 だから昼の食後はゆっくり休む。まぁ、用があるなら言えくらいの軽い我が家のルールだ。

「あんちゃん、午後からヤップんちに手伝いに行ってきていい?」

 サプルが片付けながら聞いてきた。

「別に構わんが、ヤップんち、なんかあったっけか?」

 三軒(三百メートルは離れているが、田舎感覚では直ぐ近所である)のヤップは、サプルと同じ年の男の子だ。

 うちと同じくおとんが山に木を切りに。オカンは畑と家畜の世話。おじぃは枝籠作り名人。ヤップを先頭に三男二女は家の手伝いと、まあ、平均的な山に住む一家である。

「おばちゃん、そろそろ子供が生まれるからニーのおばぁが手伝ってやれって」

 まぁ、娯楽のない田舎の夜は長い。毎日──か、どうかは知らんが、流れてくるガールズトークからは結構熱く盛り上がっているよーだ。

「おっちゃんもおばちゃんもおさ──いでっ!」

 言葉途中でオカンに殴られた。しかも、薪で。

「オカン、なにすんだよ!」

 丈夫な体とは言え、薪で殴られて喜ぶ趣味はないぞ。

「二人に変なこと吹き込むんじゃないの。まったく、どこで知恵をつけてくるのやら」

 おっと。自分が十才なのを忘れてた。

 学校がある訳じゃねーから性教育なんてもんはないが、経験したヤツが下に教えるっう伝統はある。これは男女関係なくある村社会の伝統だ。

 まぁ、伝統ではあるが、やはり十才でそーゆー話はタブーである。あんだけガールズトークで盛り上がってるクセにな。

「はいはい、申し訳ございませんね」

 親から見たらさぞマセたガキんちょに見えるだろうが、中身は五十も半ば。クソッたれた人生(前世)でもそれなりに経験はあったし、恋の一つや二つはしている。こんなド田舎の性事情など思春期にも劣るものだ──が、新しい人生はなるべく新しい感覚で生きるのが正しい今世である。

「さてと。出掛ける準備でもしますかね。あ、トータ。ゴブリンの確認頼むな。サプル。ないとは思うが、万が一村に入ってきたらしっかりトドメは刺すんだからな」

 小さい頃(いや、今もだけどね)から狼やら猪を捌いてきたサプルに魔物を殺す忌避感はないものの、戦いに関する経験はトータより低い。だから殺るときは二度殺す勢いで殺れと教育しているのだ。

「わかった」

 んじゃ、午後もしっかり働きますか。
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