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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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179 土魔法

「さて。今日はドワーフのおっちゃんの家造りをします」

 と、ドワーフのおっちゃん一家を前にして宣言する。

「え、あ、はあ……」

 なにやら要領を得ない顔だが、そんなにわかり難かったか?

「だから、ここにおっちゃんらが住む家を造るんだよ」

 あんちゃんちの向かいにある、雑木林を指す。

「えーと、ここに、だか?」

「ああ。基本、この山はどこを開墾してイイんだが、広さに応じて薪を納める量が決まる。もちろん、商売人のあんちゃんや職人のおっちゃんらは金を納める。まあ、おっちゃんらの税はオレが払うから別に気にする必要はねーから心配すんな。で、だ。これは決まりじゃねーが、慣例と言うか暗黙の了解と言うか、新参者は山の端に住むってのがある。本当ならうちの横だと保存庫に近くてイイんだが、それだと村の連中と交流がもてなくなる。なんで、おっちゃんも店を持て」

 どーん! と指を突き出す。

 が、やっぱり要領を得ない顔をするおっちゃん一家。なぜだ?

「まあ、イイや。デンコ。ちょっときな」

 突然の名指しにびっくとするデンコ。

「ほ、ほれ、デンコ。師匠の言うこと聞け」

 まだ返事をもらってねーが、ドワーフ一家では決まっているよーだ。

「あーいや、別に師匠とかじゃなく、土魔法を教えるだけだから……あーなんて言えばイイんだ、この場合は……」

 この時代、師弟制度が一般的で先生とか教師は貴族がなるようなもので、平民の世界には適当な言葉がねーんだよな。

「……まあなんだ。弟分ってことで兄貴って呼んでくれや」

 師弟よりはマシだし、十才と七才ではそれが一番しっくりくるだろうよ。

「ま、まあ、あんたがいいのなら。ほれ」

「……は、はい。兄貴、よろしくお願いしますだ……」

 ドワーフに限らず七才(働けると親が判断したらな)ともなれば商家に丁稚奉公に入ったり職人の見習奉公に出たりするのが一般的なので、親もそう教育する───んだが、長男なのにイイのか? まあ、今更だがよ。

「おらには才能がなかっただが、才能ある息子どもにはドワーフとして生きて欲しいだよ」

 ドワーフの人生もいろいろ。オレが口出すことじゃねーが、その腕を一代で潰すには惜しいな。

「じゃあ、おっちゃんも弟子を取れや。その技を後世に残せ。おっちゃんの腕を失なわせるなんて世界に対する冒涜だ」

「……あんたは、変な人だな……」

「おっちゃんの腕を失わせるのを常人と言うならオレは変人でも狂人にでもなってやるよ」

 こんな腕のイイ職人は百年どころか千年に一人の逸材を捨てるなんてアホどころか、金貨をドブに捨てるキ〇ガイの所業だ。話にもならねーわ。

「あんたが言うなら弟子を取ってみるだかな。あ、だが、くるだかな? ドワーフの革職人のところなんぞに」

「心配すんな。人材は確保してある。おっちゃんにはいろいろ作って欲しいからな、弟子つーか、雇い人(従業員って言葉すらねーから困るぜ)を五人くらい連れてくっから能力に合わせて教えてやってくれ」

 おっちゃんの店は必ずデッカくなる。そうなれば店番やら金勘定したりとやることが多岐に分かれる。そうなる前に教育しておかんとな。

「ああ、任せてくれ。あんたに恥ねーもんを沢山作ってやるだよ」

 出会って初めて男の顔を見せたドワーフのおっちゃん。やる気になった男の顔はカッコイイぜ。

「とまあ、それは追い追いとして今は家だ。これがなきゃ始まらんからな」

 デンコを横に立たせ、雑木林を見る。

「イイか、デンコ。お前に教えるのは土魔法であって土魔術じゃねー。まずそこんとこを理解しろ」

「は、はいですだ!」

「とは言ってもオレは誰かに師事───教わったことねーからオレが考えたものだ。異端───いや、普通じゃねー。だが、やればできるものだ。だから疑うな」

 一歩前に出ると、地面に着いたオレの足の周りの草がまるで水面に浮く葉のように左右へと流れて行く。

「これは草が動いてるんじゃなく地面、土を振動させて草を動かしている。想像しろ。土は粒だ。小さな小さな粒だ。ゴーレムも小さな小さな粒が集まりでできていて魔法で動かしている、なんて小難しいことはどうでもイイ。土は動くと疑うな。できないと疑うな。魔法は想像だ。お前の頭の中の想像を形にする力だ。できて当然。やれぬことはない」

 そして、更に一歩踏み出すと、小石や岩が砂となって行く。

「これが土魔法であり、お前に教える力だ!」











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