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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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163 修道院

暑さ疲れでなかなか思い付かないです……。
 ────パニア修道院。

 大精霊サフィールを信仰する尼寺だ。

 まあ、前世(あの世も一応、前世に入ると思う)で神(?)に会い、この世界に神(?)がいることを知っている身としては眉唾ものだが、信仰の自由を歌ってた国の出身者としては勝手にやってちょうだい。おもしろい祭りがあれば参加させてもらうよ的な感覚しかない。

 それに、この時代では人々の心の安らぎであり、冠婚葬祭には必要な宗教でもある。信じないまでも必要なシステムだとは思っている。

 一応、と言うか、規模は小さいが、うちの村にも寺院(教会や神社と言うよりは寺に近いな。墓もあるし)はあるし、じいちゃん司祭と見習いが村の冠婚葬祭を執り行っているよ。

 バリアルの街には、一般の寺院が三つあるが、修道院───尼寺なのはここだけであり、唯一の孤児院を併設しているところでもある。

 前世の尼寺同様、この尼寺も女の駆け込み寺でもあり、ここに逃げ込めば例え王さまでも手出しはできないと言われてる。

 院長さんの内緒の話では、出家した王族の人らもいるとかで手出しできないそーだ。

 まあ、伊達に千年近く信仰されてねーし、国教となってるだけあって面と向かっては逆らえねーだろうよ。

 まず修道院側へと行き、門にある呼び鈴を鳴らす。あ、これオレの作ね。

 しばらくして修道院の扉が開き、若い見習い(黄色いスカーフを首に巻いてるのが見習いだ)僧が出てきた。

「どちらさまでしょうか?」

 オレを知らねーってことは最近入ったのかな?

「オレはべー。院長さんはいるかい?」

「べー、さんですか。院長さまになんのご用でしょう?」

 なにやら不審顔。まあ、知らねーヤツから見たら十才のガキが院長に会わせろとか不審以外なにものでもねーか。

「孤児院に寄付しているもんだ。広場の山創ったり、遊具を創ったり、金出したりな。院長さんから聞いてねーかい。この時期にくるガキのこと?」

 そう言うと、見習いさんが目を大きくさせて中へと引っ込んでしまった。

 なかなかのうっかりさんだ、とかなんとか思いながら待ってると、灰色の修道着(早い話、ローブに院長の証したる赤い布を腰に巻いている)をきた四十うん才の院長さんが出てきた。その後ろには、なんか涙目の見習いさんもいた。

「べーさま、申し訳ありません。見習いが粗そうをしてしまいまして」

 頭を下げる院長さん。相変わらずオレをどこかの貴族の御曹司と勘違いしてんな~。

「用心深くて結構なことじゃねーか。オレは気にしてないよ」

 王さまでも手を出せないとは言え、そんなもの関係ねーとばかりに押し入るバカはいる。それすら知らない世間知らずでは先が思いやられるってもんだ。

「本当に申し訳ありません」

 再度、頭を下げる院長さん。ヤレヤレだ。

「そんで、孤児院は順調かい?」

「はい。お陰さまを持ちまして順調でございます。あ、どうぞ中に」

「これより先は女の最後の救済地だ。入るにはいかんよ。いつもの通りここで構わんさ」

 十才とは言え男は男であり、中には男に酷い目にあった者いる。院長さんが許可してもその境は越えられねーよ。

「……相変わらずですね、べーさまは……」

「男のオレにはそんなことしかできんからな」

 男はそっと見守るもの。見返りなんて求めんな、だ。

 ……まあ、打算はありますがね……。

「べーさまのような───いえ、べーさまがいてくれることに感謝を」

 オレが誰かと一緒くたにされんのが嫌いなことを思い出したのか、慌てて言い直す院長さん。そー言やぁ、院長さんにも怒鳴ったっけな。

「感謝に感謝を」

 素直に感謝を受け入れ、その心に感謝した。

「……ふふ。感謝の精神ですね。神の教えに匹敵する心のありようです」

 神の教えだろうと心のありようだろうと、人は一人では生きられねーって言葉を痛感したら自然と感謝の気持ちが湧いてくるもんさ。

 院長さんの言葉にオレは肩を竦めるだけで止めた。

「あ、でも、重要な話があっから孤児院に通してもらえるか?」

「はい。わかりました。サーダ。ハリワに言ってお茶を用意させて」

「あ、できれば昼食頼むわ。買い物に夢中になって食い忘れっちまったんだよ」

 お構いなくと言ったところでお構いされるのがいつものパターン。なら、最初から要求しておく方があちらもこちらも気が楽ってもんだろう。

「はい。なら食堂にご用意させますね」

「ああ、頼むわ」

 一度、院長さんらと別れ、修道院の裏にある孤児院へと回った。








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