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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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16 魔法超便利

主人公、十才ながら顔が広い。
 そんな訳でマン〇ムタイム。

 は? なに言っての? との突っ込みはノーサンキュー。

 内職も飽きたので我が故郷を眺めながらコーヒー(モドキ)を堪能しているだけだ。

 就労時間もなければ嫌な上司もいない。好きなときに働き好きなだけ働く。スローライフバンザイである。

 春の陽気と暖かな風。十分寝たのに眠気が襲ってくる。

 このまま寝てしまおうかと意識を手放そうとしたとき、サプルが声を挙げた。

「あんちゃん、渡り竜だ!」

 あん? と寝ぼけ眼で空を見ると、七匹の竜がV型編隊を組んでこちらに向かってくるのが見えた。

 大自然の中で育ったからなのか、それともこの体のせいか、視力がマサイ族並みに良いのだよ。

「……そーいやぁそんな時期だったっけなぁ~……」

 南の大陸から春になると渡ってくる竜は、見た目は肉食型のカッコいい姿なのに水草や木の葉を主食とする草食竜で、暑いのが苦手と言う謎の生き物だ。

 ここから北に二百キロくらい行った場所に向こう側が見えないくらいデカい湖で夏場(ここら辺は最高に暑くなっても三十度ぐらいだ)を過ごし、秋の半ばくらいに南の大陸に帰って行くのだ。

 渡り竜の編隊が徐々にこちらに近づいてくる。

 もう少しでこの上を通過しようとしたとき、一匹だけ編隊から抜け、こちらへと向けて降下してきた。

 トータはまだ口を開けて驚いて見ているが、サプルは四才から見ている光景なので久しぶりの友人が訪ねてきたかのような喜びの顔で降りてくるのを見ていた。

 翼を広げ風を受けながらゆっくりと、なんとも器用に着地した。

「クルルルっ」

 ちょっとした戦闘機並みの体から出るとは思えないくらい可愛く鳴く渡り竜である。

「久しぶりだな、ルクク」

 命名はオレではない。こいつの半飼い主が付けたのだ。

 イルカより頭が良いのでオレの言っていることを理解しているので、久しぶりぃ~元気してたぁ? って感じで首を上下に振った。

「ああ、元気だよ。ラーシュも元気にしてるか?」

 その質問に、ルククが背を見せた。

 そこには大きな、人二人は余裕で入りそうな革の鞄を背負っていた。

「元気のようだな。……にしても、年々増えてくな」

 背負っている革の鞄を下ろしてやる。

「力強いとは言え、よくこんな重いもの運んできたな。大丈夫なのか?」

 五トンのものを持てるからって重さを感じない訳ではない。卵だろうと岩だろうと持っている感覚はあるんだよ。

「クル~! クル~!」

 大丈夫のようだ。なら、帰るときは同じくらい量を持たしてやろう。

「ありがとな。嬉しいよ」

 大人を丸飲みできそうな口を開き、オレを甘噛みしてじゃれてくる。

「ほら、いつまでも遊んでたら仲間たちに置いて行かれるぞ。ゆっくり休んだら遊びにこい」

 クル~クル~と寂しそうに鳴くが、群れで行動する生き物。集団行動ができない個体は群れからハブられる。可哀想だが、群れに返させる。

 ほらと、体を押してやり、結界で無理矢理空へと誘ってやった。

「またな、ルクク!」

 二度、上空を旋回し、仲間たちと湖の方へ飛んで行くルククに挨拶を送った。

 視界から消えるまで見送り、ため息一つ吐いて、革の鞄に目を向けた。

 ルククより革の鞄の方に興味がある二人が一生懸命鞄を開けようとしていた。

「お前らがっつきすぎだ」

 長い空の旅をする渡り竜の背に背負わせるくらいの鞄だ、ちょっとやそっとの力では開封できない。二人を退かし、大人でも一苦労しそうな止め金を外して行く。

「今回もいろいろ贈ってきたもんだな」

 出てくるものに苦笑してしまう。

 ラーシュは南の大陸の王子様。そして、文通友達だ。

 なぜそんな王子様と文通をしているかと言うと、瓶に手紙を詰めて海に流すと言うロマンチックを渡り竜でやった王子様。なんの奇跡かオレの手に。文字はよくわからんから木板に絵で届いたことを描き、友好の印にこちらに生息する魔物や獣のフィギュアを付けてルククに取り付けて(結界で)て返してやった。

 それから毎年、手紙(大国らしく、こちらの言葉を知る人がいるんだと)をやりとりしている訳だ。まあ、お土産の方が圧倒的に占めているがな。

「あ、香辛料がいっぱいある~!」

「この黄色いの、果物かな?」

 出てくる南国のものに驚いたり首を捻ったりするガキんちょども。

 オレも家に届いたお歳暮をあんな風に開けていたっけなぁ~と思い出しながら手紙の入った木箱を取り上げ、中を開いた。

 あちらでは紙が普及(質は良くないがな)しているようで、木箱の中は手紙で溢れていた。まあ、それは毎年のことなので気にもしないが、今回は中に布に包まれたものが入っていた。

 包みを外すと黒ぶち眼鏡が出てきた。

「……この世界、眼鏡なんてあったんだ……」

 驚きながらも眼鏡を掛ける。なんなのかは想像できたので心配はない。

 これと言って変化はない。辺りを見回し、手紙へと目を向けると、インクで書かれた文字が読めた。

 いや、当たり前だろう、と怒らないで欲しい。書かれている文字はあちらの国の文字。それが読めたと言うことである。

 正式名称は知らんが、自動翻訳語眼鏡ってことだ。

 とある海の戦士から自動翻訳首輪をもらったことがあるから想像できたのだ。

「魔法超便利」

 今世のオレの座右の銘は『考えるな、感じろ』である。

 だって、この世界、考えたら負けなことが結構あるんだもん!  





思い付きで書いてると、思わぬ発想か出てくることがある。
上手く書けるかは別として……。
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