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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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151 モコモコ再び

 家に帰ってくると、あんちゃんちの前───つーか、あんちゃんの店の前が大混雑していた。

「……モコモコがいっぱいだな……」

 以前、伐り場で見たモコモコ族(この世界、いろんな獣人がいっから種族名がわからないなんてことよくあるんだよ)だろうが、いっぱいいんな。まるで一族総出できたよーだぜ。

 まあ、店が繁盛してなによりと、深くは考えずに家へと入る───と、屍が転がっていた。なので踏んづけて乗り越えた。

「───ふぎゃ!」

 なにか聞こえたが気のせいだろうと、構わず家へと上がり、いつもの席に座った。

「───酷いですよ、べーさん!」

 屍が起き上がり憤慨した。

「いや、オレの屍を越えて行けゴッコでもやってると思って、付き合ってやったんだがな」

「そんな殺伐とした遊びなんてある訳ないでしょうがっ!」

「そうか? オレの子供の頃は大流行したんだがな」

 まあ、前世での話だがよ。

「……それ、どんな遊びですか……」

「ダルマさんが転んだの進化系だな。最初は普通のだったんだが、クラス対抗で勝負して行くうちに鬼の視界を防いだり、相手クラスの妨害したりと戦術が高度になってってな、どっかの誰かが『オレの屍を越えて行け!』って叫んだことからうちの学区ではダルマさんが転んだはオレの屍を越えて行けゴッコになったんだよ」

 屍職は名誉職で、鬼に近い位置でやるヤツが勇者だったものだ。

「……マジですか……?」

「まあ、地方や時代に寄って遊び方は変わるもんさ」

 派遣社員なんてしてるといろんなところのヤツとしゃべるからな、いろんな遊びがあるもんだと感心したものだ。

「サプル。オカンにはタケルのこと言ったか?」

 あれだけはしゃいだのに、いつものように台所に立ち、疲れなど微塵も見せずに夕食を作っているサプルちゃん。あんたはエライ。

「うん。ゆっくりしてきなだってさ」

 我がオカンながらその心の広さには感服するよ、まったく……。

「ほれ。そんなところにいねーで上がれ。それとも風呂にでも入るか?」

「……風呂、あるんですか……?」

「あるよ。まあ、うちだけだがな」

「それ、なんの転生物語?」

「意味不明なこと言ってねーで、風呂に入ってさっぱりしてこい。あ、トータ。こいつを風呂に連れてってくれ」

 オレらがいないときは風呂を沸かすのはトータの仕事であり、だいたい五時頃に沸かすのだ。

「あんちゃん、こっち」

 少々人見知りなところがあるトータだが、タケルは大丈夫なようで無表情で風呂へと連れて行った。

 ……トータ、家族以外にはなかなか近づかねーし、きたら逃げるからな……。

 さて。夕食まで時間はあるし、ラビーの皮でも剥くか。

 入れ物を二つと風呂敷、そして愛用のナイフを用意し、片方には今日採ってきたラビーを入れ、風呂敷にはラビーの皮を。もう一つの入れ物には剥いたものを入れて行く。

 今世も料理が不得意なオレではあるが、野菜や果物の皮を剥くのは大得意だ。

 胡桃くらいのラビーの皮を一個三秒も掛からず剥いてしまう。なんもんで入れ物は直ぐにいっぱいになる。

 それはまず結界で時間凍結。食べるようにするには後日時間があるときにする。今は皮剥きだ。

 入れ物が四つ目になり、半分くらい溜まった頃、オカンが帰ってきた。

「お帰り、オカン。遅かったな」

 今日は隣んちで毛長山羊の切った毛を洗うとか言ってたが、こんな時間まで掛かる仕事ではないはずだ。

「ああ。サリーさんとこの子が北の山でルコの実がなっているのを見つけてね、明日採りに行こうかと女衆で話してたんだよ」

「もうかよ。早くねーか?」

 いつもならあと六日か七日先ぐらいが採り時。ほんらいならまだ熟してねーぞ。

「あたしらも信じられなかったんだけど、籠いっぱいのルコの実を見たら信じない訳にはいかないよ。だから急きょ、明日に採りに行こうとなってね、準備だなんだで遅くなっちまったんだよ」

 まあ、自然相手のことだし、たまにはこう言うこともあるんだろう。ならねーよりはマシか。

「そーか。じゃあ、明日は一人で行くか」

 明日はバリアルの街に買い出しに行こうと思ったんだが、ルコの実採りはサプルも参加する。一人ぐらいはイイだろうとなんねーのがド田舎ライフ。こーゆーイベントは半強制であり義務であり、そして、お祭りである。それができてこの村の一員として認められるのだ。

「あ、そうそう。アバールさんがきてくれって言ってたよ」

 アバールって誰だっけ? なんて一瞬思ったのは内緒。ラビーの皮剥きの手を止め、首を傾げた。

「手伝いが欲しいのか?」

「さあね? でも、必死にお願いしてたから直ぐに行ってやりな」

 だったら先に言えよと思ってたらオカンの息子はやって行けない。ごーいんぐまいうぇ~いな人と付き合うにはこちらもごーいんぐまいうぇ~いにならなければならんのだ。でなきゃ、ストレスで胃に穴が開くぞ。

「しゃーねーな。これもご近所付き合い。行ってやるか」

 助け助けられるのもド田舎ライフだしな。
べーくんが忙し過ぎて、なにから書いてけばよいのやら。王都にも行かなくちゃならないのに……。
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