挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

112/988

112 大志を抱け

仕事が、と言うよりは通勤でしんどい。
疲れてなんも思い付かないです……。
「おう、早かったな」

 我が家に帰ってくると、行商人のあんちゃんが出迎えてくれた。

「ああ。話のわかる村長で助かったよ」

「随分とややっこしいことになってるみたいだな」

「まーな」

 肩を竦め、リファエルを牧草地へと放した。

「結構ヤバいのか?」

 あんちゃんは、オレの力を知ってるし、魔物を余裕で狩っているのも知ってる。なんで、オレが苦労してるのを見て相当深刻と感じたよーだ。

「うんまあ、その話は後でな。それより昼食にしよーや」

 あんちゃんを連れて家へと入る。

「ただいま~」

「あ、おかえり、あんちゃん」

「おかえり、ベー」

「おかえりない」

 と、厨房からサプル、オカン、あんちゃんの嫁さんが帰りを迎えてくれた。

「三人してなにしてんだ?」

 テーブルを見ればもう昼食は並べてあるが。

「ねーちゃんに調理器具の扱いを教えてるの」

 まあ、うちの調理器具は特別だからな、知らねーヤツには意味不明だろうよ。

「おもしろいわね、ベーくんの家は。調節可能な火起こし器なんて初めて見たわ!」

 嬉々とするあんちゃんの嫁さん。貴族の出とは思えんくらいのはっちゃけ具合だ。

「試行錯誤の結果だな」

「アバールには聞いてはいたけど、本当に難しい言葉を知ってるのね」

「本を読んでりゃあ、イヤでも覚えるさ」

 ちゃんと試行錯誤って言葉はあったからな。

 家へと上がり、いつもの席に着く。

「まあ、昼にしようや。ん? あんちゃんの弟はどうした?」

 ついでに我が弟もいねーが?

「お前からもらったもんをバックスに渡したからな、今、慣らしてんだよ。トータには護衛を頼んだんだよ」

「ふ~ん。そりゃまたなんで?」

 あんちゃんにやったもんは基本、誰にでも使えるようにしてあるし、あんちゃんのものだ。どうしようがあんちゃんの勝手だが、アレがなけりゃあ、行商が大変だろう。

「行商人は引退。バックスに引き継いだ」

 はあ?

「まあ、その話も後でな。取り合えずサプルの料理を食おうや。サラニラも楽しみにしてたからよ」

「だな。サプルの料理を食うのが生きる楽しみの一つ。他は後だ」

 皆がそれぞれの席に着き、オレの音頭で食い始める。

「って、今更だが、ねーちゃん。食えねーもんがあるなら遠慮なく言えよ。環境や体質で食えねーもんがあるからな」

 まだアレルギーなんてもんがカケラも出でこねー時代だが、体質で食えねーもんがあるのは薬師の間では常識だ。

「本当にベーくんは知識が豊富ね。でも、大丈夫よ。食い狂いはないから」

「ねーちゃん、薬師なのか?」

 食い狂いって言葉は、薬学語だぞ。

「いいえ。わたしは医者よ」

 はあ?

「マジで女医さんだったのかよっ!?」

 見た目まんまだったから叫んだが、本当に女医さんだったとは、マジスゲーな、オレ。いや、こーゆー見た目の人は女医になるよいに決ってんのか?

「あんちゃん、ジョイって、なに?」

「女の医者を女医って言うんだよ。つーか、今の時代で女が医者になるって、スゲー覚悟してんな。マジ尊敬するわ」

 男社会で女が台頭するには苦難でしかねー。並みの精神ではやってけねーよ。

「……ベーくんは、女がとは言わないのね……」

「男とか女とか言ってる時点で成長の停滞だな。前を見ねーヤツは置いて行かれる。時代の落伍者。人よ、常に大志を抱けだ」

 まあ、ド田舎でスローライフを目指してるオレが言っても説得力はねーがな。

「ふふ。やっぱりきて良かったわ。ここなら真っ直ぐ医者を目指せそうだわ」

 スゲーイイ笑顔を見せるあんちゃんの嫁さん。

「それも後でか?」

「あ、ああ。それも後でだな……」

 まあ、今は昼食を美味しく頂きますか。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ