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村人転生~最強のスローライフ 作者:タカハシあん
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108/992

108 村長宅

 集落までくると、あちらこちらに女衆が集まっておしゃべりしていた。

「毎回のことながらスゲーもんだ」

 村の女衆が一斉に集まるところは何度も見てるが、この買い物へ向かう前の活気と言うか、興奮と言おうか、体から放たれる熱に圧されてしまうぜ。

「そりゃそーよ。今回は量が違うもの」

「ほーん」

 あんちゃんの弟、相当な量を持ってきたみてーだな。まあ、今回は二台分だから持ってこれたんだろうがよ。

「でも、なんでおしゃべりしてんだ?」

 雑貨屋に開店時間なんて決まってねー。客がきたら開店がド田舎ルールだ。

「人数か人数だからね、広場でやるんで用意してるのよ」

 なるへそ。そりゃそーか。

「それに、順番にしたら後の人から不満が出るしね」

 言われてみれば確かにそうだ。おばちゃん、考えたな。

 広場にくると、おばちゃんら雑貨屋総出で服やら布やらを並べていた。

「おう、おばちゃん。精が出るな」

「あ、ベーかい。あんたも買い物かい?」

「いや、村長に話があってきたんだよ。しかし、スゲー量だな。おばちゃんが依頼したのか?」

「ああ。そうなんだけどね、まさかこんなに持ってきてくれるとは思わんかったけどさ」

「あんちゃんの弟とは話したのかい?」

「ああ、話したよ。次からくるそうでよろしくってさ。朝、あんたんちに行ったんだが、会わなかったのい?」

「いや、会ったよ。ただ、下りてくる用があったからな、挨拶しかしてやねーだよ」

「そうなのかい。まあ、今日はあんたんちに泊まんだろうからそんときに話せばいいさね」

 なんて世間話をちょこっとしてその場から離れた。女衆の熱に巻き込まれたくもねーからな。

「ベーは見ていかないの? イイのなくなっちゃうよ」

「その辺はトアラに任せるよ。金はオレの名で付けといてもらってくれ」

 物々交換(払い)もありなので、付けてもらってあとでおばちゃんの欲しいものと交換するのだ。

「わかった。イイの選んどくね」

 エエ笑顔のトアラに「頼むよ」と言って村長宅へと向かった。

 うちのボブラ村の村長は、開拓時代から続く歴史があり、代々村長を輩出している。いわば、格式ある家であり、唯一姓を持つ豪農な一族である。

 なので家も屋敷に近く、集落の三分の一は村長の土地になっている。

 魔物襲来に備えて村長宅は塀に囲まれ、石造りの門があり、屋敷までは結構な距離がある。

 貴族がきた場合の離れに馬小屋、分家の家やらがあり、ド田舎にしてはイイ感じに配置され、小綺麗な造りになっている。

「ちわー。村長いるかい?」

 庭掃除してある使用人のおっちゃんに声を掛ける。

「おー。ベーか。家におるよ」

「あいよー」

 開け放たれた扉を潜り、玄関(作業場)に入ると、村長のとーちゃん───前村長とひ孫のラサ(六才)が籠作りをしていた。

 豪農とは言え、暮らしに余裕はねー。動けるなら働けがド田舎の美徳だ。

「おう、邪魔するよ」

「おう、ベーか。どうしたい?」

「村長に話があってな。いるかい?」

「今畑に行っとるよ。ラサ。ザダに言って呼んでこい」

 わかったと言ってラサが駆け出して行った。

「まあ、上がれや。ばーさん。茶を頼むよ」

 奥から出てきたばーちゃん(前村長の嫁)に茶を出すように言った。

「おや、ベーかい。いらっしゃい」

「邪魔してるよ」

 挨拶を返し、暖炉の前に置かれてるテーブル席に座った。

「コーヒーでいいかい?」

 村長もコーヒー派なのでばーちゃんも淹れられるのだ。

「ああ、頼むよ」

 勝手知ったる他人の我が家じゃねーが、まあ、よくくるので村長がくるまでゆっくりさせてもらった。









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