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NAISEIの欠点

 NAISEIによって、貧乏ではなくなった男爵領。

 だが、このNAISEIは重大な欠点が隠されているのである。

 その欠点とは、作者にとって話が広がらないという事である。


 借金のある貧乏男爵領を継いで、NAISEIによって借金も返し貧乏の二文字も返上した。

 そして、自城の執務室から領地を眺めてふっと一息ついた時に思うのだ。


「する事、無くなっちゃったな」


と。

 まるで住宅ローン返済のために汗水たらして働いて、家族サービスすらあまりしなかった父親みたいな主人公だが、こうなっては話が盛り上がらないことこの上ない。

 本来の日常とはそういうものだし、そのまま執務室から領民を眺めて穏やかに年をとって息子に領地を渡すENDもありといえばありだ。

 だが、読者は、作者は、主人公に非日常を歩んで欲しくて物語を作っているのだから、このままで終われる訳がない。

 つまり、日常に落ち着こうとする主人公を非日常の側に持って行かないといけないのだ。


 それは、戦争だったり、権力闘争だったり、災害だったり、モンスターだったりする。

 そして、そういう場面において、NAISEIというのは大事な資金面を支える脇役にはなれるが、主役にはなれないのだ。

 多くのなろう作家が内政ものを書いて筆を詰まらせるのはここだと私は勝手に思っている。

 内政というのは、最初のテーマとしては十二分に輝くが、最後まで引っ張れるテーマではないのだ。

 だからこそ、冒頭に述べたように、何を買うかを決めろと言ったのである。


 奴隷を買ってハーレムエンドもありだ。

 優れた武器防具を買ってモンスター討伐なんて男の浪漫だ。

 陰謀に巻き込まれたのも工作によって大逆転なんて見ていてすかっとする。

 執務室から眺め続けた窓の外が貧相な畑から国有数の大都市に変貌するのも歴史浪漫に違いない。

 稼いだ資金をすべてつぎ込んで戦争に参加し、大陸の英雄として名をはせるなんてのもありだろう。

 強力なライバル、魅力的なヒロイン、万の味方と敵が君を待っている。


 これらをする為の下準備。

 それこそがNAISEIなのだ。

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