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マザーオブパール【真珠の貝殻】

作者:藤藤キハチ
Dear,伊那
読みたいと言ってくれたので形にすることができました。
感謝と、愛を込めて。
そして今このページを開いてくれているあなたにも感謝を。
楽しんでいただければ幸いです。
◆◆◆◆◆

ここは、男が女を求める町
そして、女が美を求める町

◆◆◆◆◆




 煉瓦色の石畳が夕日に照らされていっそう色濃く鮮やかに見える。空模様で色を変える海は、今はオレンジ色を映して黄金色に輝いていた。波止場には何隻もの帆船が停泊している。穏やかな海上には小さくぽつり、ぽつりと船の影が見えた。
 町には今日も変わらず夜がやってくる。眠らない町のあちこちから聞こえてくるアコーディオンの陽気な音と、調子っぱずれな歌声が重なる。男たちの弾けるような笑い声。それに混ざって甲高い嬌声が響く。
 夕日が目に染みて店先に灯っている明かりが滲んだ。人いきれが邪魔だった。嗅ぎ慣れた酒の臭いも、煙草の煙も。目抜き通りを駆け抜け小路に入る。狭い石段を上る頃には喧騒は遥か彼方に遠のいていた。この島で一番空に近い場所には、古びた鐘楼が時刻を告げることもなく佇んでいる。小高い丘に新しく鐘が造られてからは、大人が来ない格好の遊び場だった。
 水平線に太陽が沈む。あっという間に夕闇が町を包み込み、ランプの灯りが幻想的に町を飾る。崩れた鐘楼の隣から見下ろす町は、おもちゃのブロックで作った小さな箱庭のようだった。吹き抜けた風が頬を撫でる。目頭が熱いのは潮風がしみたせいだ。薄く開いた唇からは言葉にならない声が漏れた。
 そういえば、名前すら聞いていなかった。
「海賊なんか、だいっきらい」
 喧しいし、酒臭いし、荒くれ者で、姉たちをしょっちゅう困らせて、その上、あの子を連れ去ってしまった。いじめられても決して涙を見せなかったあの子だけど、今頃、船の上で泣いているかもしれない。どの船に乗っているのかわかれば、助けにいくのに。
 いつもみたいに。
「返してよ! あの子を、返して」
 聞く者もいなければ、答える者も誰一人としていない。強くなってきた潮風だけが町の音を運んで通り過ぎていく。
『クイーンパールになって。そうしたら、どこにいても見つけるから』
 静かな、しかし芯のある声が耳朶に蘇る。最後に会った日にそう言ったのは、別れを知っていたからだったのだろうか。
「なるわ」
 ぐすっと鼻をすすった。
「必ず、クイーンパールになってみせる」
 白々とした月が浮かぶ空に背を向ける。もう涙は止まっていた。




 潮風にあおられた髪を押さえ忌々しげに目を細めた。結ってこなかったことをひどく後悔した。とにかくこしのない柔らかすぎる髪はすぐに絡まる。肩にかかったくすんだ色の赤毛を払った。
 夕暮れ時で波止場近くの酒場には客が入り始めていた。いかにも身なりの整った者から荒くれ者まで様々だ。普段は追う立場と追われる立場で相容れない彼らだが、ここでは話は別だ。酔っ払い同士の小さな喧嘩はしょっちゅうあれど、よっぽどの事情を除き――大人の事情というやつか――戦闘をしてはならない。
 サンゴ礁の中にぽつりと浮かぶ小さな島、マザーオブパール【真珠の貝殻】は酒と色の島だ。海の男たちが快楽を求め、いっとき海を忘れる場所。そして、女たちが美しさを競う場所。
 どの国にも属さず法もないが、いくつかの決まり事があり、そのどれもが島の平穏を保つためのものだ。戦闘禁止や、島の半径100マイルで拿捕(だほ)の禁止等。よって、どんなに海を荒らす大海賊でも島周辺で捕まることはない。
 ……そんなふうに御大層に平穏などという言葉を掲げているが、本音は単純に楽しみたいだけなのではないだろうかと勘繰ってしまう。
「だって、どいつもこいつも鼻の下が伸びてるわ」
 ルーは独りごち、酒の臭いに顔を歪めた。そのとき横から思わぬ衝撃を受け、手にしていたカゴからリンゴが転げ落ちる。
「おお、悪いな子猫ちゃん」
 誰が子猫よ。
 呂律の回らないほど酔いつぶれた男を見上げた。身なりからして下級海軍だろう。二人で真っ赤な顔をして肩を組んでいる。酔っ払いに絡まれるとロクなことにならない。リンゴを回収してさっさとこの場を離れたい。スカートの端をつまみ、脚を折ってお辞儀をした。
「失礼しました。無礼をお許しください」
「どこの娘だ。店は近いのか」
 伸びてきた手が腕を掴み上げた。
「まだ見習いですので」
「そうつれなくすんなよ。可愛がってやろうって言ってんじゃねえか」
 出直してきなさいこの酔っ払い、とは口が裂けても言えない。逆なですれば面倒なことになるし、大人しく、やんわりと、丁重にお断りするのが一番だと姉たちに言い含められている。
 掴まれた腕を引かれ、距離が近くなった。酒臭い吐息が顔にかかって息を止める。耳元で男は囁いた。
「なんならここで脱がせたっていいんだぜ」
「だったらあんた一人でハダカ祭でもしたら?!」
 無意識に手を払いのけ、一拍置いて空気が凍った。怒気を肌で感じる。
「なんだと…っ」
 いきり立った男の顔面にカゴに入っていた瓶を打ち付けた。嫌な音と共に奇妙な呻き声を上げて、どうっと後ろに倒れ込む。白目を剥いているので完全に気絶している。もう一人が相方の末路に驚いたのは一瞬で、すぐにこちらに向かってきた。
「この! こむす、ぶへぇっ」
 今度は思い切りリンゴをばらまいた。男は足下がおぼつかないせいか尻餅をつき、ひっくり返った虫みたいになっている。逃げ出す娘と軍人の騒ぎにようやく気付いた人々の視線が集まる。けれど制止に入るものはおらず、背後から「あいつを捕まえろ」という悲鳴じみたヒステリックな声が追いかけて来た。これではどちらが悪者だがわかったものではない。スカートの裾が足に纏わりつき、半ばたくし上げるようにして持ち上げた。
 お使い用のリンゴだったのに、駄目にしてしまった。
 直情的で不器用で、お使い一つこなせない。姉には、もっとあしらい方を学んだ方があなたのためと言われるが、じゃじゃ馬なのは性格だ。自分なりに努力はしたけれど、うまく立ち回れるようになれたかというとそうでもない。
 飛び込んだ路地は細く、人ひとりが通れる幅しかない。小柄だから難なく滑り込めたが男性には少々手狭だ。これでどうにか撒けているといい。やがて、煤けて薄暗い裏路地の終わりが見えてきた。通りに飛び出すと、酒と、食べ物の脂の香りが鼻先をかすめる。路地を振り返るが、誰かが追いかけて来るような気配はなかった。
 ほっとすると同時に腕を引っ張られる。
「どこの娘だ? ん?」
 ひげを蓄えた壮年の男性は、白を基調とした軍服をまるで手本のようにきっちりと纏っている。しかし、どこか好色そうな雰囲気はお堅い軍服でも隠しきれていない。身を引けばそれ以上に詰めてきて、さりげない仕草で腰に手を回した。
「離して、客引きじゃありません」
「閣下、時間が迫っています」
 すけべえジジイの側に控えていた生真面目そうな男性は、眼鏡のブリッジを押し上げて無機質に呼びかける。制止を受け、まるで虫の羽音とでも言うようにやかましそうに顔を歪めた。
「硬いこと言うな。遅れたからといって支障があるわけでもなかろう。ささ、どこの店だ」
「離してください。違います!」
 なんなの今日は、厄日だわ。
「失礼」
 そのとき、聞き慣れない声が割って入った。強引に肩を引き寄せられ、背中に体温を感じた。緊張で背筋が固まる。これは助けに入ってくれたと受け取っていいのだろうか。しかし、まだ客を取れない身なので顔見知りは多くない。姉の客をひとり、ふたりと思い出してみるが、どの人の声とも異なっていた。着古した柔らかな衣服からは香水や脂粉の匂いではなく、潮の香りと――なぜか、少しだけ懐かしい匂いがした。
「その娘はわしが先だ」
 すけべえジジイは横から現れた男に不愉快さを隠さず、寄越せとばかりの勢いで迫る。荒い鼻息が聞こえてきそうだ。
「少しの間だからと一人にしたのが間違いでした。行こう」
 対して男は、まるで見知った仲とでもいうような口ぶりだった。さも当たり前という素振りで肩を抱いたままその場から離れる。足がうまく動かなかったため、エスコートというよりは強制的と言った方が正しい。
「振り返るな」
 彼は半ば抱きかかえるようにして背中を押しながら鋭く囁いた。返事をしようにも、声が喉に張り付いてしまって出てこない。代わりにぎくしゃくと頷いた。先の置屋の角を曲がり、さらに小路に入るとようやく解放される。距離を取り、失礼とわかっていながらまじまじと男を見やった。
 日に焼けた肌に金色の髪がよく映える。着古したシャツにベスト、腰には目立つ赤い飾り帯。(カトラス)と、肩帯(けんたい)には二丁の(ピストル)。身なりで海賊だとわかるが、見知らぬ男だ。助けられる覚えはない。
 彼は意地悪そうににやりと笑った。
「色情卿に捕まるなんて運が悪いな、ルー」
「……どちら様ですか」
 彼は目を見開いた。吸い込まれそうな青い瞳。海の色だ。
「忘れた? 俺だよ、サンディ!」
「ああ、サンディ。あの海賊の……ええっ?! サンディ? あの小さかった?!」
「そこまで小さくない」
 どうやら身ぶり手ぶりに不満があったようだ。随分と前に会ったきりだが、もっとずっと小さかった。仰け反らないと目が合わないぐらいになるなんて反則だ。
「見違えたわ、アレクサンドラ」
「ア・レ・ク・サ・ン・ド・ル!」
 彼は語尾を強調した。本当の名はアレクサンドラだが、それは女性に付ける名前だ。何を間違えたか女性名を付けられてしまった彼は、そのことをひどく気にしているため、アレクサンドルと名乗っている。もっとも、当事者以外には些末な事柄だ。
 生意気な年下の男の子。名前をからかうたびに不機嫌になるのは今も変わっていない。海賊は嫌いとはいえ年が近かったためよく一緒に遊んだ。その頃はまだ、少年だか少女だかわからないぐらいに手足も華奢で、髪を伸ばせば女の子のようだと姉たちに笑われていた。
「何があってそんなに大きくなったのよ」
「知るか。ルーこそ変わんないな、すぐわかった」
「どうせ変わらないわよ」
「なに怒ってんだよ。戻るところなら送ってくよ。ママ・ヴィヴや姉さんたちは元気?」
 何気なく問う声は明るい。しかし、逆にルーの気持ちは沈んでしまった。
「……戻りたくない」
 うつむいていたから彼が動いたことに気付くのが遅れた。抱え上げられ肩に担がれている状況を把握したときには、もう歩き始めていた。
「ちょっと! なんなの」
 担いででも戻らせるつもりなのかと思ったが、すぐに帰路を外れた。首を巡らせても風に揺れる金髪しか見えない。一体全体どういうつもりなのか。それにしてもこの恰好はひどい。まるで積み荷のようだ。
 なにも担がなくてもいいじゃない。
 手触りの良い天鵞絨(ビロード)のような髪も日に焼けた肌も変わらないけれど、こんなに肩幅のしっかりしたサンディは知らない。積み荷だって袋一つ持てればマシな方で、ひょろ長くて頼りない体つきだった。数年の間に別人になってしまった幼馴染を目の当たりにし、複雑な気持ちが胸に広がる。
「どうせあたしは痩せっぽちのチビのままよ。赤毛はくすんでるしさらさらでもないし、そばかすだらけで美人じゃない。あんたみたいに美人だったらよかったのに。そうしたらクイーンパールにだって…」
 最後の方は口の中でごにょごにょと口ごもる。独り言と判断されたのか反応はなかった。息をついて顔を上げると、見慣れた視線よりずっとずっと高いところから見る町は知らない場所に見えた。
 真っ赤な夕日が空を染め上げ、千切れ雲もまるで暖炉の火にかざしたかのように茜色に色づいている。空の気分で色彩を変える海は真紅だ。赤々とした夕日と宵闇がないまぜになる。グラスに並々と注いだ葡萄酒から向こう側を覗いたみたいで、世界が葡萄酒色に染まる。
 この町は、この時間が一番きれいだ。
「この町は夕暮れ時がいい。いつ見ても夕日が綺麗だ」
 同じことを感じていたとは思わず、言葉を失った。古びた鐘楼の佇む高台までやってきて柔らかな草地に下ろされる。
「でも、船から見る空の色だって負けてない。特に朝焼け。お前の、髪の色だ」
「は?」
「痩せてチビだから何? そばかすだって、あって何が悪いんだよ」
 予想だにしなかった言葉がサンディの口から出てきたことでぽかんとしてしまう。くすんだ赤い髪を朝焼けに例えるなんてどうかしている。そんなことは誰も言ったことがない。変な色だと言われたことはあるけれど、間違っても美しいなどと称されたことはない。
 今日のサンディは変だ。別人なのかと思わせるぐらいには頭がおかしい。
「もしかして熱でもあるの?」
 額にあてた手のひらからは、特に異常は感じられない。
「それか、何か変な物でも食べたんでしょう?! 駄目よ拾い食いなんかしちゃ」
「俺は野良犬か」
 呆れ返ったような溜め息の後、青い瞳を真っ直ぐに向けた。
「ルー。クイーンパールになるんじゃなかったのか」
 高級遊女(クイーンパール)、それは遊女(パール)の中でも特に優れた者にだけ与えられる称号だ。容姿はもちろん教養も兼ね備え、時には一国の政治さえも左右するほど影響力のある存在。美しく完璧、誰もに賞賛され、手に入れたいと思わせる女性。まさに真珠たちの女王。幼い頃、『クイーンパールになってみせる』というのが口癖だった。それは仲の良かったあの子と約束したから。でも。
「あたし……あたしがなれっこないわ。どうせ」
 羨ましがられる美貌も、あっと言わせるような頭の良さもない。胸だっていつまでたってもぺったんこで、コルセットでいくら締め上げても女性的な体つきなんて程遠い。同じ年頃の女の子はみんな乳だか尻だかわからないほど豊満で、リンゴか桃でも詰め込んでいるのではないかと思うぐらいだ。顔も特別美人なわけでも、陶器のお人形のように肌が白いわけでもない。容姿が“それ”では、クイーンパールなんて逆立ちしたって無理だと笑われ続けた。幼い頃は、笑われても馬鹿にされても、大人になったら必ず素敵な女性になれると信じていた。だけど、いつまでたってもあたしはあたしのまま。輝く真珠になんてなれないことがわかってしまった。
「どうせあたしはきれいじゃない。絹みたいな髪だってないし、肌は白くない。手足は棒みたいに細くて胸だってないわよ! どうせクイーンパールなんてなれっこない!」
「どうせ?」
 さっきから一体何が言いたいのか。夢を諦めたことを非難したいのか。それとも変わらない容姿を皮肉りたいのか。考えていることがさっぱりわからないし、惨めな気持ちもこれ以上晒したくない。もともと造形が整っている上に、別人のような成長を遂げたサンディにはどうせ理解できない。
「そうよ、どうせ! さっきだって、助けてくれなくても同じことだったわ」
「どういうことだ」
 彼の面に剣呑さが増した。低くなった声音に気まずさを覚えて視線を外す。
「……今日、客を取ることになってる。あたしもう見習(こつぶちゃん)じゃないの。遅かれ早かれ抱かれるのは一緒だったわ」
 ルー、と呼ばれたけれど、心の中まで見透かしてしまうような瞳を真正面から見る気にはなれなかった。
「お前はどうしたいんだ」
 どうしたいもこうしたいもない。密航でもしなければここからは出られないし、今日初めて客を取ることになっているのは決まっている。パールになったからといってクイーンパールになれることもなく、年季の入った置屋でそこそこの客がついてそれでおしまい。どこかの海軍に見初められてこの島を出られれば幸せな方だ。
「あたし、戻るわ…」
 いつまでもこうしていられない。気が進まないからといってあまり遅くなると支度が間に合わない。足が重かったが、彼に背中を向けて歩き始める。ややあって離れていた気配が追いついてきた。
「ついてこなくていいわよ、一人で戻れるから」
「送ってくって言ったろ」
 それきり置屋まで一言も話さなかった。




「ただいま戻りました」
 置屋の裏口をくぐると煮炊きの香りが出迎えた。続いて、嗅ぎ慣れた煙草と、香水と脂粉のない交ぜになった香りがした。
 鼻歌まじりに葉巻をくわえて出迎えたヴィヴに深々と頭を下げる。
「ただいま、ママ・ヴィヴ。それで、あの、ごめんなさい。お使い、ダメにしてしまいました。酔っ払いに絡まれて」
 本当は、仲の良い置屋のおかみさんが体調を崩したということで、お見舞いを頼まれていたのだった。イタズラをしない限りは怒らない人だが、つい尻すぼみになってしまう。
「いいよ」
 みなまで言わずとも知れたのか、彼女は腕を広げた。躊躇ったのは一瞬。飛び込んだ胸からは葉巻の香りがした。
「それで、こっちの若造は?」
「アレクサンドルです。お久しぶりですママ・ヴィヴ。お変わりありませんか?」
「おや、しばらくぶり」
 ふうーっと勢いよく紫煙をサンディの顔面目がけて吹き掛ける。帰れという意思表示だということは、彼もとっくに知っているはずだ。昔、幼いサンディを連れてやってきていた髭のおじさんがよく煙攻撃を受けていた。
 サンディは煙にまかれて目を閉じたが、手荒い出迎えにむせるわけでもなく笑みを崩さない。しばらくねめつけていたヴィヴは短い溜息をついた。
「憎たらしい顔。ああ、それより、ルーは早く上にあがっておいで。支度あるだろ」
「はい」
 頷いて二階へ続く階段を駆け上がる。そういえば、すけべえジジイから助けてもらったのにお礼を言っていなかった。
「サンディ」
「うん」
 手摺りから顔を覗かせて呼ぶと、彼は明るい声で見上げた。その面には、置屋までの道のりで感じていた気まずい雰囲気はなく、少し安堵する。
「さっきはありがと。ゆっくりしてってね」
 一緒にはいられないけれど、というのは呑み込んだ。幼いときは髭のおじさんがサンディを連れてやってくると、二人で遊んでおいでと外に放り出された。けれど今はもうそんな年齢ではない。数年ぶりで、どこでどうしていたのかとか、聞きたいことは山ほどある。しかし、ゆっくりと話し込んでいる時間はなかった。
「ただいま、姉さん」
「お帰り、ルー! 手伝ってあげるからこっちおいで」
 もうすっかり身支度をし終えた姉が手招く。一番角の小さな部屋が今日から仕事部屋だ。小ぢんまりした鏡台に、体重をかけるとギシギシと鳴る立てつけの悪いベッド。人ひとりがぴったり入れそうなクローゼット。たったそれだけで部屋の中は目一杯だ。今は姉たちが詰めかけてもっと手狭だった。
「服どれだっけ?」
「緑のやつよ!」
「ねえ~、髪飾りどこ~?」
 あちこちから声が飛び交った。ネズミが家族連れで置屋の中を横切ったってこんな騒ぎにはならない。混乱からかめまいを感じたが、ウエストをコルセットでぎゅうぎゅう締め付けられているせいかもしれない。
「姉さん、苦しい…」
「でもこれぐらい締めないと! ああ、あんまり苦しくって気絶しちゃって、いつの間にか終わってたっていう話聞いたことあるわぁ」
 なんと他人事(ひとごと)だろうか。しかし気絶する気持ちは大いにわかる。そもそもコルセットは豊満な人が着用してこそ効果があるものだ。薄い体をいくら締め上げても胸と尻が出っ張るわけがない。
「座って」
 鏡には着慣れない胸元の開いたドレスを身にまとった少女が映る。見慣れているはずのぺったんこの胸がやけに虚しい。初めて袖を通すドレスの迫力に負けてしまっている気配さえある。姉は潮風で乱れた鉄錆色の髪に丁寧に櫛を入れた。ランプの明かりに照らされて余計に色が沈んでいて、なんとなく表情も沈んで見えた。姉たちは慣れた手つきで髪を結い、小粒の半貴石が並んだ髪飾りを差す。その間に顔面に白粉を塗りたくられ、気にしているそばかすは消えていた。最後に唇に紅を引けば、鏡に映った顔は全くの別人になった。
「お化粧、濃くない?」
「あら、暗いんですもの、これぐらい濃くないと」
 口紅が赤すぎる気がする。唸って鏡の中をにらみつけていると、首に白い腕が回った。
「これはわたしたちから」
 寂しい胸元に真珠のネックレスが飾られる。先端には小ぶりの青い石がひっそりとした佇まいで揺れていた。左右に、まるで揺れ動く心のように。青い海の色はサンディの瞳に似ていた。
 どうしたいのかという問いに答えを探してみたけれど、絡まった糸くずのような複雑な気持ちしか見つからなかった。
 あたしがあたしである限りこの島から出られない。あたしがあたしじゃなくなったら、もしかしたらクイーンパールになれたかもしれない。でもそんなことは有り得ない。突然そばかすが消えたりしないし、くすんだ赤毛は金髪にもならないし、たぶん胸は小さいまま。
「きれいよ、胸はないけど」
「ひとこと余計よ、姉さん」
 姉たちは肩をぽんぽんと叩いてくすぐったそうに笑った。




 部屋の扉がノックされる。ヴィヴの隣に立つ男は若くなく、お兄さんというよりおじさんに近い。あごに蓄えた髭がすけべえジジイを連想させた。もっとも、彼の方が紳士然としている。落ち着いた物腰は隣にいると安堵を誘った。とても女を金で買うような男性には思えない。話を聞くと、ヴィヴとは古い仲だという。
「黒い髪なのかな」
 問いに、ほの暗い灯りの中では(ブルネット)に見える前髪をつまんで見せた。
「錆色なんです。もっと鮮やかだったら綺麗だったのにって、よく言われます」
「そう? 灯りで色が変わるなんて素敵だと思うな」
 彼は髪に指を差し入れた。温かな手のひらと優しい言葉に、泣きたくなるほど心を揺さぶられるはず。けれど、思い出したのはなぜか、朝焼けだと言った幼馴染の声だった。
 くすんでちっとも綺麗じゃない髪を朝焼けに例えるなんてどうかしている。そばかすだってあって何が悪いんだって。でも、すごく気にしているのよ。そばかすがあったらクイーンパールにはなれないって散々笑われた。その話になるたびに笑い者になった。金髪でもない。容姿も良くない。だから駄目だと言われ続けた。
 どうして? あたしのどこが駄目なの。そばかすだってあったっていいじゃない。だってしょうがないでしょう、これがあたしなんだから。
「どうかした?」
「いいえ」
 声が震えた。膝の上で硬く握った手を、そっと包み込む温もり。怖がっているのだと思っているのか、うつむきがちな頭を抱いた彼は「大丈夫だよ」と囁いた。目頭が熱い。
「怖いことはしない」
 幼い子供をあやすような穏やかな声は、突然の破壊音に遮られた。傾いた扉が軋んだ音を上げている。一拍置いて蝶番が床に跳ねた。
「お楽しみのところ悪いな」
「なんだきみは」
 ぶち破った張本人は悪びれる素振りもなく、ずかずかと侵入してきた。そして、男を殴りつけた。痛々しい音で反射的に閉じていたまぶたを開くと、床に転がった男がいた。ぴくりとも動かないところを見るとすっかり意識を失っているようだ。
 現状を把握しきれず声も出ないルーに向かって、サンディはにやりと意地悪く笑った。
「襲われてるとこ助けるのは二度目だな」
「サンディ、あんたなんてことするの」
 あまりの傍若無人な振る舞いにおののいた。怒りより混乱が勝って硬直する。抵抗する間もなくサンディは小ぢんまりした体を抱え上げた。
「サンディ! 一体どういう了見なんだい!」
 足早に向かった階下でヴィヴが怒鳴った。陽気な彼女が目を吊り上げるのも無理はない。彼女や姉たちの前に立ち塞がっている二人の男――恐らくサンディの仲間だろう――の腰には銃と剣がある。穏やかではない。
「了見も何も、さっきの話断ったのどっちだよ」
「断るに決まってるだろ! イタズラにしては度が過ぎる」
「悪戯じゃない。本気だ」
 サンディは懐から大粒の緑色の石のはまった指輪を取り出した。いかにもクイーンパールの指を飾っているような高級そうな指輪を、あろうことかヴィヴに向かって無遠慮に投げる。
「それ対価で頼むよ。あの人から預かってきた」
 怪訝な顔をしていたヴィヴは、いよいよ怒りで髪まで逆立ちそうな形相になった。壁に飾ってあった剣を取ると勢いのままに抜き放つ。
「いまさら! こんな指輪寄越してなんだってんだい! あん人といいあんたといい絶対に許さないよ!!」
「なんで怒るんだよ!?」
 仲間に頼むと言い残して置屋を飛び出した。追いかけて来るのは、待ちなという金切り声。続いて姉たちの叫び声と、客のあおる声が遠のいていく。剣戟の甲高い音がして背筋が凍った。斬り合いで怪我人でも出たらと思うと生きた心地がしない。
「ママ・ヴィヴに何かあったらどうするのよ?!」
「さすがに手加減するさ」
「そうじゃなくて」
「じゃあ何?」
 冷静に返されて苛立った。問い質したいことは山ほどあるのに、頭の中が混乱していてすぐに言葉が出てこない。ヴィヴや姉たちが怪我をしたらどうするのか。そもそも乱入してきて客に暴行を加えたのはなぜなのか。というか、この状況は一体どういうことなのか。
「あんた何のつもり?! 何でこんな…こんなことしてただで済むと思ってるの?!」
「捕まったらただじゃ済まないだろうな。拷問かな。それとも一生出られない監獄行きかな」
 悪びれる風もなくおどけて笑った。あっけらかんとしていることが理解できずに頭を抱えたくなる。
「俺だって穏便に済ませたかったさ。あっちが譲らなかったんだからしょうがないだろ。でも、あれで勘弁してくれるだろうと思ったのは誤算だったな。これじゃしばらく寄れない」
 指輪のことを指しているのだろう。立派な装飾だった。遠目でも小指の先ほどもある宝石がはまっていたように見えた。そこらのパールでは一生お目にかかれないほどの代物だろう。
「あんなの一体どこから見つけてきたのよ」
「知るか。親父から預かっただけだ。最愛の女性にって」
 は? と間の抜けた声で問い返すと、意外だとでも言いたげな声音が返ってきた。
「あれ? 知らない? 髭面のおっさんがいたろ。あれ親父。ママ・ヴィヴといい仲だったんだけど、他の女と子供つくっちゃってさ。本当にどうしようもないおっさん」
 彼の両親については耳にしたことがなかった。ヴィヴの気持ちを考えて話題には上らなかったのかもしれない。どうりでいつも髭のおじさんに煙を吹き掛けていたわけだ。色町にはありがちな話とはいえ、ヴィヴの心境を考えると居た堪れない気持ちになる。しかし、さぞや憎いだろうに叩き出すような真似は決してしなかった。サンディに対しても態度は冷ややかではあったが、食事や寝床はルーと区別なく与えていた。
 特別懐が深いと言うべきなのだろうか。それともほだされているがゆえなのだろうか。色恋事情は理解できない。
「待って。それでどうしてあたしがこんなことになってるの。指輪とあたし、関係ないじゃない」
「まだわかんないのか。ルーを俺にくれって頼んだけど、断られたからあの指輪を身請け金ってことで渡した。パールの稼ぎ分ぐらいの値打ちはあるはずだしな。だからママ・ヴィヴが何と言おうとルーは俺のもん」
 ルーと指輪が釣り合う図式が成り立っているのはサンディの脳内だけだ。ヴィヴは是とは言わなかった。掻っ攫うなんてどうかしている。これではただの人攫いだ。
 ふと、昔海賊に攫われてしまったあの子を思い出す。幼かった分、さぞや恐ろしかっただろう。今頃どこで何をしているだろうか。生きているのかさえもわからない。
「騒ぐのやめ?」
 サンディは急に静かになったルーをいぶかしんだ。ついでに振り返り、追手がないかどうか確かめる。酒場の賑々しさはあるが剣呑な雰囲気はなかった。
 ルーは溜め息をついた。
「感傷に浸ってたのよ。昔あんたみたいな悪党に攫われた子のことを思い出してたの。放っておいて」
「ああ、あのさ、誤解してるみたいだけど、攫われたわけじゃないからな」
「なんであんたが知ったふうなの。イラッとするからやめてくれる」
 ぎゅっと鼻をつまむ。眉をひそめた顔に似合わず、間の抜けた鼻声が答える。
「っていうか俺だし。本人ここにいるじゃん、目の前に」
「なにそれ寝言?」
「誰か寝てたか? そいつとルーしか知らないことでも言ってやろうか。ああ、あれは? ほら、鼻血止まらなくなったやつ。あれは傑作だった」
 昔々の話である。やんちゃだったルーは、いじめっ子を一泡吹かせてやろうと鼻の穴に枝を刺してやった。目論見は成功したものの、止まらない鼻血にいじめっ子は失神し、大騒ぎになった。小一時間はこってりと説教を食らったので忘れるわけがない。しかし、その話を知っているからといってサンディがあの子だという証拠にはならない。なぜなら、その一件でルーは手の付けられないお転婆娘だと語り草になった有名な出来事である。
「あいつ今どうしてる?」
「ん~、数年前に客を取り始めたって……っていうのはどうでもいいのよ。その話、あんたの耳に入ってたって全然不思議じゃない。だってみーんな知ってたじゃない」
「そんな有名な話だっけ。まあいいや。なあ、お前がクイーンパールを目指してたのって、俺との約束覚えててくれたからだろ」
 ちらと見上げてきたいたずらめいた青い瞳が、不意に真剣な色に変わった。
「ルー、クイーンパールになって」
 そうしたら見つけるから、とサンディは続けた。忘れもしない、覚えのある言葉に目を見開く。どうしてそれを知っているのだろう。誰にも、姉にさえそのことは話さなかった。心に秘めていたものを他人が知っているはずがない。
 うそ…
 そのとき、陽気な口笛が聞こえた。すぐ近くの酒場で赤ら顔をした海の男たちが、手にしていたジョッキを持ち上げた。
「よーう色男! そんなところで見つめ合ってねえで一杯どうだ!」
「お誘いは嬉しいけど、ちょっと急いでるから。ごめん」
「行き先はベッドかぁ?!」
「そうなるといいな」
 頑張れよぉ、と囃し立てる男たちにありがとうと言って先を急いだ。いつの間にか立ち止まっていたようだ。呆然とするルーをサンディは窺った。
「これで信じる?」
 あんな美人だった子が、まさか男で、しかも海賊で、揶揄をさらっと受け流せるようになっているだなんて。
「嘘よ…信じたくない……」
「本気で気付いてなかったんだな。どうして俺が女の名前なのか、考えればわかることだろ」
 アレクサンドラは女性につける名前だ。そして、この町で生まれた子供には男女関係なく女性名をつける決まりがある。彼が女性名だという時点で勘付いてもおかしくはなかった。しかし。
「どうして……名前はいいとして、どうして髪が長かったのよ? どうしてスカートはいてたの!」
 首を絞める勢いで迫るとサンディは呻いた。決して物理的な苦しさからではなく、過去を思い出してのことだ。
「やめろそれを言うな。思い出したくない。お古を着せられた上に毎日まいにち着せ替え人形にされた俺の身になってみろ。悪夢だ」
 子供の成長は早い。どこも女児の衣類はあまるほどあるので、男児だからといって特別男の服は仕立てない。よって、大抵の男児は幼少期にトラウマを抱えることになる。際立って“美少女”だった彼が着せ替え人形になるのも頷ける。並みの女の子よりよっぽど美人だった。恐らくはルーが着飾ったときよりも美しかった。あんなに綺麗な子が男だなんて、一体誰が疑うだろうか。
「だって、男だなんてひとことも言ってなかった。海賊に連れて行かれたって言うんだもの。そりゃ攫われたんだって思うわよ」
 あのときのことを思い出すと、喪失感で今でも心にぽっかりと穴の開いたような気持ちになる。
「一人ぼっちで泣いてるんだろうなって、心配で壊れそうだったあの気持ちをどう責任取ってくれるのよ! あたしの涙を返しなさいよ!!」
「そんなに心配してくれたのか」
 してないわよ心配なんか。ううん、したけど、あんたのじゃないわ。可愛かったあの子の身の心配よ。
 複雑な思いで口ごもる。唇を尖らせたルーに対して、やけに嬉しそうにサンディは微笑んだ。
「赤ん坊は船に乗せられないだろ。だから、しっかりした年齢になるまで置屋で面倒見てもらってただけだ。隠してたつもりなかったんだけど、言う機会がなかった」
 もっとも、真実を告げられても信じなかったかもしれない。完璧に女の子だと思い込んでいたし、今もまだ混乱している。あんなにキラキラで綺麗な女の子が変貌を遂げて、生意気な海賊の男の子になってしまうだなんて、やはり信じられない。
 やがて、寄せては返す波の音がはっきりと聞こえてきた。波止場までやってきてようやく下ろされたが、手は握ったままだった。見上げれば、目の前にいるのは幼い海賊の少年ではない。真っ直ぐに向けられる熱っぽい瞳をこそばゆく感じ、全く知らない表情(かお)を見せる幼馴染から視線を逸らした。
「それで、こんなところまで連れてきて、どうするつもりなのよ」
 サンディは躊躇ったようにまばたいた。
「俺は、いつか必ず別れがくるってわかってた。だからあのときはクイーンパールになってほしかった。そうしたらすぐに見つけられると思ったから」
 星の数ほどのパールの中から一人の女性を探し当てるのは容易なことではない。だが、クイーンパールの称号を持つ者はごく少数だ。簡単に見つけ出せるだろうと考えるのは子供の短絡的な思考だった。
「でも今は違う」
 間をおいて、なぜか小さく吹き出す。
「なんか顔、白くないか」
「粉はたいたから。あたしも厚化粧だなって思ってたとこ。…なに、痛いってば!」
 袖で手荒く顔をこすられる。白粉や紅は取れたが摩擦で肌が赤くなった。力加減を知らない手を払いのけると、笑った顔が目に入る。
「そのまんまのルーが一番いい」
 そのまっさらな笑顔に心が揺れた。胸元を飾るネックレスの石と同じ、右に、左に。今日のサンディはかなり変だ。錆色の髪を朝焼け色だと言ったり、そばかすがあってなにが悪いんだと言ったり、人攫いみたいにこんなところまで連れて来たり。極めつけに、真面目な顔つきでその場に膝をついた。まるで、結婚を申し込むみたいに。
「誰のものでもない遊女(パール)じゃなく、俺の……俺だけの真珠(パール)になってほしい。でも、無理強いするわけじゃない。戻りたいなら送ってく。もう一度聞く。ルイーゼ、お前はどうしたい?」
 どうするも何も、寛容なヴィヴをあれだけ怒らせておいて許されるとは思えない。のこのこ戻ったところで無事でいられないことは目に見えている。それでも、戻ると言ったらついてきてくれるのだろうか。それに、密航でもしない限り、一生ここからは出られない。せいぜい海軍に見初められてこの島を出られれば幸せな方だ。
 あたしが、これまでのあたしを選ぶなら。
 これからどうするかは、あたし次第。
「行くわ、アレクサンドル。あんたについてく」
「そうこなくっちゃ!!」
 弾けるように笑うと抱え上げ、その場でぐるぐると回った。下ろしてという訴えは今の彼の耳には届かない。真っ暗な視界にいくつもの灯りが流れ星のように尾を引き、ようやく下ろされたときには軽く目が回っていた。
「行こう、ルー!」
 手を差し伸べて、とても嬉しそうにはしゃぐ顔が幼い頃と重なった。成長したのは見た目だけで、中身はちっとも変わっていない。
 微笑んで、迷わずその手を握り締めた。




◆◆◆◆◆

ここは、男が愛を求める町
そして、女が幸せを求める町

◆◆◆◆◆
設定うんぬんについてしたためました。
もしよろしければご覧ください。
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