思った以上にコーラを作るのが難しい。
コーラ+マック編が長すぎるだろ!
08 疲れた……ならば温泉だ!
―――書室・半年後
「ウィディス様。領民からの要望をまとめてお持ちしました」
「んー、とりあえず見せて」
ミルドが持ってきた書類を受け取る。
「それと……」
「ん?」
「領民の代表者がいらしゃっております」
「ん。わかった。通して」
「かしこまりました」
ミルドが外に出るのを確認し、
「精霊、今から来るやつ一時許可」
『わかったー』
『うんー』
さて。一応目を通しておく。
税金の見直し? 却下。働け。
魔物の討伐……は。竜娘三人に任せるか。餌にもなるし。
新しい店? 勝手に出せボケ!
警備ねー。別に雇ってもいいが、大きな街なんてないだろ?
お、上のはこれか。街作るのね。って、出資者が全部俺じゃねーか! どんだけ舐めてやがる領民! マックとコンビニなら手伝うけどな。
あ、これは前のアレか。トマトと、牧場。結局俺が経営して、雇うことで、無職を減らすことにしたのか。これは了承。
そのための、おとなの牛と豚を買うのね。それを飼育して、子供を産まして増やすと。まあ、OK。
他は個人の意見書か。全部却下っと。
あと、森に入る許可書? 許可いるのかコレ。伐採しなければOK。ついでに、肥料の腐葉土の作り方も教えておくか。
民の受け入れ。って! どんだけ人数いるんだよこれ……。
ふむ。小さい街作るか。移民されてそこらに排泄したり、住まれても困るから貸家かな。疫病とかにかかっても困るし。
あと、信用できる使用人がほしい。あと、100人ほど。はっきりいって全然足りない。信用出来ないと増やせないからな……。この屋敷は機密情報の塊だし。韻竜だって、バレたら研究用に連れて行かれちまう。一応王宮にはありえない額渡してるから平気だとはおもうけど。
とりあえず、適当に案件への返答書くか。
―――一時間後
「おせーよ! どんだけ遅いんだ代表!」
「す、すみません」
ペコペコと頭を下げる白髪ハゲ。
「わ、私は各村の長代表で――」
「名前はいい。覚えられないし。代表って呼ぶ」
「そ、そうですか」
てか、なんで中に入るのに、一時間もかかるんだよ。
「んー、でとりあえず渡された案件は全部見たよ。お前が遅いから」
「そ、そうですか。すみません」
めちゃくちゃ怯えられてるな。
「えーっと、まず税率だけど無理。てかさ、他の領4割くらいだよね? 此処1割だよ? これ以上下げろとか舐めてる奴いたら他行けって言っといてくれ。言っとくが、お前らが払ってる税金って1エキューたりとも、俺に入ってないから。全部王宮へ行ってるんだよ。これ以上安くするって言うなら、俺が自腹することになるわけね。だったら、お前ら全員いなくなった方が利益がでるわけさ。以上」
「は、はぁ」
冷や汗をかいて、布で額を拭いている代表。むー。臭い。風呂入ってくれ。
「てかさ、何でそんな金ないのか言ってみろ」
「はあ……。農作物の収穫が少ないのが原因かと……」
ふむ。前に一度見たけど無視したんだよな。確か、このあたりに……。
「代表なら平民でも字読めるだろ? これが農業の仕方だ。まず、畑を休ませないでずっと使うとかあり得ないだろ? 土に栄養なんてもうなくなってるっつの。んで、肥料と腐葉土の作り方。森は伐採しなければ出入り自由。木の実とか果物とか常識の範囲内なら自由にとっていい」
俺は前に書いた数枚の用紙を渡し、早口で説明した。
「魔物の討伐はこっちでやっておく。移民の方は……ミルド」
俺は横に立っていたミルドに先ほど書いた草案を手渡した。
「……ほう。コレは」
「ああ、だから移民はそこに住まわせる。仕事は牧場と養殖場で振り分けてくれ。畑の仕事をさせてもいい。あと、使用人が必要だ。あと100人程必要だな。信用できそうな奴選べ――」
そこでミルドの耳に口を寄せ、小声でつぶやく。
「大きな怪我を負ったり重病にかかってる奴がいい。自分を救ってくれた奴には尽くしてくれるだろう」
「……またなんとも」
「俺の性格は知っているだろう?」
ニヤリと笑ってやる。
ミルドは苦笑しながら、
「かしこまりました」
代表は聞こえないのか、不思議そうな顔をしている。
「んで、街は俺の方で作るから、店は勝手に出せばいい。もちろん税金払えよ? 申請はしておけ。ついでにコレ」
俺は部屋の隅に置かれていた農具を手に取る。木の桑を使っているのを見て、前に作ったんだが忘れていたのだ。
「それは?」
刃が鉄で出来た桑を渡してやる。
「お前ら何で木の桑使ってたの?」
「そ、それは。鉄を使ったものは高すぎてさすがに……」
ま、わかってたけどな。
「倉庫にそれと同じものが1000本ある。それ使え。金はとらないから。ただ、返せとは言わないが、転売はするなよ? 壊れたらコチラに持ってこい。一応持ち主は俺だからな」
「ほ、本当でごございますか。これならば作業効率もあがりましょう。領民を代表して感謝を申し上げます」
深く俺に頭を下げる。
8歳の小僧にここまでするってのがすごいよな。
この桑だが、俺が風の精霊を使って1000本の棒を作った。時間的には一時間くらい。
その後に、ひたすらミラが石を錬金し、鉄に変えていった。
三ヶ月くらい、泣きながらミラが頑張っていた。使用人が傍に控え、気絶したらエリクサーを繰り返させた。
そのおかげで、三ヶ月でトライアンルメイジになったのだ。精神力だけならスクエアもビックリなレベルになっている。それでもトライアングルなのは、ミラの才能が底辺レベルだからだ。
「あと、個人的な案件だがな、重要なのをまとめて渡せ。こんなたくさん渡されても見れるわけないだろ? 見ろ。この他の案件を」
俺の机に置かれた大量の書類。徹夜しても無理。
「だから全て却下だ。はい、以上。さよなら」
俺が指を鳴らすと、使用人が入ってきて、代表を連れ行く。
「ありがとうございます。これで、失礼させていただきます」
最後に深く頭を下げて、退出していった。
「ミルドはさっきの草案に取り掛かってくれ」
「かしこまりました」
ミルドが退室していった。
「はあ……。疲れた」
「お疲れ様ですご主人様」
俺はミラをじっと見つめる。
「な、なんですか?」
何故か照れてるが……。
「お前最近浮いても一日精神力持つよな?」
「はい!」
胸を張って言うが、それじゃ精神力が増えない。
「お前今日から早口言葉と魔法の練習だ。最低でもトライアングルの最大魔法を2秒以内で言えるようになれ」
「ま、待ってください! どんな早口ですかそれ!?」
多分50文字近くあるのだ。
俺は窓を開け、詠唱を開始。
《フレイム・テラー》
かなり遠くの地面から大きな炎の柱が立ち上がる。
炎・炎・炎・炎のスクエアの魔法。ちゃんと詠唱もした。
「な? やれ!」
「ま、待ってくださいよ!? どんな早口ですか!? スクエアクラスを一秒程度って!」
「あのなあ……。詠唱中なんて一番狙われやすいだろ? はっきり言って、二秒以上の詠唱でかかってるようなやつは、スクエア使えたって、使えないのと同じだ。その間に殺されるんだからな。魔法の射程限界でも、3秒あれば近づいて切り伏せられるだろ?」
「それはご主人様だけだと思いますが……」
「まぁ、いいから。ニルヴァーナじゃない杖でひたすら放ち続けろ。精神力切れるまでな」
「うう、やってきます……」
ミラは窓からふわふわと出てゆく。
これで、半年もあればスクエア程度にはなれるかな。なんとかして、疑似オクタゴンまで持っていきたい。
そういえば、7歳でトライアングルになったのは、あいつが初だったらしい。俺は申請してないからドットですらない。
「にしても……最近すべてがめんどい…………」
…………。
「そうだ!」
俺はガバっと立ち上がり、窓から飛び降りる。
地面すれすれで精霊を使い、ゆっくりと着地する。
「温泉を作ろう!」
結局、水を引くのが無理だったから、毎日俺が風呂いれてるしな。
ポンプないんだもん。
「地下で流れてる源泉を直接繋げれば此処まで水圧でなんとかなるはず。おーい、竜娘! 来い!」
俺の声を聞いて、窓からふわふわと浮いてくる三人。
「どうしました?」
「精霊に俺がやること教えるから、精霊から教えてもらってくれ。ちょい精霊、俺の頭の中覗け。許可するから」
『うん』
『のぞくのぞく』
精霊って便利だなあ。まあ、精霊と会話出来る奴なんて俺以外知らないけど。
「わかりました。まず、何をすればいいでしょう?」
「まず、俺が精霊の力を借りて、ってか。そこまでやるから待て。土の精霊行くぞ?」
『うん』
まず、50メートル四方を、重力魔法で凹ませる。
《グラビデ》
ズドンと言う音と共に、50メートル四方が、60センチ程凹む。
使用人達が音に驚き、窓から除いてくるが、俺がいることが分かると中に戻る。
俺がまた何か始めたよ。って感じだった。
《錬金》
周りの土を、精霊の力を借りて、石に錬金する。
《エア・カッター》
精霊の力を借りて、石の形を岩っぽくコーティングしてゆく。
セメントやゴムが無いので、見た目だけだ。実際はつながっている。
「さて。ここからがお前たちの出番だ。今から精霊が、原泉から此処に穴を開けるから。場所を教えてもらって、水の流れ以上の速さで、周りの土を四人で錬金してゆく。一番大変な部分は俺がやるから、頼むな?」
三人はうなずく。
水の精霊の情報だと、一番近い源泉は此処から2キロメートル。土の精霊の力を借りながら錬金だな。
「いいぞ!」
『いくよー』
精霊と意識を同化させると、ものすごい速さで空洞がこちらに向かってくる。
それを錬金して、周りの土を鉄に変えてゆく。
そして、他の奴のパイプにつながった。
それと同時に、俺が作ったエセ温泉の中央に20センチ程の穴があく。
少ししてたから、穴から音がし始め。
「熱い!熱い!!」
30メートル程まで源泉の柱が立つ。まるで熱湯の噴水だ。
竜娘が竜に戻って、羽で遮ってくれる。
「ありがと。知識不足だった」
うーん。源泉からそのまま持ってきたらこうなるよな。温度を下げるか。
《錬金》
近くの地面で、10メートル程の銀のパイプを作る。
まあ、本物の銀じゃない。原子の配列を銀っぽくしただけ。価値なんて全くないのだ。
更に、1メートル程の球体を作り、中を空洞にする。下と横の中央辺りに小さい穴を無数に作る。
細い鉄を数十本練り合わせたロープを作り、球体の8か所につける。
パイプを球体の下の部分に取り付け、錬金で繋げる。
火傷しないように、一応英雄の薬を飲んでおく。
レビテーションで空中に浮かせ、源泉が放出している穴にブッさして錬金で繋げる。
「球体から出ている紐を引っ張って8方の地面に繋げてくれ」
四人で、頑丈なローブを倒れないように地面に固定する。
「ふう……。まだ熱いけど、なんとか入れる程度かな」
「主様! お湯が溢れてきています!」
溢れて庭が浸水する!
「ここから、海まで約5キロ。空洞作って繋げるぞ! 精霊に場所は教えておくから、二人は海側から錬金して繋げてくれ。俺と一人はこちら側から錬金していくから」
二匹の竜は海にまっすぐに飛んでいき、一匹は俺を上に乗せる。
「土の精霊穴開けてくれ」
『行くよー』
温泉の下に穴が空き、そこを錬金してゆく。
俺を乗せた竜が全力で飛翔し、地下の錬金は俺がしてゆく。
何故か途中でミラが浮いていたが、そのまま轢いてフェニクッスの尾を投げつけて錬金を続ける。
しばらくすると、向こう側から竜と、人になった竜娘が飛んできたので、そのままパイプを繋げる。
竜の足になんか、血と肉が付いてるけど気にしない。
とりあえず戻ることにした。
しばらくすると、ミラが浮いていた。
「ご主人様~、わたし何かにぶつかりませんでしたか? でも、生きてますし……」
「夢でも見たんじゃないか? たとえば竜にぶつかったら死んでるだろ? 元気ってことは夢だ」
「そうですよねー」
コイツは気絶していて、俺が長を蘇生したところを見ていない。大丈夫だろう。
ミラ死亡回数1。
「そういえばミラ。面白いもの作ったぞ。ついてこい。さっそく行くぞ」
「あ、はい」
竜に乗って急いで戻る。まだ溢れてたら困るしな。
―――温泉
「完成だ!」
戻ったが、お湯がかなり減っていた。
鉄の板を練成し、排水口にかぶせてお湯の量を加減した。
「って、屋敷から丸見えじゃないですか!?」
うーん。一応50メートル程度は離れてるんだけどなぁ。
てか、お湯が噴水みたいになっていて、何かのアトラクションみたいだ。
そして、使用人達が集まっていた。
「う、ウィディス様。ま、また何かはじめたのですか!?」
なんか、最近ミルドが疲れてる気がするな。
「んー、温泉なんだけど。ミルド、後でここに屋根と柵立てるから。職人に頼んでおいてくれ。今はとりあえず」
俺は適当な杖を取り出して。
「みっく・みっく・に・してやんよ~」
《ミクフィーバー》
人がいるので、適当に詠唱をして、風の精霊にお願いし、不可視状態にした。
「これで、外からは見えない。柵と、屋根が出来るまではこれで我慢だな。さて、早速」
使用人達がいるが、別にどうでもいい。所有物みたいなものだし。
その場でパッパと服を脱ぐ。
「「「「「お、おおきいっ!?」」」」」
「わ、私より大きいなんてっ!」
ミルドが何故か泣きながら屋敷に走って行った。
「やんっやんっ」
くねくねするなミラ。
てか、ミルド。八歳児より小さいってどんなだよ!?
「んー、とりあえず、ここは開放するから、好きな時に入っていいぞ? 仕事終わってるなら今入ってもいいけど。とりあえず、竜娘は疲れただろうから入っていいぞ。ミラも何故か汚れてるから入っていい。血着いてるぞ?」
「あれ? なんで血着いてるんでしょう?」
死んだからな。
そこで、竜娘達が服を脱ぐ。
「「「「!!!?」」」」
使用人達の顔が驚愕の色に染まる。
「あ、あんなの勝てない」
「な、何て竜レベル!」
「お母さん恨みます」
「なんて生きずらい世界……」
わけわからないから無視する。
「ご主人様は小さい方がいいですよね!?」
「いや、大は小をかねる」
「がーん!」
黙れミラ。脱いでいたミラを風呂の中に蹴り飛ばす。
「あ、あつっ!? 熱いですよコレ! 死んじゃいます!」
ミラが熱がって上がってこようとするので、風の精霊を使って真ん中まで吹き飛ばす。
「な、何するんですか! 熱いです! 熱いですが……なんとかなるかもです」
ミラは何故か泳ぎ始めた。
ふむ。でも、このままじゃ風呂が汚れるな。垂れ流しだからいいかもだが。
今度パイプを派生させて、シャワーでも作ろう。海までのパイプももう一個作らないとな。
ついでに、原泉の勢いが強すぎる。そういえば平民が臭いんだよな。パイプから派生させて無料の浴場造ってもいいかもしれん。どうせタダだし。
てか! なぜか、ペガサスも風呂に入ってるし!? 使用人達に背中流してもらってて、気持ちよさそうにしている。
なんか俗世に塗れてきたな、あのペガサス。
とりあえず、俺も入る。
「ああ~。このじんじんする熱さがいいな~」
なんかミラがじーっとこちらを見ている。
「何だ?」
「ご主人様は不能ですか?」
「ぶち殺すぞ小娘?」
「これだけ女の人が一緒に入ってるのに、まったく反応してませんし」
「あ~、無駄な時立たせてどうするんだ? 竜が子供産みたくなったら、魔力ためて子供作るみたいなもんだ。やりたくなったら立たせればいい。それが以外に立たせる意味なくないか?」
「でも、お父さんはわたしとお風呂に入ってもたちますよ?」
おい、ミルド。俺はお前のことを勘違いしていたようだな。去勢させるぞ。
「お前ミルドと風呂入るの禁止だ。あれは危険だ」
「わかりました。わたしも最近危険を感じてますから」
8歳の娘に欲情する父親ってなんだよ……。
まあ、それよりも。せっかく使用人がいるんだから聞いておくか。
「おーい。小麦の精製班いるか?」
俺の言葉に5人の女性が近付いてくる。
「小麦の精製の経過はどうなった? それでパンを作ったらどうなった?」
「私がこの班のリーダーなので報告いたします」
「言え」
「今まで売っていたパンよりも、50%程やわらかく、膨れるパンが出来ました。精製方法を変えると弾力を持たせることも出来ます」
「ふむ。弾力が出た方はパン屋でも開いて売ればいい。そのまえに俺が指定したようなパンを開発し、新しく雇う奴らに伝授してほしい。それが終わったらこの班はパンの開発班になる。パン屋で稼げたらお前たちに還元するから頑張れよ」
パン屋なんてするつもりなかったけど別にいいだろう。
「は、はい。ありがとうござます」
5人が頭を下げる。一人、水に思いっきり打ちつけてるけどバカか?
「散れ。次腸詰班のリーダー来い」
リーダーだけでいいだろう。
一人の女性が近付いてくる。
「私が腸詰班です」
「うむ」
腸詰班ってなんか嫌な名前だな。
「で、経過を頼む」
「はい。指示されたものは、長さも太さも同じものが出来ました。半腸を塩漬けにして、作るとまた違った味わいになることもわかり。新しい開発を進めています。小さめな腸詰も使用人達には人気です」
「ふむ。では、この班も雇ったやつらに教えたら開発班に移ってもらおう。その商品が売れたら売れた量によって給金を増やすことにする」
「あ、ありがとうございます!」
「では散れ。次ケチャップ班のリーダー」
一人の使用人が近付いてくる。
「報告」
「はい。マスタードの方は調整も完了しました。ケチャップの方は調味料の調達が難しいというか……」
「トマト、糖類、醸造酢、食塩、たまねぎ、香辛料。何が足りない?」
「はい。糖類の値段が高すぎ、低予算で作るのは難しいのですが」
やはり砂糖か……。
「調合を変えてみろ。指定どおりでなくてもいい。あらびき肉の方はもう完成してるから、それとパンをもらって、いろいろ調合して合うものを試せ。はっきり言って、ケチャップが一番大事だと言っても過言ではない。ケチャップが無い場合、その時点でこの計画は失敗だ。無理はしなくていいが、期待しているのでガンバレ」
俺は使用人の頭にポンと、手を乗せて言ってやる。
「は、はい! がんばります!」
「では、行っていいぞ」
ふむ、やはり問題があるか。半年でこれだけ出来たのは奇跡に近いな。原材料を知っていたっていうのもあるが。なんとかして、さとうきびを手に入れたい……。
隣を見てみると、ミラがじっとこちらを見つめていた。
「どうした?」
「ご主人様ってちゃんとお仕事をしていたんですね」
ミラを中央の噴水近くまで投げてやった。
まったく、毎日書類に追われてるところを見てるだろうがアイツ……。
「そうだ」
近くの竜娘を呼ぶ。
「なんでしょうか?」
「なあ、エルフの聖地の向こうってどうなってるんだ?」
「昔行ったことがあるのですが。ここより文明が進んでいますね」
「砂糖ってあったか?」
「確かありました。でも、ここのよりさらさらしてましたね」
白砂糖か?
「それは白かったか? ここのって茶色いだろ? それは白い砂糖だったか?」
「はい」
ビンゴ!
近々行くか。
こっちの砂糖を精製すれば白いのも出来るっちゃ出来るがな。
テンサイから作ってる砂糖はよろしくない。サトウキビがほしい。
「ありがと。もういいぞ」
あと少しだ……。
まあ、コーラの製造方法がわからんが。コーンシロップと砂糖と柑橘系と……、炭酸水。あとの原料がわからない。まだまだかかるだろうな。
まだまだ足りない……。
てか、炭酸水をどうやって作るよ? 炭酸のボンベなんてないぞ? 重層とクエンサンだって手に入らないし……。
あーくそっ! 全然まだまだじゃねーか!
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