49 壮大な宇宙
―――処刑場
此処24地区広原ってさ、軍事練習にも使う広大な広原なんだけどさ……。
終わりが見えない程人集まってるし……。
皆処刑大好きだね。
真っ白い段が置かれ、国の重鎮がそこに座っている。
個別にNフィールドも張ってあるから安全。
ルイズは一番高い段の上にある十字架に、全裸で磔にされている。
俺の趣味ではなく、リーンがやった。なんでも、俺を裏切ったのだから当たり前だとか。
本当は殺したいけど、出来ないから。変わりに羞恥を味わえと。
十字架ってのは、別に神を信じてるわけではなく、今回の処刑方をしやすくするからだ。
十字って言っても、×になっており、四肢が四方向に繋がれているのだが。
現在世界中に、巨大な六面ウィンドウが浮かび、この現場を映している。
俺は視線をヴァリエールに移動する。
「本当にいいのか? なんだったら俺が執り行おうか?」
「いいのです。あれでも、私の血をひいている娘。けじめは私が」
最初、助けるのかと思って頭を覗いたが、本当に処刑を行うらしい。
視線をヴァリエール家に移動する。
「もし、お前らが邪魔したら、お前らも確実に処刑だからな。特にカトレアは押さえておけ」
カトレアは寸前で助けようとしている。
ってわけで。
俺はカトレアを屋敷に転移させる。
ヴァリエール家は消去したと思って驚いているが、
「心配するな。あいつは直前で助けようって考えていた。だから、反逆者として殺される前に屋敷に移動させた」
「……ありがとうございます」
この人数に見られたら、弁解なんて出来ずに殺すしかないからな。
さて、そろそろ始めるか。カトレアが戻って来ないうちに。
俺は声を拡散させる。
『静まれ!』
別にうるさくはなかったのだが、俺の声で無音になった。
この人数でこの静かさって怖いものがある。
『我はウィディス・ハルケギニア一世。皆の者、此度の処刑に集まっていただき、感謝する。処刑人を紹介しよう。ヴァリエールだ』
ヴァリエールが一歩前に出、一礼する。
それだけで大きな歓声が飛び交う。
処刑なのにこの歓声って……。
『対象となるは、国家最大犯罪者ルイズ・ロバ・アル・カリイエ王女!』
此処で大きな罵声が飛び交う。
まあ、自分たちの幸せを破壊しようとした犯罪者なんだからあたりまえか。
『罪状。脱獄、機密情報持ち出し、敵国の手引き、戦招、国家反逆、機密盗難、大量殺戮。他抵触6罪。処刑方、四肢切断のち、溶解』
後ろを向くと、ルイズが何か叫んでいる。
もちろん、声は遮断!
『これより、処刑を開始する』
俺はヴァリエールに頷き、段に上るように合図する。
ヴァリエールが剣を持ち、段にゆっくりと上る。
ちなみに、背後の白い十字架は剣では切れない。
どっちにしろ、ヴァリエールは元々凄腕らしいから大丈夫だろうが。
そこで、俺は声の遮断を解除する。
「アンタ! 絶対許さない! わたしにこんなことして、後で覚えていなさいよ!」
死ぬまでこれかよ……。
「どうせ後なんてないんだよ」
「うるさい! 死ね! バカ犬! あんたなんてどうせ反乱されて死ぬんだから!」
バカ犬は才人だろうが……。
どこの頭の弱い女子高生思考だよ。
「お兄様に何を言ってるんですか犯罪者? お兄様を侮辱した罪。追加しましょう」
そう言って、リーンは手に刃渡り20センチ程のナイフを転送させた。
つかつかとルイズに近づく。
『さて、前座です。どうせ処刑するのですから、皆さんに声を聞かせてあげてくださいね』
わざわざ拡散で……。
リーンはナイフを握り、それを思いっきり突き刺した。
『っあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!』
そのルイズの秘所へと。
深々と20センチ。確実に子宮に穴があいているだろう、生きていたとしても女としては終わりだ。
ルイズは目を限界まで開き、号泣し、壊れたように叫ぶ。
ルイズの秘所からは、どくどくと血が流れ続ける。
それが、真っ白な段からぼたぼたと垂れ、広範囲を深紅に染めてゆく。
てか、声拡散させるって、リーンこえー。
「あらあら、処女をナイフで貫かれ、気持ちよくてイっちゃいましたかー?」
リーンがけらけらと笑っているが……。
あれが快楽だったら怖いわ。防音設備があるホテルでも悲鳴が漏れるわ。
「お兄様ー、気を失わないようにわたしが制御しておきますね。あと、切れた部分から下に血がいかないように循環もさせておきます。もちろん、神経はそのままで」
リーン怖っ!
「あー、このままじゃすぐにリーンが殺しちまうから、ヴァリエール頼む。足から順番にな」
ヴァリエールが剣を振りかぶる。
『あ、ああ……お、おどうざま……たす……て』
「くっ」
なかなか剣を振りおろさなくて、民衆から罵声が……このままじゃヴァリエールまでが。
多分、ルイズを目の前にして決心が揺らいだんだな。
「手伝ってあげます」
リーンがヴァリエールを操り、ルイズの左ふとももから下を切断する。
『あ゛あ゛……あ゛……いだ……だい……ああ゛あ゛』
カランとヴァリエールが剣を落とすが、すぐさまリーンが手に転移させ、振りかぶらせる。
「つぎ右足ですねー」
『あ゛あ゛あ゛あ゛っ! ゆるじ……て……だ……じに……たぐない゛……』
固定された腰がなかったら、だらんとぶら下がっていただろう。
あまりの光景に、観客は目をそむける者もいる。
両足が切断され、秘所にナイフが刺さったままの少女。
きついなこれ。子供が見たらトラウマになるかもしれん。
「次左腕」
リーンがヴァリエールを操って更に、剣を振り上げる。
『あ……あ゛あ゛……やだ……しな……せて、いだい、苦じい……はや』
「あ、ダメですね」
リーンが猿ぐつわをルイズに転送させ、舌を噛み切っての自殺を止める。
そんな力残ってないと思うが……。
「次ー」
更に振りかぶり、右腕を切断。
四肢を失い、腰に固定されただけの状態だ。血がほとんど流れないのは、リーンが途中で繋げ、循環させているからだろう。
「うーん。そうだ」
リーンが更にナイフを取り出す。
「乳房も切り落としてしまいましょう」
こわっ! 王族まで青ざめてるぞ。
まあ、女にしかわからない苦しさかもしれないが。精神的に?
てかおい、ミラ。お前なんでテファの胸見てんだよ……。切り落とすつもりか?
そんなことを思っていると、リーンはルイズのささやかな胸をそぎ落とした。
「小さすぎて……そぎ落とす価値もありません」
そぎ落としてから言うな……もう完全なリーン独壇場。ヴァリエール気絶してるし……。人形操ってるみたいだし……。
『あー、ハプニングもあったが、次にうつる』
用意しておいた大きなガラスケース。中には王水が入っている。唯一、黄金さえも溶解出来る液体である。
「ではー、移動します」
リーンがルイズを浮かせ、王水の上に移動させる。
「そうだった」
何か思い出したのか、リーンは猿ぐつわを外し、チューブをのどに突っ込んだ。
それをエリクサーが入った大きな樽に繋げる。
すぐに、ルイズの四肢が戻る。
「では、泳いでください」
バシャンとそのまま王水の中にルイズが落とされる。
うわぁ……、しかも秘所のナイフが抜かれてないから、復元、肉裂繰り返してる……。だんだんと王水が赤く……。
「ああ、それじゃ見えません」
リーンが血の色の光の反射を消し去る。
溶けては復元を繰り返す。見た目的にはずっとそのままだが、痛みは異常らしく、顔が……言葉にしたくないような顔してる。
チューブが解けないのは、リーンの仕業だろう。あんな暴れて、それでも抜けないって、喉の周りに同化させたな……。
『はい! ではこれを一か月放置します! 楽しそうですね。皆後で近くに見に来てくださいね。一メイル以上近づけないようにしましたが』
リーン楽しそうだなー……俺もう帰りたいわ。
『えー、では処刑を終了します。この刑では不服のある奴はー……いないな。では解散』
俺は重鎮達を城に転移させ、自分は屋敷に転移する。
この記憶破棄しようかな……。
―――書室
「お兄様ー、犯罪者が既に六か月放置ですけどいいんですか?」
俺がゆっくりしていると、リーンに声を掛けられた。
「ん? 犯罪者って誰だ?」
「わからないんですか……?」
全く覚えがない。意味すら分からないぞ?
「って、破棄しましたね? とりあえず戻します」
瞬間、思い出した。思い出してしまった。
思い出したくなくて破棄したのに!
思い出したから仕方ない。
俺はウィンドウを表示させた。
うん。真っ赤な液体で何も見えん。とりあえず、反射率変更っと。
そして、透明になった王水の中にいる生物がみつかった。
チューブだったはずが、大量の点滴をされている。
「なんだこれ……?」
「ええ。エリクサーじゃ餓死しますから、圧縮栄養点滴です。胃にも直接圧縮した食べ物を入れてますね」
いやー、てか怖い。
全く動かないうえに、なんかニヤケてるぞ?
下の方に糞尿たまってるしってか、金魚みたいになってる。
「壊れちゃいました」
うん。それがわかりやすい。確かにこれは壊れてる。
「いっそ、直して風俗にでも入れますか? 精神以外なら直せますよ? 精神も直せますが」
「死んだ方が幸せだろこれ……?」
「そうですねー。一日もあれば骨まで溶解します。エリクサーなしならですが」
俺は遠隔操作で、全ての点滴の針を引き抜く。
そしてウィンドウを閉じた。
「ふう。てかさー、また恐怖政治みたいになったっつの。犯罪率減ったけどさ」
「それならそれでいいじゃないですか? あのイベントの効果ってことです。お兄様に反抗する人間も減りますし」
イベントときたか。
まあ、愛されてるっちゃ愛されてるんだが……。
ヤンデレどころじゃないぞこれ。
とりあえず、ルイズの記憶は破棄しよっと。
「さて、184区以降の発展はどうなってるかな」
「いきなりですね?」
「え? なんか話してたっけ?」
「……破棄ですか。いいですけど。そうですねー、おおよそ順調。こちらの職人の指導のもと、街起こししています。いずれその人間も職人になるでしょう。あとは、人口過多だったので、この大陸以外の開拓した土地に移住させている人もいます。ついでに、184区以前の区域では、ベビーブーム到来です。すごいですよ? 女性の平均出産人数4人です。時間がたてばまだまだ増えますね。それで移住者もいます」
ちなみに184区以降はロバ・アル・カリイエだった場所だ。387区以降が未開拓地だった場所である。
にしてもベビーブームか……。確かに、世界人口4億人程度しかいないから、それは助かる。
「てか資源が余りまくってるんだよね。人口少ないのに星だけは地球並みだし」
「ですねー、星の開拓も始めましたしね」
そうだなー……は?
「待て待て、いつ始めた? てかそんな技術あんのか?」
「ええ。先に銀河間移動できる星の人間が通りかかったので、頭の中覗きました。そこに知識があったんですよ」
ああ、そうなのか……むむ。
「この星って攻め込まれないか?」
「まだこの星は銀河惑星管理協会に登録されていませんからね。干渉したら犯罪です」
そんなのあるのか……。
にしても、登録はしない方がいいが、知識だけはほしい。
「それってこの恒星系内での開拓ならいいのか?」
「はい。銀河系を移動しちゃいますと登録必須です。登録しないでいると、向こうからきちゃいますね。最悪滅ぼされます。銀河の皇族とかもいるっぽいですよ?」
束縛は嫌だな。
「ちなみに、未来のご主人様は皇帝も兼任していたりします」
どんだけすごい人間になってんだ俺?
「そりゃそうですよ。だって、ナノマシンを無限に増やしているので、銀河群すべて手の中です。破壊しろって命令するだけでこの次元一瞬で消滅です」
確かに、管理と言う点においてこれ以上ないくらいだな……。
「なあ、やっぱナノマシンって増やした方がいいのか?」
「ですねー。入ってくる知識もけた違いに増えますし。進んだ文明から獲ってくれば最強です」
いつか干渉されても、このままじゃ負ける。
今の現状じゃ、後進惑星の地球くらいしか制圧できない。
やはり銀河系くらいは治められないと……。
「未来の俺ってさ、銀河群トップか?」
「ですねー。銀河群の上、宇海群のトップですが」
もう次元がわからない。
惑星<恒星系<銀河系<銀河群<宇海<宇海群
どんな勢力圏だ。
「あ、でも主に納めてるのは銀河系三つです。首都みたいなものですね」
どっちにしろこのままじゃダメか。
《マスター:再分裂:最速》
リーンを見ると、目を見開いていた。
「いいんですか? あ、三つ銀河系が勢力圏に」
「まあ、次元さえ超えなければ俺が指示出来るしな」
「あ、でも。星さえ壊すなって命令出しておけば、大丈夫です。今のごお兄様なら細かい命令も出来ます」
そうなのか……。
《ワールド・ドア》
背後を振り向くと、テファとジョゼットが小さな窓を幾つも開けていた。いや……ってか、外まで続いてるぞ? この大きさだと数億とか続いてそうだ……。
「「兄さん(お兄ちゃん)が喜ぶと思って?」」
いやいや、そんなかわいらしく首を傾げられても……。
「一応今出て行ったナノマシンに命令すれば戻ってきますよ? 今のままだと最速で分裂状態です。このままなら、星を破壊しないように命令しないとだめですね」
「いや、いい。このままにしておこう。そういえば、これ何処につないだ?」
二人は首を傾げていた。適当なんだな……。
「座標はこちらで感知できますし、双方からナノマシンをぶつければ、壁も開けられますよ。あれ?」
リーンが、『そうか……この方法が』とか言ってるが。
「テファさんジョゼットさん。ハルケギニアの過去に穴を開けてください」
二人は頷き、ハルケギニアの過去に穴を開けた。
瞬間、脳裏に膨大な情報があふれる。てか頭いてー……。
てか、俺以外も膝ついてるぞ……っつぅ……。
ホント鈍器で殴られたような痛みだ……。
「皆さん! 並列回路を増やしてください! 全てナノマシンに委譲するつもりで一気に! 構成ナノマシンが悲鳴を上げています!」
どうりで、身体がゆがみ始めてると思った、てか消えかけてる。
この惑星全体を使う程の並列回路を構築し、なんとか落ち着いた。
更に常時自動で増やしていかないと追いつかない。
「はあ……何したんだリーン?」
「そうですね、先ほど別の次元に穴を開けた時、一気に情報が増えました。理由は過去に穴をあけたからです、ですが、わたしたちが繋いでいるのは現在の時系列。だから過去からずっと増え続けたナノマシンを感知出来るんです。それをヒントに、ハルケギニアの過去でナノマシンをばらまいたことにして、現在の時系列で繋げると、一瞬で膨大に増えます。ナノマシンへの命令は星を破壊するな、無限に分裂しろ、最速。これです」
ああ。だからか。てか、人間ってこんないたのか……人間っぽいのの方が多いけど。
「いわば宇宙人って奴ですね。人間の見た目でも中身が全く違うのもいますねー。あ、この情報すごいです。これ情報だけ転写すればいますぐ星の開拓出来ます。てか、この無から有を生み出す技術ってなんですか! 原則無視ですよ!」
いやいや、俺らが原則無視したような存在だろ? 情報の転写で複製作れるぞ? 転写は俺しか出来ないけど……。権限与えてるからリーンもできるのか。
「ご主人様ーすごいですこれ! 空間を操る魔法! ちょっとこれ使えるように権限書き変えてください! 亜空間でミラ牛大量生産です!」
そんなことのために亜空間構築すんな! てか、すげーなこれ。
「神みたいだなこれ」
「次元移動、時間移動出来るので、神超えてるかもしれません。お兄様の神データがあってればですが」
亜空間使えば世界宝玉も作れるな。
無から有を作れるっていいな、これ創造魔法じゃね?
「あ……」
「どうしたリーン」
「黙ってください!」
ビビった。リーンが俺にこんなこと言うの初めてだぞ?
数分後リーンは一息ついた。
「どうしたんだ?」
「ハッキングです」
「は?」
「これは多分皇族ですね。皇族の散布ナノマシンをこちらが喰いつくしました。こっちのほうが優秀だったみたいです。まあ、代々受け継がれてるナノマシンですからねこれ。何代前のご主人様が作ったかもわからないくらい受け継がれてますし。改良されまくりです。で、そのナノマシンにハッキングしてきたのですが、逆に相手の制御を奪い取ってやりました!」
そんな胸張って犯罪宣言しなくても……。
「でも…まずいですね。まだ気付かれてませんが、これで皇族はおろか、宇海群に存在する銀河惑星管理協会全て敵に回しましたね。必然的に高次元文明惑星全て敵です。一万年以内に確実に気付かれます。破壊しましょうか? 邪魔ですし」
いちいち言うことが大きいうえに物騒だ。
「まだいい、とりあえずこっちの文明レベルを上げよう。先進惑星の機密知識を融合させれば、自衛くらいは出来るだろう」
「ですね。とりあえず、最低でも人類の数を数百兆人程ほしいです。数は武器にもなります。それだけで、宇宙に出れる大艦隊にもなりますから。ですから、惑星を転写しましょう。この恒星系の惑星は12。この程度じゃ足りません。疑似太陽は簡単に作れるので、いくらでも大丈夫です。目安は120。引力に引っ掛けられる位置でお願いします。起動に乗る演算はこっちでやりますので」
はあ……せっかく世界統一したのに……次は銀河か? 終わりなくね?
―――5000年後
気づいたら五千年、なんちゃって?
実際五千年経ったけどさ。
現在の住居は王星に建てている。これは、王専用の星と言えるだろう。
一つ一つの星に住む生物はあまりいないが、120の星を管理している。
まだ全人口あわせても十兆くらいだろう。
韻竜の生体構造を変えたおかげで、魔力さえあればいくらでも子供が作れるようになり、韻竜も同数近くいる。まあ、魔法が使えないから大きいだけだけど。
禁止しているが、普通に転移以外でも銀河系に出れる文明レベルだ。
ハルケギニアが六千年で中世レベルだったとは思えない程の進歩だ。
年齢はバイオテクノロジーの合法化により、平均200歳程だ。まあ、脳を変えないって規制をしているのでだが。
今でも俺の傍にいるのは、ミラ、テファ、リーン、シャルロット、ジョゼット、ルミア、使用人のエリー、韻竜のラルだけだ。
エリーなんて永久使用人だ。まあ、立場的にはかなり上位なのだが、俺の使用人兼補佐を続けたいらしい。
他の奴らは惑星管理を少なからずしている。
それでも50くらいは俺がしているのだが。
韻竜のラルは、実験として俺の子供を産んだ副作用で不老不死だ。
ちなみに、韻竜との子供は逆になっただけだった。
人間が本当の姿で、化身で何故か竜になれる。しかも魔法を使わなくてもなれるってのが面白い。まあ、意識しないと、竜みたいな翼が背中から生えるけど……。
第二期ナノマシン、ウルと言う名前の女の子である。年齢を若くは出来ないので、何歳で止めるか決まるまでは7歳で止めている。だが、何故か竜の方は成長して、40メートル程になっている。まあ、それは置いておいても自分の子供はかわいい。ミラは子供を先に作られて泣いていたが知らん。
ギーシュは250歳まで生きたがそこで亡くなった。
なんでも、先に死んだら妻が悲しむから、最後に死ぬと言っていた。その通りに最後に死んでいったのだ。俺は初めて泣いた。250年、ギーシュとはずっと仲が良かった。初めて出来た友達でもあったのだ。なんとかして延命したいと申し出たが、向こうで妻が待っていると言われ、断念した。
「ご主人様ー、わたしの管理してる牛星がピンチです~」
五千年経てば性格が変わると思ったら甘い。
俺達は膨大な並列思考を持つ、それを全て変えるのなんて五千年程度じゃ無理だ。
何かに影響を受けようとも、そんなちっぽけな事では容量的に残らないのだ。常に宇海の情報を並列で監視しているのだ。それを監視している情報量を考えてみてほしい。影響なんていうちっぽけな容量すぐに消し飛ばす。
ってわけで、まったく変わっていない。
俺は子供が出来てから丸くなったらしいが。
「あー? それはお前がミラ牛増やしすぎるからだろ? どんだけ臭いんだよあの星」
「ご主人様~転写を~」
ミラがすがりついてくるが知らん。
「パパ~、てんしゃ~」
「ん、何してほしいんだ? 何でもするぞ?」
「差別ひどすぎる!」
だってかわいいだろ? ウルかわいすぎる。
「ん~、おかし!」
首を傾げ、思いついたようで満面の笑みを見せてくれる。
《物質転写:情報より引用》
バサバサと大量にお菓子が現れる。
「ご主人様~」
「あーはいはい。権限やるから勝手にやれ」
「ぞんざい……」
いいから早く直して来い……。
ッ!?
バっと立ち上がる。
同時にウルや部屋にいたミラも立ち上がる。
その後に、ナノマシン化したやつらが部屋に転移してくる。
「データ照合:神と人間のハーフ、半神と断定。数532。変質しています。次元を突破してきたようです。位置、N-38無人恒星系。その内一名が人間。ですが、神殺しにより神の力を奪い取っております。目標お兄様と断定。あと――」
リーンに言われなくてもわかる……これは……。
「532の半神。神の遺伝子はお兄様に適合。お兄様の子供で間違いないです」
なんだかジトっとした目で全員に見られてるし……、ウルは涙目だ。
「いやいや、勘違いするなよ? 俺が神の時だ。つまり前世? 俺には罪アリマセンヨ?」
「お兄ちゃん……確か前世の記憶あるよね?」
「……」
無理。誤魔化せないっす。
「てかこいつらさ……周囲のナノマシンが怯えて離れて行ってない?」
「神に喰われています。直接命令して物質化すれば攻撃自体はあたりますが、浸食は出来ないので、ここから殺すことは不可能ですね。どうします?」
話題の擦りかえ成功。
「行くしかないだろ……? とりあえずラル、ウル、ルミア、エリーは留守番かな?」
「どうしてパパ~? ウルもなのましん使えるよ?」
そんなウルを撫でてやる。
嬉しそうに目を細めて笑むが。こんなのみたらますます無理だ。
「パパはウルをそんなところに連れて行きたくないからね。エリーとルミアは戦闘慣れしてないからダメだ。ラルは……」
俺はラルの耳元に口を寄せる。
「もし……、もし俺に何かあったらウルを頼む。絶対に不幸にさせないでくれ」
「……約束。絶対貴方も無事で帰ってきて。この年で未亡人なんてヤっ」
確かにすごい年だが……。てか涙目になるな、ウルが心配する。
返事はせず、俺は背を向け、転移する。
多分……この反応だと俺でも死ぬかもしれない。ナノマシンごと喰われる……それは俺達の死を意味するのだから。
眠い。昼なのに。
キリがよくないけどこの後は帰ってから。
途中経過や、各人物の終生は閑話で書きます。
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