このSSは、ゼロ魔とアルシャード・ガイア(オリ主)のクロスです。
ゼロマ・2‐2
一通りの買い物を済ませたオレ達は、ギルドで発注を終えたロングビルさん達と合流して昼食を取る事にした。
そう言えば、
「おかしい。お昼には、ココに来るように言っておいた」
タバサが言うとおり、イルククゥが戻ってきていない。
まぁ、出発の時刻までには戻ってくるだろう……あれ? なんか忘れているような気がするが……なんだったっけなぁ?
「ん? どうしたのイツキ?」
「……いや、な~んか忘れている気がしただけだ」
「?」
特に重要なことじゃないだろうと、ルイズ達と共にそれなりに高そうなレストラン(?)に入っていく。
どこかで、
『おれっちを買ってくれー!』
と、泣き叫んでいる剣がいた気がしたが気のせいだ。
閑話休題。
オレ達が入った飲食店は、そこそこ儲けている商人などが利用できるような小奇麗なレストランだ。さすがに超のつくような高級店には、学生の身分で(金銭的な理由で)おいそれと入るわけにはいかない。それに、平民のオレがいるのでそう言う場所はNGだ。この店は、それなりにお金を持っている人達も利用しているようで、利用客からはそれなりにいい評価を受ける内装や接客サービス、それに料理も美味いのだとか……。
しかし、洋風の食事にはまだ慣れんな。
パンが主食なのは分かる。オレも朝食にはお世話になっているし、お昼の時間のない時などにも重宝している。まぁ、正直に言うと少し食い応えに足りないのだ。
チラリと横を見てみると、
「パクパクパク………」
タバサはサラダの山をシュレッダーにかけている……。やっぱりルイズみたいにパイにすればよかったか? そういや、肉類のパイも西洋料理にはあったよな?
オレがそう思っていると、
ガタン!
「あら、どうしたのタバサ?」
「……なんでもない」
いきなり席を立つタバサ。なんか心なしか顔色が悪い。
「のどに詰まらせたのかのう?」
アスナが水を渡すが、たぶん違うだろう。
タバサは、一応それを受け取って席に戻る、すると、
「そう言えば、最近王都に住んでいる女の子が行方不明に成るっている事件が起きているらしいな。
行方不明になっているのが平民ばかりだから、王室は何の対処もしていないようだが……」
「ぶっそうねぇ、フーケとか言う盗賊も出回っているみたいだし……トリステインも治安が悪くなったのねぇ」
隣の席での会話が聞こえてきた。たわいもない世間話なんだが、行方不明者に盗賊ねぇ……あれ? イルククゥに行方不明者……。もうちょっとで思い出せそうなんだが、思い出せな、
ピキュイーン! <運命の予感>!
あぁ、そうだよ! 誘拐イベントがあったじゃないか外伝で! たぶん、彼女はそれに巻き込まれている可能性が高い。だからタバサの様子がさっきから変なんだ。使い魔とのパスで、イルククゥの以上を知ったのだろう。さて、どうするか……、
「さてと、食事も終わったことだし……コレからどうする?」
「……彼女が心配、探してくる」
会計を済ませた後、キュルケが聞いてきた。ルイズはどうやら剣を買いたいようだが……アスナがいる限り無理だろう。で、タバサが最初にイルククゥを探しに行くと言った。
*
そして今オレ達は、あまり衛生的よろしくない通りを歩いている。
理由は簡単。オレがイルククゥの捜索を手伝うと言うと、キュルケがそれに賛同。なし崩し的にルイズも引っ張られての捜索活動となった。
それにしても、情報収集なんかで活躍できるスカウトがいないパーティーでシティーアドベンチャーとは……。せめて土地勘があるであろうルイズ達が頼みか。
とりあえず、タバサの頼んだ用事とやらの場所――本屋に行ってみたが、収穫なし。そもそも、蒼く長い髪のメイドさんが来店したという証言すら得られなかった。
しょっぱなから手がかりがゼロ……。
「誰か見なかったか聞く」
「そうするか」
タバサの案に従って個々に聞き込みを始めるが、
「き、貴族様お許しを!!」
「ちょ、ちょっと! 私は蒼い髪の……」
もっとも、あの様子じゃルイズ達はまともな聞き込みなど出来そうもないな。さっき使ったから<運命の予感>の残り回数は、二回か? もう少し取っておきたいが……、
「背に腹は変えられないな……」
発見が遅くなるほど、彼女たちの救出が難しくなる。特に国境を越えられてからではアウトだ。それまでに足跡を見つけなければならない。
<運命の予感>!
「……あの、貴族の従者様、蒼い長い髪のメイドさんを探していらっしゃるのですか?」
「あぁ、迷子になったみたいでな。どこかで見ませんでしたか?」
「はい、私どもの経営している食堂で食事をなさっていきました」
「それで?」
「はい、手に持っていたお金の分だけ食事を済ませると……出て行かれました」
はい、嘘ですね? 原作でもお金を使い切って追い出していたでしょ? まぁ、今のところそれを追求する必要は無いか……。
「その後の事は、何か分からないか?」
「え~と……」
………まぁ、大体の事は判った。お金を使い切った彼女は、お金と食事を恵んでもらえないかと奔走。すると、気の良さそうな人が現れて……、
「のこのこついて言っちゃったわけね」
「……後でお仕置き」
そう言うわけで、オレ達はイルククゥが連れて来られたと思われる場所へと向かっている訳なのだが……。
「しかし、本当に汚いな……。伝染病でも発生するんじゃないか??」
そこらかしこに放置されている汚物と、それに群がる蟲、虫、ムシ!! ちょっと大通りを外れただけでこれか……。
「伝染病かは分からないけど……病気が多いのは確かね」
「清掃事業の公務化を推奨するぞ?
一時的に国の財政面を圧迫するが、病原となる汚物が減って人口が安定する。それに、ともなっての税収の安定化が見込める。
さらに、清掃業で収入を得た人達――下級貴族や没落貴族がモノを買うようになれば商業も活性化し始める」
「そんなの貴族のやることじゃないわ! 魔法をそんな事に使うなんて……」
「私利私欲で、己のちっぽけなプライドを誇示するために無礼打ちするよりは、マシな使い方だと思うがな?
それに、貴族は平民を導くためにあるって始祖ブリミルは言っているんだろ?」
「そ、それがなによ?」
「導くって言う意味を考えた事はあるか?
いや、導く先か……。
ルイズが貴族として平民を導く先は……家畜小屋か? ゴミ溜めか? 肥溜めか?」
「っ!?」
「……これも課題だな。ルイズ、自分に問いかけ続けてみろ。そうしたら、いつか答えが見つかるかもしれないぞ?」
無言になるルイズ。まぁ、考えているんだろう。
オレ達はそのまま、魔法薬を扱っていそうな店を通り過ぎてその隣の武器屋も………、
「お、オレッちを買って……!」
「デル公黙ってろ!
客がこねぇんだから騒ぐんじゃねぇ!!
これ以上騒ぐんだったら棄てちまうぞ!!!」
……まぁ、気かな事にしよう。そのまま通り過ぎていった。
*
あれからしばらく道を進み、
「まいったな……」
手がかりが無くなった。
そこらへんを屯している連中から、イルククゥの情報を収集をしながらココまで来たが、
「だめね。ここら辺じゃ誰も見ていないって」
屍累々……ではないが、ボロボロになったゴロツキを投げ捨てながら、やれやれといった風にするキュルケ。原作では、邪魔だからと窓ごと恋人(笑)をたたき出すようなバイオレンスさがあったが……。
「あら、ゲスな男には容赦する必要なんて無いじゃない?」
左様で、
「もう! どうするのよ……って、タバサ、それどうしたのよ?」
「財布」
路地裏から出て来たタバサが、小銭袋のようなモノを皆に見せる。中身は空っぽのようだが……、
「後でお仕置き」
どうやら、イルククゥが落としたものらしい。って事は、それが手がかりか……。
財布が落ちていた場所は、狭い路地の袋小路だそうだ。ここは道が狭いから、あんなに目立つ蒼い長髪のメイドを見ていないヤツがいないのはおかしい。
「おい、ホントに蒼い髪のメイドを見なかったのか??」
「ひぃ!! み、見ていないんです! ホントなんですって!」
「お、オレもそこの路地に男と入っていくのを見たけど……それしか見ていないんだ!!」
まいったな……、
「やっぱ、あの娘はなんかヤバイ事に巻き込まれているかもな」
「え、なんで?」
「さっき食事をした店で、この街で若い娘の行方不明者が続出しているらしいって噂を聞いてな」
「え、そんな噂があったの?」
いや、結構大きな声で言ってたぞ? 聞こえてなかったのか、
「あったんだよ!
そんで、物乞いをするイルククゥは……」
「絶好のカモ」
うんうん、タバサは頭の回転が速くて助かる。
「じゃぁ、彼女は人攫いか何かに連れ去られたってわけ??」
「そう見るのが妥当だな」
物乞いをする若いメイドさんと、不振人物に路地裏。きな臭いにも程があるぞ? さて、ここで足取りが判らなくなったって事は、
「おい」
「ひぃ!?」
「そう脅えるな。その男だが、あの路地に入っていくのしか見てないのか?」
「あ、あぁ。オレもずっとココにいた訳じゃないから断言できないが、出て来たのを見ていないぞ」
「じゃ、ここら辺ででっかい袋を担いだヤツを見たか?」
「でっかい袋?」
「あぁ、小麦の袋よりもでっかいやつだ」
「そんなでっかい袋、ここら辺で担ぐヤツなんて見たことないよ! 邪魔になるだけだし、いいカモだよ」
「……分かった。もう行っていいぞ」
オレがそう言うと、チンピラ達(?)は一目散に逃げてしまった。
「ちょ、どうするのよこれから! ……って、何処行くのよ!?」
オレはそのままルイズの脇を通り過ぎて、イルククゥが消えた路地に手をかける。
「さてルイズ、ココで問題だ」
「は?」
「道の塞がった通路。左右にはドアもなく、もちろん前の壁にもドアはない。
この条件で残っている道は?」
「ちょ、そんな……」
「上。
土のメイジなら壁を壊して、直せば道になる。
だけど、それらしい跡はない。
だから上か下。
でも、下には掘り返した後がない」
「うん、タバサ正解」
そう言うと、オレは路地に入って置くに進み、他の奴らもついてくる。
「そんじゃ、この壁の向こうは何があるか分かるか?」
「そんなの知らないわ」
「オレもだ。だから……」
「ワシの出番じゃな」
時空鞘から“魔剣アスナ”を引き抜き、<チャンバーシステム>が使用済みになり空っぽになった魔法弾の薬莢を排出する。
そして、
「ハアァァァァァ!!」
<ブーストアタック>と<チャージショット>を乗せたアスナの斬撃が、路地を封鎖していた壁を粉砕した。
「ちょ! アンタ、一体なに……!!?」
「いや~、老朽化って怖いな。突然崩れてくるなんて……」
オレはそう言いながらアスナを時空鞘に仕舞い、瓦礫を超えてその向こう側へと抜けていく。それに習って、
「ホ~ント物騒よね。まぁ、トリステインは貧乏だから仕方ないか」
「物騒物騒」
キュルケとタバサが瓦礫を超えてくる。後に残されたのはルイズだけ。野次馬がやってくる前にさっさとこっちに来いと、オレ達は目だけで早くしろと詮索する。
「あ~もう! ホント、王都の整備に手を抜かないで欲しいわ!!」
そしてしばし躊躇した後、ルイズは瓦礫の山を越えた。
あとがきと言う名の何か
アスナ「みんな久しぶりじゃのう。剣精のアスナじゃ」
テファ「お、お久しぶりです。ゲストのティファニアです。
今回は、えぇ~っと……(ペラペラ)、してぃーあどべんちゃー? って言うんですか?」
アスナ「うむ、TRPGではそう分類される演出じゃな。
多くのファンタジー系TRPGでは、迷宮にもぐって探検するダンジョン形式が簡単かつ主流じゃ。
じゃが、魔法が隠匿され科学主体のブルースフィアでは、街の中を探索して事件を解決するシティーアドベンチャー形式のゲーム進行が多用される」
テファ「そうなんですか~」
アスナ「うむ、もうちょっと街での演出が欲しいところなのじゃが……こればっかしはのう」
テファ「作者さんの腕……ですか」
アスン「うむ」
………
テファ「え、えっと、一つ気になった事があるんですけど……。
このるーるぶっくに載っているさんぷるきゃらくたー達には、基本クラスと言うのがあるのですが……イツキさんにはありませんよね? 何でですか??」
アスナ「うむ、イツキには基本クラス――ファイター、スカウト、ブラックマジシャン、ホワイトメイジのどれも取っておらん。それは、ルールブックには必ず基本クラスを習得しなければならないとは書かれてはいないからじゃ。
ついでに言うと、イツキは一人でハルケギニアを旅する必要があったため、万能系の加護である<ガイア>が他の加護の代わりにもなるからじゃ」
テファ「そ、そうなんですか……」
アスナ「うむそうなんじゃ……っと、もう時間じゃな」
テファ「あ、もうそんな時間でしたか……。
それでは、ご意見や感想お待ちしておりま~す」
アスナ「もしかしたら、誤字や脱字の報告も待っておるぞ?」
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