プロローグ
雨の日は苦手だ。激しく降る雨はなおさらに。ザーザーと音を立てて天から降り落ちる雨粒たちに四方八方囲まれて、自分一人だけがどこか狭い場所に閉じ込められている気分になる。
――もちろん、そんなのは俺の感傷にすぎないと分かってはいるのだけれど。
その電話が掛かってきた日も、雨だった。
「豊川市民病院ですが、結城さんのお宅で間違いないでしょうか?」
窓の外からは雨音。「はい」。そう答えた自分の声もガラスの向こうから聞こえた気がした。
「結城健一さんが亡くなられました」
あぁ、雨の日は嫌いだ。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。