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カンナのカンナ 異端召喚者はシナリオブレイカー 作者:ナカノムラアヤスケ

第五の部 異端者の日常

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第五十話 水も滴るのがいい男だけとは限らない

祝PV十万越え!
そして話数五十です! 

ようやっとレアルな回です。
 俺の突飛な思い付きにクロエが食いついてからさらに数日が経過した。

 流石に素人の考えなので問題点はあるが、試しに実践してみるとクロエなりに光が見えたようだ。涙を流す勢いで感謝された。やる気の漲る彼女は依頼のランクをCからD帯の物へと変更して、依頼を手早く終えた後の余った時間を特訓に費やしている。

 俺はといえば、美味しく頂ける魔獣の狩猟が無いので若干気落ちしつつ、それでもそれなりに依頼をこなしていた。食用以外の魔獣狩猟も、購入した魔獣図鑑のおかげで予習ができて随分とスムーズに行える。

 そんなある日のことである。

 美味しいと食堂の従業員さんに聞いていたが直ぐには食指が伸びず、だが我慢しきれずに選んだ魔獣狩猟を終えた後である。今回も狩猟の場は近隣の森だったので昼を迎える頃にはドラクニルへと戻れた。依頼完遂の処理をし、食堂に件の魔獣を預けて昼食を取り、さて夜までいかにして時間を潰そうかと考えていると、町中に見知った顔を発見した。

「よぉレアル」
「ん? ああ、カンナか。一週間ぶりだな」

 偶然に遭遇した彼女は、いつもは背中に差している大剣を今は携えていなかった。

「…………サボリか?」
「失敬な。溜まっていた仕事が一通り処理し終わったから少し余裕が出来ただけだ。最近は机に座りっぱなしで色々と肩が凝って仕方がなかった」

 彼女は苦笑しながら肩に手を置き、軽く首を回した。や、その肩こりは書類作業だけではなく、どう考えても胸からぶら下がっている二つのスイカのせいだと思う。口に出した瞬間、俺の頭がスイカ割りのようになりそうなので言葉にはしないが。

「君こそサボリか?」
「俺は依頼を終えた帰りだ。そうだレアル、この後予定とかあったりするか? 無かったらどっかで茶でも飲もうぜ」

 俺は特になにも考えずに彼女に言った。心境は、久しくあった友人と話がしたい、という気分だ。

「そうだな。行く宛もなく暇を持て余していたところだ。お誘いに乗ろうかな。そうだ、まだ君はこの近辺の地理も疎いだろう。美味しい茶を出す店を知っているからそこへ行くか」
「お、さすがは地元人。頼りになるねぇ」

 こうして俺たちは午後の暇を同道することになった。

「にしても、おまえさん休日だってのに相変わらずの格好な」

 剣こそ背負っていないが、彼女の格好は相変わらずの軽鎧姿だった。

「生憎とこれ以外に外へ出歩けるような服が無くてな。もしかして変だったりするか?」

「や、普通に似合ってるしむしろ自然だが、な」

 町を歩いていれば偶に同業者らしい鎧姿の者と擦れ違うし、彼らに対して町の住人はほとんど反応を示さない。冒険者の存在が生活に溶け込んでいるのだ。よって、レアルの軽鎧姿も別に違和感はない。

 無いのだが…………。

「休日まで鎧着てんのは堅苦しくないのか?」
「毎日着て慣れてしまえば案外楽なものだ。それにその…………悲しいかな、私の『サイズ』に適した服が少ないのだ」

 彼女が言い淀んだ部分を追求しない程度には俺もマナーを弁えている。男にとっては夢と希望と愛と浪漫と夢とその他諸々がこれでもかと言うほどに詰まっているのだろうが、女性にとってそうとは限らない。

 今着ている鎧だって胸部を覆う形の物だが、レアルのサイズに寸法を調整した特注品だという。着慣れているのならば無理して別の服を選ぶ必要もないか。

 ただ、俺の個人な感想を言えば、だ。

「それに、私のような武骨者に似合う服などあるはずも無い」
「そうか? おまえは美人さんだし、ちょいと着飾ればそこらの野郎共の視線を釘付けにするとは思うがな」

 人様の美に点数が付けられるような目利きを持っていると断言できるほどに肥えた目は持っていないが、それでもレアルの美貌は飛び抜けていると断言できる。

 あの巨剣を自在に振り回す膂力を持っていながらも、彼女の体躯は本職モデルも驚きのバランスを持ち、それでいて鎧の奥には女性的な肉付きも秘めている。顔立ちにしても、艶のある長い銀髪にとがった耳。凛々しさを秘めた目。絶妙な顎のラインを総合して満点を付けたくなる美人だ。

 現に、普段と変わらない鎧姿であるのに、すれ違う野郎の視線が彼女の後ろ姿を追っている。カップル連れの野郎であってもだ。これで衣装を着飾ったらちょっとした騒ぎになるんじゃね? と言うレベルだ。

 …………なんかそれの様子を想像するとモヤっとしたな。

「ん?」と内心の変化に首を傾げる俺だったが、そこを深く考えるよりも先にレアルが口を開いた。

「き、君も冗談が上手いな。わ、私のような色気の欠片も無いような女を煽てても何も出ないぞ?」
「や、別に冗談じゃ無いんだけど…………」

 否定を口にしながらレアルの顔を見ると、普段の凛々しさがナリを顰め、頬を少し赤らめていた。そんな彼女と目が合うと、レアルは慌てたように顔を逸らした。

(おかしい。彼に言われると変な気分になるな。部下や上司に「綺麗だ」なんだと言われても全く何とも『欠片』も思わないのに)

 あらぬ方向を見ながらブツブツと呟く彼女の小声を俺は聞き取れなかったが、なにやら悩んでいるようだ。あまり自分の美貌を誉められるのに慣れていないのかもしれないな。

 と、不意に背筋がビリっとした。

「ちょっとレアル、たんま」

 唐突に足を止めた俺に、少し先を行ってしまったレアルが振り向く。まだ赤かった頬だが、俺の眉に刻まれた小さな皺を見て表情を引き締めた。

 俺が立ち止まったのは、ちょうど通りかかった路地裏の入り口。視線は日の余り届かないその奥へと向けられている。

「…………『例』の気配か?」
「いや、完全に別物。ただ、あんまりよろしくない空気なのは間違いないな。ただの勘だが」
「その君の勘に助けられた私が今更それを疑う筈もないだろう」

 彼女の真摯な言葉に俺は小さく笑った。そして、互いに頷き合うと、俺たちは同時に駆けだし路地裏の内部へと突入した。

 奥へと進むにつれて、入り口で察した気配がより顕著に感じられた。

「野郎三人に女一人」
「その組み合わせの時点で何が起こっているのか判断できるな」

 大方、如何わしい行為に及ぼうと男三人が女性を路地裏に連れ込んだのだろう。奥を覗くには結構深く、真昼に大声を出しても表通りの喧噪にかき消されて届かないだろう。

「自慢の相棒が無いけど大丈夫か?」

 レアルの背中を指さすが、彼女は不適に笑った。

「こんな狭いところで『アレ』を振り回せば、『被害が馬鹿にならん』。それに、そこらの相手に素手で負けるほどに柔ではない」

 すげぇな。路地裏は表の通りに比べて格段に狭い。レアルの得物である長剣を振り回すには本来は不利のはずなのだが。言外に『周囲の壁ごと破壊して』剣を振るえると宣言したのだ。頼もしいと思うのと同時に恐ろしいとも感じた。その凄まじい腕力から繰り出される打撃は果たしてどれほどの威力か。

「そちらこそどうなんだ?」
「馬鹿言うなよ。路地裏喧嘩は俺の真骨頂だ」

 奥へと進むと、行く道の先に袋小路。そして思っていたとおりに、男三人と女性一人を発見する。

 女性は奥の壁に背を預ける形で、そしてその女性を三人の男が囲うような立ち位置だ。こちらから男達の表情は窺えないが、女性の顔に張り付いている恐怖の表情が、俺の勘の正しさを裏付けていた。

「レアル」

 俺は即座に拳よりも少し小さな氷を生み出し、レアルに投げ渡した。こちらの意図を察したレアルはそれをキャッチすると足を止めた。逆に俺は足に力を入れてさらに加速する。

 俺たちの駆け足の音に気が付き、男三人のうちの一人がこちらの方を振り向いた。だが、そいつが何かしらの反応を示す前に。

 ヒュンッ。

「くぺッ!?」

 レアルが投擲した氷の礫が鼻面に突き刺さる。無様な悲鳴を上げてその場に崩れ落ちた。

 仲間の一人が突然悲鳴を上げたのに驚き、他の二人も慌ててこちらへと顔を向けた。しかし、既に俺は射程圏内にまで踏み込んでいる。手甲を装着した右の拳を残った二人の片割れの横面に叩き込む。手加減をしてはいるがそれでも鉄製の板が覆う拳だ。弾かれたように横へと吹き飛ぶと、そのまま動かなくなった。

 俺は一人を殴り飛ばした後、勢いをそのままに走り抜け、最後に残った男一人と女性の間に立ち塞がる位置までたどり着く。

 突然の乱入者に、有無言わさずに倒された仲間二人。状況の急変を即座には受け止めきれず、残った残った男と女性は目を白黒とさせていた。

 喧嘩の常套手段の一つは先手必勝だ。特に集団戦ならば、不意打ちから一気に制圧してしまうのが好ましい。本来なら残った一人も一気に殴り倒してしまうのだが、今回は女性の安全確保を最優先にさせてもらった。

「昼間からうら若き女性を無理矢理手込めにしようとは、帝国臣民にしては随分と不実な者もいたものだ」

 俺とは僅かな時間差で追いついたレアルの失望を含んだ声に、男はようやく状況を飲み込んだのか、怒りと狼狽えが混ざった表情を浮かべた。

「お嬢さん。あんたはあの不届きな輩に無理矢理路地裏に連れて込まれた、ってぇ認識で間違いないよな」

 体は男の方に向けたまま、顔だけを振り返り背後の女性に声を掛けた。女性は小さく肩を震わせたが、怯えながらも俺の言葉に首を縦に振った。嘘や偽りの気配は感じられない。俺の行動は早とちりの勘違い、という展開はなさそうだ。事実確認に一安心。

 や、ほとんど確信はあるのだが。有月の奴がたまに前後関係すっ飛ばして割り込んで実は盛大な勘違いでした、なんて事もあったから、念のためだ。

 俺が娘さんに確認したことで、男が口にしようとした反論は一切封じられた。本当に疚しいことがなければ即座に反論が飛び出るだろうが、逆であれば言い訳を考えるために思考が割かれる。頭が混乱して言葉が出ないと言う可能性もあるだろうが、男は苦虫を摩り潰したような表情を浮かべる。その反応が全てを物語っている。意味を持たない唸り声を上げるのがやっとだ。

 男は自らが絶対的な不利を悟ったのか、悔しげに舌打ちを残すとレアルの方ーー路地裏の出入り口へと反転すると、仲間を置いて走り去っていった。

「いいのかレアル、見逃して」

 去り際に男はレアルと擦れ違ったのだが、なぜか彼女は男の逃亡を黙って見送った。てっきり、きついお灸を据えると思ったのだが。

「現行犯ならともかく、まだ女性に乱暴を働いていない未遂の段階だったからな。ただ、顔はしっかりと覚えた。次に同じ様な馬鹿な真似をしでかそうとしたら、出すところにしっかりと出すつもりだ」

 …………と、言う割には先制攻撃で迷わず一人を昏倒させている気がするが、そこは不届きな行動の代償として甘んじて貰うか。

「あ、あのッ!」

 レアルの物ではない女性の声。もちろん誰の声かは問うまい。

「危ないところを助けてくださって、ありがとうございます!」

 俺とレアルへと、壁に背中を預けていた女性が感謝の念を込めて身体ごと頭を下げた。よほど怖かったのか、そのお辞儀の仕方には真に迫るモノがあった。

 よくよく見れば、レアルやクロエ、ファイマほどに極上ではないが、普通に可愛らしい女性だ。着ている服もお上品ではないだろうがお洒落なデザイン。レアルらのレベルには恐れ多くて手が届かないだろうが、このぐらいの可愛らしさなら邪な手が伸びてしまうのか。と、流石にこの女性に失礼だな。

「お嬢さん、怪我はないか?」
「はい、大丈夫です。その…………まだ何もされてませんでしたから」

 何か、を想像して女性は小さく震えたが、直ぐに安堵の溜息をついた。

 軽く事情を聞くと、お嬢さんは近くで服飾屋を営んでいる店の娘さんらしい。店で扱う小物の補充に買い出しに出かけたところ、運悪く柄の悪い男達に絡まれたらしい。拒絶の意志をハッキリと示したが、しつこく言い寄ってくる男達に恐怖を抱いた彼女はその場から逃げ出し、結果としてこの路地裏に迷い込んでしまったのだ。

「何でこんな場所に逃げ込んじゃったんだろう。ここに行き止まりがあるのは知ってたのに」
「逃げることに慣れてなきゃ、逃げ道考える余裕なんてないだろうさ」

 考える余裕が多少でもあるのなら、治安維持のためにいる兵士の屯所や冒険者ギルドの方に逃げ込めただろうが、気が動転している女性にそれを求めるのは酷だ。

「もう大丈夫だとは思うが、念のために家まで送っていこう」
「い、いえっ、そんな手間を掛けさせる訳にはッ」
「いや、この後に先ほどの男が報復に来ないとも限らん。分かれた直後にまた襲われた、では余りにも寝覚めが悪すぎる」
「俺たちの心の平穏のために、家に送り届けるぐらいはさせてくれよ」
「うぅ…………、本当にありがとうございます」

 恐縮する女性だったが、またも頭を下げるのだった。



 さて、後はお嬢さんを家に送り届けて一件落着、とはいかないようだった。

「ーーーーん?」

 今度、先に反応したのはレアルだった。長い耳がピクリと動くと、彼女は目を細めて路地裏の入り口の方へと顔を向けた。俺もそちらを見ると、こちらに向かってくる複数人の気配を感じた。

「…………まさか、さっきの野郎の仲間か?」

 仲間を引き連れての報復行為。町のチンピラにありがちな行動パターンだな。だが、レアルは俺の予想を首を横に振って否定した。

「いや、違うな」

 やがて、入り口の方からこちらへと走ってくるのはやはり、先ほどの男だ。けれども彼が引き連れているのがその仲間でないと一目で分かった。男の後に続いていたのは簡素ながらも鎧を纏っていたからだ。見覚えがあるそれは、確かドラクニルの治安を守るために街を巡回している兵士ーー警邏部隊だ。

「は?」と俺と娘さんは首を傾げた。や、あの先頭を走る男が警邏に縄を付けられて連行されているのならば理解できるのだが、なぜにあの男が警邏さんを引き連れているのだろうか。

 一方で、今度はレアルが先ほどの男と同じように苦虫を磨り潰したような顔になった。彼女はいち早く事情を把握したらしい。そしてそれは俺たちも直ぐに知ることになる。

「あ、いましたッ! あいつらです! あいつらが急に俺たちを襲ったんです! ほら、仲間があそこに倒れてますよ!」

 ………………………………。

「や、この展開は予想外すぎたわ」
「奇遇だな、私もだ」

 俺たちは揃って頭痛を抑えるように頭に手をやった。女性の方は、事態を飲み込んだのか、顔をサッと青ざめさせた。

 この時、運が悪い出来事が三つほどあった。

 一つ。俺たちは予想外すぎる展開に頭痛を覚え、反応が遅れていたこと。二つ。この場に駆けつけた兵士達は警邏隊の中でも正義感が飛び抜けており、余り人の話を聞かないことで有名だったこと。三つ。そんな彼らが治安維持のためによく使っていたのが、水属性の魔術だったことだ。

「昼間から暴力沙汰とは感心せんッ! 不意打ちとは卑怯千万! 神妙にお縄に付くがいい!」
「や、むしろ前を走ってる奴をお縄にしろよ」
「ん? しかもうら若き女性を路地裏に連れ込むとは、いよいよ許せんな!」
「私も一応女なのだがな、存在は無視されているのか?」
「問答無用ッ! 貴様等の悪行、我が水の魔術ですべて押し流してくれるわッッ!」

 台詞の言い回しがどうにも時代劇のお代官様みたいだな。と、場違いなツッコミを口にしそうになったが、警邏が構築しだした魔術式に俺とレアルはようやく我に返った。

 しかし、行動を起こそうとしたときには時既に遅し。警邏は魔術式を発動させ、大きな水の奔流を生み出した。暴徒を沈静化する為に特化した術式のようで、鋭さも奇をてらった変化もなくただの水流で対象を押し流す魔術だ。俺は咄嗟に女性の前に氷の壁を作り水の奔流から守れたのだが、当の俺たちにまでは及ばなかった。警邏の魔術式にはほとんど殺気が感じられなかったのも大きな要因だ。

 俺とレアルは大量の水に晒され、ずぶ濡れになってしまった。

 もっとも、俺は水の圧に負けて派手に転んだが、レアルは真正面から奔流に巻き込まれながらも、ほとんど体勢を崩さずに仁王立ちで堪えていた。たまにコイツが人間なのか疑わしくなるな。



 結局、あの不届きな男の嘘偽りは女性の証言ですぐさまに発覚。虚偽の証言を行ったとして、今度こそ現行犯逮捕の流れとなった。やってきた警邏達は深い深い謝罪を述べ、何かしらの賠償を申し出たが騒ぎが大きくなるのを嫌った俺たちはそれを断った。女性には被害が出なかったし、俺たちも水を被っただけで怪我らしい怪我も無かったからだ。

 それでも、食い下がる警邏達だったが、しぶしぶと言った風にレアルが懐から一振りの短剣を取り出し、彼らに見せた。

 その剣をーー正確には柄の部分に刻まれた紋章らしい凝った装飾を一目見ると、顔色が青色を通り越して真っ白になった。そこからレアルが「このことはこの場限りの内密に頼む」と小声で囁くと、警邏達は背骨が折れんばかりにさっと敬礼を残すと、今度こそお縄になった男を引きずり回す勢いで路地裏を去っていった。

 ちなみに、男の仲間だった気絶した二人は今も倒れたまま。もしかしたら、気絶しただけで連れて行かれた男よりもよほどに罪が軽くなったのかもしれないな。

「しかし、どうするかね、これ」

 俺は水気を存分に含んで重くなった服を摘んだ。レアルも困ったように水濡れになってしまった己の身を見る。今は日も高く暖かいし、精霊の加護のお陰でほとんど寒さを感じない。けれども、水気でぐっしょりとなってしまった服が肌に張り付く感覚は気持ち悪いことこの上ない。

「どうするも何も、このまま街の中を出歩くわけにもいかん。着替えに戻らんとならんだろうな」
「だよな。とすると、このまま解散か?」
「仕方がないだろうな」

 俺の着替えは宿の方にあるが、当然そこにレアルの着替えがあるはずもない。この場で別れてそれぞれの住処に戻るしかない。どうやら、この後に茶を飲む予定はご破算らしい。少し残念だが、濡れ鼠のまま喫茶店に入るわけにもいかないしな。

「あ、あのッ」

 溜息を吐きそうになる前に、またも女性が声を上げた。

「この後ご予定がないのでしたら、私の家に寄ってもらえないでしょうかッ。その、今回のお礼もありますし!」

 そんな女性も申し出に、俺たちは揃って顔を見合わせたのだった。
レアルがメインヒロインな回。話は次回まで続きます。
ようやくレアルがヒロインっぽい回です。

引き続き評価点や感想文、ブクマ登録を頂いており、本当にありがとうございます。
次は目指せ総合評価五百点です。
千里の道も一歩から、頑張って更新していきます
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